兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

長野地裁、元柔道指導者の刑事責任認める

[ 2014/05/01 21:00 ]
 2014年5月1日付朝日新聞東京本社版は

 長野県松本市の柔道教室で08年5月、当時小学6年生だった沢田武蔵さんが
けがを負い、重い後遺症が残った柔道事故をめぐり、業務上過失傷害罪で強制起訴
された元柔道指導者で柔道整復師の小島武鎮(たけしげ)被告に対する判決が
30日、長野地裁であった。伊東顕(あきら)裁判長は「安全に配慮せず、手加減
せずに投げつけた」と述べ、禁錮1年執行猶予3年(求刑禁錮1年6カ月)の
有罪判決を言い渡した。(中略)
 沢田さんは指導者だった被告に練習で「片襟体落とし」という投げ技をかけられた。
 頭は打たなかったが、強く揺さぶられた影響で急性硬膜下血腫となり、一時
意識不明に。四肢まひの重い後遺症を負った。
 この日の判決はまず、柔道指導者には「技量・体格に配慮しながら、手加減する
注意義務がある」と指摘。「未熟な者が強い力で投げられ、畳に打ちつけられれば、
身体に何らかの障害が発生することは十分に予見可能だ」と述べた。
 沢田さんについて「受け身の習得も十分ではない、発育途上の小学生だった」とした
うえで、「手加減して投げた」などと無罪を訴える被告の主張を検討。保険会社の
依頼で再現した際の映像の中で、被告が強く投げたことを認めていることなどから
「注意義務に反して投げたことは明らか」と認定し、被告には過失責任があると
結論づけた。(中略)
 判決後に記者会見した沢田さんの父博紀さんは「柔道界、スポーツ界が本当に
変わってほしい。指導者がいま一度見直すきっかけになってもらえれば」と語った。
 母佳子さんも「柔道において頭を打たなくても脳損傷が起きることを広めていく
ことが必要」と話した。この日は両親が参加する「全国柔道事故被害者の会」の
メンバーらも法廷で判決に聴き入った。(後略)

と報じています。

 判決について、内田良・名古屋大大学院准教授は中日新聞の取材に
「全国の柔道指導者に重要な意味を持つ画期的な判決だ。技量の未熟な子を強く
投げれば傷害が発生し得ることは、有段者でなくても分かることだ。指導者は今後、
自分たちが刑事責任を問われる可能性があることを十分に自覚し、安全に配慮して
ほしい。今回は学校外での事故だが、教育現場でも事故は昔から多発してきた。
 行きすぎた指導も、教育の名の下に『指導の一環』として片付けられてきた側面が
ある。判決は、教育現場のそうした風潮にも風穴を開けてくれるものだ。教育関係者は、
事故防止に向け、判決の内容を重く受け止めてほしい」と述べています。

 損害賠償請求訴訟で沢田さんの代理人を務めた永田恒治弁護士は
「指導者の刑事責任を認め、被害者が報われる判決を導き出した、検察官役の
指定弁護士の努力に敬意を表する。長野地裁判決は、強化と安全対策は両立しうる
と指摘した、たいへん意義のあるもの」と評価しました。

 「全国柔道事故被害者の会」の村川義弘会長は
「検察は従来、『柔道場で柔道着を着て、柔道技をかけて発生した事故の刑事責任は
問えない』としてきたが、長野検察審査会の決定は『検察の判断が国民の良識とは違う』
ことを表明し、今回の判決はその国民の良識が正しいと判断したもので、その意義は
非常に大きい」と述べました。
 そのうえで14年3月15日、沖縄県豊見城市で小3男子(当時)が柔道の練習中に
倒れ、意識不明の重体になっていることに言及し
「報道によれば、練習中に男児は頭痛を訴えていたという。頭痛を訴えれば即座に
練習を中止すべきだった。にもかかわらず、指導者が練習を継続したことが事故に
つながったのではないかと考えている。全日本柔道連盟発行の『安全指導の手引き』は、
頭痛を訴えたらただちに練習を中止するよう明記している。現場の指導者が全柔連の
ガイドラインを順守していれば、予防できた事故はたくさんある。事故撲滅に向けた
具体的な取り組みについて、全柔連に働きかけていきたい」と表情を引き締めました。

 当ブログ14年4月12日付記事
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201404-6.html
でもお知らせしましたが、大津検察審査会は14年4月9日付で、滋賀県愛荘町立
秦荘中柔道部の元顧問を「起訴相当」と議決しました。
 亡くなった村川康嗣くんの母・弘美さんは
「大津地検には長野地裁判決を重く受け止めてほしい」と強く要望しました。

 損害賠償請求訴訟では村川さんの勝訴が確定していますが、
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201305-5.html
民事裁判とは原告・被告双方の主張を聞き、いずれに分があるかを判定する手続きに
すぎず、事故の全容解明を目的とするものではありません。
 弘美さんは
「『あなたのお子さんのいのちは何千万円です』といわれて、納得する親はいない。
 不可抗力ではなく、指導者の指導法に問題があったことが事故の原因だときちんと
解明してほしい。二度と事故を起こさないことが、息子のいのちを無駄にしないこと」
と述べています。
スポンサーサイト
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

最新トラックバック