兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

学校安全管理と再発防止を考える会、勉強会を開催

[ 2014/04/29 10:08 ]
 2014年4月27日、「学校安全管理と再発防止を考える会」の第2回勉強会が
東京都内で開催されました。
 同会は12年7月20日、吉川慎之介くん(当時5歳)が、西条聖マリア幼稚園
(愛媛県西条市)のお泊まり保育中に川遊びで流されて死亡した事故を契機に、
遺族らが設置したものです。
http://shinnosuke0720.net/
 第2回勉強会には20人を上回る参加者があり、13時30分から17時20分まで
活発な議論が展開されました。

 内田良・名古屋大大学院准教授は、独立行政法人・日本スポーツ振興センターが
公表しているデータを集計した結果
「1983年度から2012年度までの30年間で、学校管理下で行われていた
水泳指導・水遊びで212人が死亡していたことが明らかになった」と述べました。
 そのうえで、「教育学に潜む問題点」として
「『子どもたちが健やかに成長する』ことを前提としていて、『子どもが死ぬかも
しれない』という危機意識に乏しい。校外学習において自然体験を礼賛することは
あっても、自然に脅威を抱くことはない。重大事故が発生するリスクに対して、
あまりにも無自覚だ」と指摘しました。

 11年7月11日、大和幼稚園(神奈川県大和市)の屋内プールで水死した
伊礼貴弘くん(当時3歳)の父・康弘さんは、担任教諭(当時)が学生時代、安全管理
について学んでいなかったことを明らかにしたうえで、
「なにかあったら園長の指示を仰ぐよう指導されていた。同園の教諭には119番通報
する権限が与えられていなかった」
と述べた際には、会場内に驚きの声があがりました。

 これについてはNPO法人「保育の安全研究・教育センター」の掛札逸美さん、
ジャーナリストの猪熊弘子さん、NPO法人「ジェントルハートプロジェクト」の
武田さち子さんから、
「珍しい話ではない。『119番通報できるのは管理職のみ』とマニュアルに明記して
いる自治体もある」
「教職課程などで危険性について強調したら教諭や保育士を志望する学生が激減し、
人員を確保できないとの思惑がある。救急措置の履修は養護教諭養成課程の学生に
しか求められていないことが、教諭らに危機管理意識が不足する要因となっている」
との指摘が相次ぎました。
 掛札さんは、水泳や水遊び、川遊びであれば、子どもは溺れる可能性があるという
前提に立ち、
「漫然と見守るのではなく一人ひとりを確認しながら監視すること。さらに蘇生・救急の
スキルを教諭ら全員が身につけるべきだ」と述べました。

 小児科医の山中龍宏さんは、
「毎年同じ事故が繰り返されている。事例を研究し、社会全体で事故を記憶しておく
ことが大事。再発防止はその次の話だ」として、
「保育園児が隙間に入り込んで、熱中症で死亡するという事故があった。この場合、
隙間をなくすことが再発防止策であり、具体的な措置が求められる」
と述べました。

 当ブログ14年4月16日付記事でご紹介しましたが、吉川慎之介くんの両親が
第三者調査委員会を設置し、その運営にかかわる費用も吉川さんが負担します。
 これについて山中さんは
「被害者が第三者委を設置するなどおかしな話だ」とし、
「事故発生に至る機序を解明し、再発防止策を策定するシステムの確立が必要だ」
と強調しました。

 吉川慎之介くんの母・優子さんは、
「聖マリア幼稚園からは説明も謝罪もない。『事故が発生した施設の管理者は西条市、
川の管理者は愛媛県なのだから、市と県の責任だ』という態度に終始している。
 愛媛県と文部科学省は、私立学校法を盾に『指導できない』の一点張りだ。だれも
責任をとろうとしないのはおかしい」
と訴えたうえで、
「第三者委の第1回会合を5月8日に開催する」ことを明らかにしました。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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