兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

学校・部活動における重大事件・事故から学ぶ講習会(その2-2)

[ 2016/12/16 18:44 ]
 専修大学附属高1年生だった草野恵さんは03年7月31日、同高バレーボール部が
夏合宿を行っていた新潟県湯之谷村(当時、現・魚沼市)で、急性硬膜下血腫と
熱中症による多臓器不全のため亡くなりました。

 これは顧問の女性教諭(日体大卒)が気温35℃以上、湿度70%以上という環境下
にもかかわらず、休憩も水分補給もさせず過酷な練習を強いたこと。
 さらに恵さんが2日前から頭痛や吐き気を訴え、視線が定まらないなど明らかな
異常が見られていたにもかかわらず、顧問教諭が「過呼吸」と誤った判断をして
救急搬送しなかったことが原因です。

 同高の校長(当時)は説明責任を果たさず、部員らには箝口令を敷き、遺族は
事情が分からないままだったため06年7月、東京地裁に損害賠償請求訴訟を提訴、
09年6月30日に和解に至りました。

 「和解」とはcompromise.
 すなわちcom=互いに、promise=約束する、ということです。

 和解条項には、専大附高の中に「安全対策委員会」を設置すること。
 毎年1学期に実施する球技大会を「恵杯」と呼び、恵さんの保護者が出席して
その趣旨について生徒らに説明すること。
 夏合宿前には、恵さんの保護者から部員たちに「自分の命は自分で守ろう」と
呼びかけることも含まれています。
 さらに「保護者はいつでも予告なく同高を訪問し、部活動の様子などを抜き打ち
チェックする権利を有する」との一文も盛り込まれています。

 恵さんの母・とも子さんは
「学校へ通い続け、医師をはじめとする対策委の委員にもご理解いただき、
専大附高は変わりつつある。娘の命が生かされていると実感している」
と述べました。

 上記事案で取り上げた指導者について、南部さおり・日体大准教授は
「自分は無謬だという根拠のない自信に満ち溢れていること。勝利至上主義の虜
であり、同じ価値観を生徒たちも共有していると信じ切っていることが特徴として
あげられる。
 このため『生徒たちの競技力向上には、自分の指導法こそ最善』と思い込んでいる
傾向がみられる」
と指摘しています。

 こうした姿勢は、「悪意よりもたちの悪い善意」といえるのではないでしょうか?

 さらに医学的知見に欠けていること、生徒の様子を観察していないこと、副顧問教諭
らがいたとしても一切の発言権が封じられていること、も共通点としてあげられます。

 草野とも子さんは学生らに
「生きていたらアクシデントは起きる。その際、救急車の出動を要請することを躊躇
しないでほしい」
と呼びかけました。

 次回は17年1月30日(月)18時00分から日体大世田谷キャンパス記念講堂で
行われます。
 多くの学生が
「11月にご遺族のお話を聞いて今回も来た。次回も必ず参加する」
と異口同音に、涙ながらに語っていました。
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Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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