兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第5回口頭弁論

[ 2011/03/09 23:41 ]
 第5回口頭弁論は3月8日11時30分から神戸地裁204号法廷で行われました。
 42席ある傍聴席には入りきれず、廊下で立っていた方も数多くいらっしゃいました。
 今回もリサさんは、ご両親とともに車いすで出廷し、原告・被告双方のやりとりに
耳を傾けていました。

 閉廷後の報告集会にも皆さんそろって足を運んでくださり、1時間以上にわたって
熱心なやりとりがありました。
 被告・東京海上日動火災保険は、「リハビリには効果が見込めない」と決めつけ、
リハビリ費用に関する保険金を給付することを拒否しています。

 これに対して、報告集会では参加者の皆さんから
「遷延性意識障害とは、アウトプットができないだけ。つまり患者さん自身が言葉を
もって表現することはできないが、認知はしているという事例が多数報告されている」
「発症から5年・10年経過して、言葉を取り戻した患者さんの例もある。
リハビリ不要論など、まったくのウソである!」
「リサさんも、話しかけたら笑顔で応えてくれることもある。これがリハビリの効果
ではないというのなら、いったいなんなのか!医学の進歩に対する冒涜であり、
医師・看護師・理学療法士など、一生懸命に力を貸してくださっている方々に対して
失礼極まりない」
と、強い憤りの声が次々にあがりました。

 また当ブログでもすでにご紹介していますが、最高裁は06年3月13日
「教育活動の一環として行われる学校の課外のクラブ活動においては、生徒は担当教諭の
指導監督に従って行動するのであるから、担当教諭は、できる限り生徒の安全にかかわる
事故の危険性を具体的に予見し、その予見に基づいて当該事故の発生を未然に防止する
措置を執り、クラブ活動中の生徒を保護すべき注意義務を負うものというべきである」
との判決を言い渡しています。
 つまり学校は、部活動において事故が発生することを未然に防止するために、
具体的な措置を講じることが求められているわけです。

 まして龍野高校においては04年1月、体育の授業中に当時1年生の男子生徒が
亡くなるというきわめて重大な事故が発生していました。
 緊急に真剣に事故防止策を作成し、その運用の徹底を図るのは当然のことです。

 しかるに石原元秀・前校長(現小野高校長)は、自らの果たすべき責任を懈怠したことを
棚に上げ、「リサさんには持病があった」と虚偽の報告を行ったばかりか、
「保護者から多額の金品を要求されて困っている」と、まったく事実ではない風説を流布し、
リサさんはもとより、ご家族の名誉まで毀損したことは到底看過できません。

 石原氏の不法行為も裁判では重要な争点となっていますし、今後の審理では石原氏に
証人として出廷を求めることも当然考えられます。
 報告集会では
「石原氏には教育者として、という以前に人間としての姿勢に強い疑問を感じる。
同氏の言動には到底納得いかない」
という声が相次ぎました。

 そしてリサさんが倒れた07年当時、龍野高校PTAの役員だった方が
「役員会で石原校長から前記の話を聞いた。この時点では『なんてひどい保護者だ!』
というのが役員の共通認識だった。その後、ご両親と会ってお話を伺ったところ、
石原校長の主張が、まったく事実に反するものだとわかって愕然とした。
わたし自身、一時とはいえ校長の言説を鵜呑みにしたことを恥じている」
とし、陳述書を裁判所に提出しました。

 角隆博裁判長、大森直哉裁判官、高島剛裁判官におかれましては、まさに現場にいた
当事者の心からの訴えに、真剣に耳を傾けていただきたく存じます。

 当ブログで既報のとおり、龍野高校は「生徒の安全管理は自己責任」として
突き放しています。
 すなわち「学校には問題はない。反省すべき点など一切ない」というスタンスを
崩していません。
 これでは、同じ悲劇を今後も繰り返す恐れが多分にあるということです。
 ちなみに報告集会では、
「大阪府立高校では少なくとも15年前から、すべての生徒を対象に救急救命講習を
実施し、生徒たちには『緊急時には必ず心臓マッサージを行う』よう指導している」
「娘が通っている高校では全生徒を対象とした救急救命講習のほかに、運動部員には
特別講習の受講も義務づけられている」
という複数の証言が得られたことを、ここに付記しておきます。
 したがって、清重安男校長の経営方針には重大な疑問があると指摘せざるを得ません。

 なお石原・清重両氏は3月末を持って定年退職の予定と伺っています。
 公職から退いてしまえば説明責任を果たす義務などなくなる、道義的責任について
答えるよう求められることもなくなる、などとお考えになられては困りますし、
そのような事態を認めることなどできません。
 なので、今回から実名を記載させていただきます。

 リサ父は
「石原前校長も清重校長も、学校管理下の部活動中に生徒が倒れ意識が戻らないまま、
という重大な事故が発生したという事実に向き合おうとせず、ひたすら事態の鎮静化と
事実の不可視化を図り、生徒や家族の人権を尊重せず、自らの保身を優先するという
態度に終始している。このことをたいへん遺憾に思っている。
 わたしたちは未来に光を見出せず、毎日辛く悲しい思いをしているが、意識不明の
状態が続こうとも、わたしたちにとって娘は大切な家族。くじけるわけにはいかない!」
と述べました。

 そのうえで、
「石原前校長が事故後に誠意ある対応をされていたならば、わたしたちは赦して
しまっていたかもしれない。
 裁判を通じて理不尽な権力と戦おう、という気力が生まれなかったもしれない。
 石原氏の非人道的な対応に直面させられたからこそ、怒りが戦うエネルギーとなり、
二度と学校でこのような事故を起こしてはならない、という気持ちになった。
 多くの皆さんのご支援をいただきながら、龍野高校が安全で生徒を大事にする
学び舎になることを願ってやまない」
とあらためて決意を示すとともに、支援者の皆さんへの感謝の言葉を口にしました。

 第6回口頭弁論は5月24日13時20分@神戸地裁204号法廷です。
 奇しくもリサさんが倒れて丸4年、という日です。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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