兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

保護者の知る権利について(その49)

[ 2014/09/15 06:56 ]
 2014年9月12日付山形新聞は

 学校でのいじめに悩んでいた天童市の女子中学生=当時(12)=が自殺した
問題で、第三者による調査委員会の設置に向けた市教育委員会と遺族の面談が
11日、同市内で行われ、第三者委の運用の基本となる設置要綱について両者が
合意、委員の人選方法についてもおおむね一致した。発生から8カ月が経過し、
ようやく真相究明に向けた枠組みが固まった。(中略)
 女子生徒の父親は「なんでもっと早く面談に応じてもらえなかったのか不思議だ。
(第三者委には)まず事実を究明してもらい、(市教委には)事実に基づいた対応
をしてほしい。娘の尊厳の回復を願っている」と胸の内を語った。

と伝えています。

 保護者の知る権利を保障するために事実を究明し、事実に基づいて対応する
ことが求められます。

 内田良・名古屋大大学院准教授の調査によると、1983年度~2011年度の
29年間に学校管理下で発生した柔道事故により118人が死亡しました。
 内田氏は
「不幸にして発生した事故について精緻に調査し、その結果を集約し分析する
ことで傾向が明らかになる。その作業を経て再発防止策が策定できる」
とし、
「全日本柔道連盟が発行した『柔道の安全指導』06年版は、『重大事故は
ほとんどが不可抗力的なもの』と記載し、事故が起こるのは仕方がないという
捉え方だった。しかし11年の再改訂版には、『重大事故に直接結び付くと考え
られる頭部・頸部の怪我の予防とその対応について具体的に提示しています』
と明記している。すなわち重大事故は防止できるという姿勢に転換した。
この結果、12~13年度に学校管理下で発生した柔道事故で死亡した例はない」
と述べ、全柔連の姿勢を評価しています。

 リサさんは龍野高女子テニス部の練習中に倒れました。
 学校管理下で行われていた部活動中に事故が発生したのですから、両親には
「なぜ、どのようにして事故が起きたのか?どうしていれば事故は予防できたのか?」
を知る由はありません。
 しかし兵庫県は、大阪高裁に提出した準備書面のなかで
1)校長には、被害者と家族に対して原因調査を行う義務はない
2)被害者家族は自ら調査をしているのだから、校長が調査する必要がない
と突き放しています。

 1)は内田氏の指摘に反し、全柔連の取り組みを無視し、保護者の知る権利を
真っ向から否定するものです。
 2)は石原元秀校長(当時、現・岡山白陵中高校長、兵庫県上郡町教育委員)が
調査報告義務を忠実に履行しなかったために、両親は自ら調査せざるを得ない
状況に追い込まれたという経緯を棚に上げ、事後対応における問題点から目を背け、
石原氏の無責任で不誠実な対応を正当化するために暴論を展開しているに
すぎません。

 兵庫県が「学校管理下で発生した重大事故について調査する気はない」
ということは、すなわち「県内の学校で同様の事故が再発しても仕方がない」
と考えていると判断するよりほかありません。
 兵庫県民の皆さん、いかがお考えでしょうか?
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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