兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

スポーツ事故根絶に向けて(その10)

[ 2015/10/28 11:15 ]
 朝日新聞の中小路徹・編集委員は、2015年10月24日付同紙コラム「縦横無尽」で、

 「誰かの犠牲で成り立つ安全はやめにしたい」
 長野県松本市の沢田佳子さんはそう話す。
 (15年10月)17日、青少年スポーツ安全推進協議会が、大学研究者、医師、
柔道関係者らを発起人として設立された。事故を防ぎ、子供たちが安全にスポーツを
楽しめる環境整備へ、シンポジウムやサイトなどで情報発信、知識提供することが
軸になる。設立総会で沢田さんは会長に選ばれた。
 08年、同市の柔道教室で指導者に投げられ、急性硬膜下血腫で四肢まひの重い
後遺症を負った武蔵さん(19)の母親である。指導者は昨年、長野地裁で「安全に
配慮せず、手加減せずに投げつけた」として業務上過失傷害罪で有罪判決を受けた。
 武蔵さんは療育施設で暮らす。声を出し、笑う。うなずくことでイエスノーの意思は
伝えられる。だが、食事、排泄を含め、全介助の生活だ。
 佳子さんは「重大な後悔」をしている。けがをした武蔵さんに「放っておけば治る」
と指導者が言ったことや、「水分補給は少なめに」「稽古中はトイレにいくな」という
指導に違和感を覚えても、「スポーツはそんなものか」とやり過ごしていたことだ。
 「おかしいです」と指摘できる知識と理論が、自らにはなかった。それがあれば
事故が防げたかはわからない。でも、知識があれば、安全な環境作りへ指導者と話を
交えられる。情報発信、知識提供に活動の重きを置くのは、親たちにも学ぶ機会を
持ってほしいという願いからだ。
 これまで被害者の立場から10回ほど講演してきたが、「特殊な事故の被害者だと
同情はされても、人々に『自分にも起こることかもしれない』と共感されないことに
悩んでいた」と話す。裁判に向けて街頭署名を集めている時、「こういうことは柔道の
世界の中でやってくれ」という通行人の言葉に、胸を突き刺されたこともあった。
 知識を共有することで、そんな隔たりをなくしたい。「運動会の組み体操にしても
ピラミッドが崩れ落ちるあの映像を見て、どう思うか。誰かが亡くなった後に安全を
考えても……」。
 危険要素を知り、勝利、達成を目指しながらも無理を排除することがスポーツの
安全につながる。
 とにかく、重大事故が起こる前に。

と書いています。

 15年10月13日の記者会見で
「二度と熱中症による事故を繰り返してほしくない」
と訴えたリサさんの両親の思いは、沢田さんのそれと一致するものです。

 07年度龍野高校長だった石原元秀氏は12年12月7日、神戸地裁で行われた
証人尋問で
「わたしは熱中症について聞いたことがない」
と言い放ち、傍聴席を唖然とさせましたが、生徒の安全に配慮する義務を負う
教員にとって、
「知らなかったのだから仕方がない」で済まされることではありません。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201212-8.html

 すべてのスポーツは重大事故につながる可能性があります。
 「無知はいけないこと。学ぶことが安全につながる」
という沢田さんの言葉を、教職員や指導者はもとより、わたしたち一人ひとりが
かみしめる必要があるのではないでしょうか。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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