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兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

日体大で「学校・部活動における重大事件・事故から学ぶ研修会」開催

[ 2018/12/15 10:22 ]
 2018年12月13日、日本体育大学スポーツ危機管理研究所が
18年度第3回「学校・部活動における重大事件・事故から学ぶ研修会」
を開催し、同大の学生および一般の聴衆が約190人集まりました。

 今回のテーマは「学校における『指導死』、『いじめ』問題について考える」
 一般社団法人・ここから未来の代表理事・大貫隆志氏、神戸市立小で
発生したいじめ恐喝事件被害者の父、奈良県橿原市立中で発生した
いじめ自殺事件被害者の母が登壇しました。

 大貫氏は、教員たちが学校教育法第11条にある「懲戒権」を拡大解釈
して濫用しているとし、
「教員の指導を受けた直後に生徒が自死してしまう事案の多くは、
計画性もなく教員個人の判断による恣意的な指導がまかり通っているため、
指導と懲戒の境界がきわめて曖昧になっている」
と指摘しました。
 そのうえで、殴る蹴るといった暴行を加えられたわけではないのに
「長時間にわたって暴言を浴びせたり、生徒の言い分に耳を貸さなかったり
して子どもの尊厳を著しく傷つけている。
 『子どものため』の指導といいながら、実は子どもたちを追い詰めている。
 子どもは十分な可能性をもった存在だと規定し、『子どもとともに』
成長を支援していく、という考え方にシフトチェンジすることが求められる」
と述べました。

 教育評論家・武田さち子氏の調査によれば、1989年度-2017年度に
かけて78件の指導死事案(うち10件は未遂)が発生していますが、
指導死に関する公式統計はどこにもなく、したがってこれはあくまで
氷山の一角と言わざるを得ません。

 さらに大貫氏は、自身が鹿児島県奄美市で発生した指導死事件の
調査委員を務めたことを明らかにしたうえで
「6名の委員が協力して、報告書の公表版も黒塗りにしなければならない
部分を極力少なくした。これは全国の先生たちに読んでもらいたいからだ。
 教員に悪意がなくても、指一本触れることなくても、生徒のいのちを
奪ってしまうことがあるのだと、ぜひ知ってほしい」
と訴えました。
https://digital.asahi.com/articles/ASLD95VYBLD9TLTB00L.html?iref=pc_ss_date
http://www.city.amami.lg.jp/somu/documents/daisansyaiinkaihoukokusyo.pdf


 橿原市のいじめ被害者の母親は
「熱中症も指導死もいじめ自死も、教育現場で起こった悲劇的な死は、
食い止めることができたはずだ」
と指摘し、
「担任は娘の死後に、娘が教室内で孤立していた様子を話してくれた。
異常な状態にあったことを把握していたにもかかわらず、学年団や
管理職と情報を共有していなかったし、保護者にも伝達しなかった。
 みんなで守ってあげる、という姿勢を示していれば自死は防げた」
と批判しました。
 そのうえで、会場に詰めかけた学生たちに
「教員になって問題の端緒を発見したときには、ひとりで抱え込まないこと。
 子どもたちの心と体を救護する先生になるようお願いしたい」
と語りかけました。

 南部さおり・同大准教授は
「今年度はこれでプログラムを終了するが、来年度も引き続き研修会を
開催する。
 今年度と同様、10月から12月にかけて3回程度の開催を予定している」
と述べました。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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