兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

組体操の危険性について(その3)

[ 2014/10/09 08:23 ]
 2014年10月2日付毎日新聞「発信箱」で、落合博論説委員が「セニはあるか?」
というコラムを書いています。

 スペインからの独立の是非を問う住民投票の実施を目指すカタルーニャ自治州
には200年以上続く伝統行事がある。「人間の塔(カスティス)」だ。国連教育科学
文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産でもある。
 運動会や体育祭で行われる組み体操(原文ママ)の「タワー(円塔)」に似ている。
研究者の岩瀬裕子さんによると、カスティスには四つのモットーがある。力(フォルサ)、
バランス(エキリブリ)、勇気(バロ)、理性(セニ)で、カタルーニャ人固有の美質を
最もよく表すのがセニだ。
 「これを登ったらけがをする」などと感じたら潔く途中でやめたり、作り直したりする
冷静な判断力のことを言う。参加者は3〜11月の約9カ月間、1日2〜3時間、
週2〜3日の練習を重ねて本番に備える。(中略)


 兵庫県伊丹市立天王寺川中の3年生男子が、14年9月20日の体育大会で
「組体操史上初」となる11段ピラミッドに挑戦しました。
 しかし10月3日放映の毎日放送「VOICE」によると、同中の吉野義郎教諭が
作成した「11段ピラミッドの設計図」に基づいて、「どこにだれを配置するか」を
決定したのは9月17日でした。
http://www.mbs.jp/voice/special/

 上記カスティスが「約9カ月間、1日2〜3時間、週2〜3日の練習を重ねて
本番に備える」のとは、あまりにも大きなギャップがあります。
 中学生に、わずか3日の練習で高さが7m以上にも達する11段ピラミッドを
完成させろというのです。
 しかも吉野教諭は、
「11段ピラミッドはどこも成功させたことがない。このやり方で大丈夫かどうかも
わからない」と認めています。
 三宅良輔・日本体育大教授は、
「運動会や体育祭での発表のために短い練習期間で、成功する確信がないにも
かかわらず挑戦させたりすることには賛同できない」と述べています。
(14年7月19日付毎日新聞東京本社版夕刊)

 体育大会当日は11段ではなく、10段ピラミッドに取り組みました。
 それはメンバーに入っていた教員が練習中にけがをしたため、校長の判断で
11段は断念したということでした。
 しかし吉野教諭は「大きな事故がなく終われたのが一番」としています。
 教員がけがをしたことは、吉野教諭にとって「大きな事故」ではないようです。

 吉野教諭は自らYouTubeに体育大会の映像を投稿していますが、この映像には
10段ピラミッドが1回目は失敗したことは記録されていません。
https://www.youtube.com/watch?v=FUG0mSYGv7w

 毎日新聞の落合論説委員は上記コラムを

 表現性の高い身体活動である組み体操は高さや大きさを競うものではない。
無数の型があり、ピラミッドはそのひとつでしかない。
 「セニ」を欠いて、傷つくのは子どもたちだ。

という一文をもって締めくくっています。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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