兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第7回「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議(その2)

[ 2016/03/27 19:51 ]
 指針は
「コーディネーターは事故対応の知見を有する都道府県又は市区町村の職員が
想定される。また、地域の実情によっては、学校の設置者が事故対応に精通した
学識経験者(大学教授・元教員その他これに準ずる者)にコーディネーターを
委嘱する等も考えられる」
としていますが、これは文科省が第6回有識者会議に提示した指針案となんら
変わるところはありません。

 これは「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人・宮脇勝哉氏が語っていた
「文科省が見本を示し、都道府県はそれに倣う」
という構想とは正反対の、自治体に丸投げする内容にとどまっており、
「文科省自身が新たな制度設計をすることに期待を寄せている」
という宮脇氏の願いが実現できたとは到底言えないものです。

 同会の内海千春氏は、文科省が第6回有識者会議に提示した指針案について
コーディネーター制度を形式的に導入し、実質的に骨抜きにすることで
「より巧妙に事実を隠蔽し、事態の沈静化を図ろうとする動きを助長するのではないか」
という危惧を表明していましたが、これが杞憂に終わるとの確信が得られるものには
なっていません。
 そして、住友剛委員(京都精華大教授)が指摘していた、コーディネーターに
求められる資質についても、コーディネーターの育成方法についても、一切言及して
いません。

 桐淵博委員(埼玉大教授、前さいたま市教育長)の
「名古屋市立向陽高柔道部事故後の学校と市教委の対応を、モデル事例として指針に
盛り込むべきだ」
という提案も見送られました。
 まさに見切り発車というしかない状況です。

 第7回有識者会議では、渡辺正樹座長(東京学芸大教授)が
「今回の指針が完璧なものとは考えていない。現場の声を聴きながらよりよいものに
していきたい」
と述べたのも、時間が限られたなかで今年度中に有識者会議としての結論を出さざるを
得ないという状況にあって、渡辺座長自身が宮脇氏・内海氏らと同様の不安感を抱えて
いることのあらわれではないか、と推察されます。
 指針の実施状況については、今後も引き続き注視していく必要があります。

 それでも文科省が重い腰を上げて理念を打ち出したことは一歩前進、です。
 なぜなら16年3月25日付朝日新聞社説が指摘しているとおり、

 学校での事件や事故をめぐっては、家族と学校の対立の構図が繰り返されてきた。
 保護者から責任を追及されたくないと、経緯をなかなか明らかにしない学校。
 事実がわからず学校に不信をつのらせ、裁判に訴えるしか手のない家族。

という現実に鑑みれば、学校管理下で発生した事故・事件について、学校が調査する
ことを義務づけたことは評価すべきでしょう。


(この項、つづく)
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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