NHK大阪放送局は
8年前、兵庫県の県立高校で、部活動の練習中に倒れて重い障害が
残った女子生徒と両親が、学校の安全管理に問題があったと訴えた裁判で、
最高裁判所が兵庫県の上告を退け、およそ2億3000万円の賠償を命じた
判決が確定しました。
平成19年5月、兵庫県立龍野高校で、テニス部のキャプテンだった2年生の
女子生徒が部活動の練習中に倒れて意識不明になり、重い障害が残りました。
女子生徒と両親は、学校の安全管理に問題があったと訴え、1審の神戸地方
裁判所は訴えを退けましたが、2審の大阪高等裁判所は、熱中症が原因と
認めた上で、顧問の教師が長時間の練習を指示するなど、学校側に過失が
あったとして、兵庫県におよそ2億3000万円の賠償を命じました。
兵庫県はこれを不服として上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の
岡部喜代子裁判長は、17日までに上告を退ける決定を出し、兵庫県の敗訴が
確定しました。
女子生徒の父親は「学校側に、生徒の安全に配慮する義務があったことが
認められ、大変、喜んでいます。この決定を真摯に受け止めて、2度と同じような
事故を起こさないように対策を徹底してほしい」と話していました。
と伝えています。
これによって、事故発生直後から石原元秀・龍野高校長(当時)が、
「リサさんには持病があった。倒れたのは病気が原因なのに、保護者は
学校に責任があると強弁している」
「練習内容は主将だったリサさんが決めたもの。責任は本人にある」
とあちこちで吹聴していたことが虚偽であり、学校が負うべき責任を回避する
ために事実ではないことを捏造し、リサさんと保護者の名誉を毀損していた
ことを司法が認めました。
両親は
「事故直後から介護に傾注したかった。学校に翻弄され、裁判に膨大な
労力と時間を費やした。失った8年半はあまりにも大きい 」
と心中を吐露しています。
いたずらに裁判を長期化させ、ここまで被害者と家族を苦しめた兵庫県の
対応は過酷極まりなく、まさに加害行為であると言わざるを得ません。
井戸敏三・兵庫県知事には最高裁の判断を真摯に受け止め、両親が
長年にわたって望んでいるとおり事故に関する調査を行い、実効性ある
再発防止策を早急に策定し、その運用の徹底を図るよう求めます。
(この項、つづく)
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