兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

熱中症のリスクについて(その2)

[ 2015/07/13 06:24 ]
 2015年7月11日付朝日新聞スポーツ面のコラム「縦横無尽」に、
中小路徹・編集委員の「熱中症の悲劇、繰り返すな」と題する一文が掲載
されています。
 このなかで09年8月、大分県立竹田高剣道部主将だった工藤剣太さん
(当時17)が、顧問教諭の熱中症に対する知識のなさと暴力によって
死に追い込まれた経緯を記しています。

 そのうえで

 両親は、子どもの事件事故の再発防止を考える「剣太の会」を有志と
立ち上げ、これまで30回、国内各地で勉強会や講演を開いてきた。
 そこで(剣太さんの母)奈美さんはあえて、遺体の引き取り時と火葬場の
「地獄」を生々しく語る。
 司法解剖が終わり、警察署で遺体を包んだ袋を開けると、剣太さんの顔は
真っ黒で腐敗臭がひどかったこと。部の後輩でもあり、現場にいた弟が
ひつぎにしがみついて離れなかったこと……。
 「熱中症で死亡、というニュースの背後にある壮絶さを知れば、みんな
自分の身に置き換えると思うから」と奈美さんは言う。そして、スポーツに励む
子どもたちに、「限界が来る前に逃げる勇気を持ちなさい」と呼びかける。
 とはいっても、現実的に子どもから「もう無理です」とは言いにくい。
 スポーツには苦しみを伴ってこそ壁を越えられる面もある。
 だから、(剣太さんの父)英士さんは強く訴える。
 「これ以上やらせたら危ない、という判断を指導者ができるよう、熱中症を
勉強し、軽くみないことが最も大事です」
 この夏、スポーツが悲しみの現場にならないことを切に望む。

と書いています。

 1999年7月、兵庫県川西市立川西中ラグビー部の練習中に1年生だった
宮脇健斗くんが熱中症を発症したときも、顧問教諭(当時)は「演技は通用せん!」
と決めつけ、救急搬送が遅れたために熱射病による多臓器不全で死亡しました。

 いずれも顧問教諭の判断ミスが、生徒の死という取り返しのつかない結果を
招きました。
 全知全能でも無謬でもない教員が、部活動という小さな王国の絶対権力者として
君臨し、自らの号令で多くの部員を従わせることができるという快感に酔い始めた
ときこそ、危険な兆候です。

 15年7月11日、東京都内で開催された第2期子ども安全管理士資格認定講座
(主催=一般社団法人吉川慎之介記念基金)に登壇した早稲田大大学院の
大伴茉奈さんは「熱中症は予防が重要」と強調し、
「必ずしも気温が高くなくても熱中症を発症するリスクがある」のだから、暑さ指数
(WBGT)を活用するよう訴えました。
http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

 南部さおり・横浜市立大医学部助教が指摘するように、
「事故が起きて、幸せになる人はだれもいない」のです。
 生徒の安全に万全を期すことは、教師自身を守ることにもつながるのだと
いうことを、あらためて強調しておきます。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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