2014年3月12日付京都新聞は
京都市左京区の養徳小のプールで12年7月、1年の浅田羽菜さんが溺れて死亡した
事故で、学校のずさんな安全管理が事故を招いたとして、両親が市などに約8100万円
の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、京都地裁であった。橋詰均裁判長は
約2970万円の支払いを命じた。(中略)
市教育委員会による検証では死亡に至る経緯の特定には至らず、13年7月に設置
された第三者調査委員会が事実関係の究明を進めている。(中略)
判決は、児童の証言を基に「ビート板の下に潜り込んでしまい呼吸できなかった」と
推認し、担当教諭について「誰ひとりとして全体の様子を監視していなかった」と
監視義務を怠った過失を認めた。(後略)
と報じました。
第三者委につきましては
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201307-2.html
をご参照ください。
京都市教委は、学校管理下で発生した事故について検証したものの原因究明には
至らなかったため、第三者委が事実関係の究明を進めています。
そして浅田羽菜さんの両親が京都地裁に提訴したのは12年11月9日、第三者委の
設置は提訴から8カ月後の13年7月22日です。
すなわち京都市は、「係争中であることと事故発生に至る機序を解明することは、
それぞれ別の問題であって混同すべきではない」との立場で事故原因を究明しようと
しています。
一方、群馬県桐生市立新里東小6年生だった上村明子さんが10年10月23日に
自殺した問題で、前橋地裁(原道子裁判長)が14年3月14日、いじめと自殺の因果関係を
認め、校長や担任教諭ら学校側の責任を指摘し市と県に計450万円の支払いを命じる
判決を言い渡しました。
これについて14年3月15日付産経新聞群馬版は
今回の自殺問題をめぐっては、市の第三者調査委員会が「いじめが唯一の原因で自殺した
とは判断できない」と結論づけたが、判決では「重要な資料を踏まえず、必要な補足調査も
行われておらず、適正な調査が行われたとはいえない」として、委員会の調査に疑問を
投げかけた。(中略)
いじめ問題解決に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)の
武田さち子さんは「暴力を伴わない、いじめと自殺の因果関係を認めた判決はこれまで
なかった。第三者調査委員会の判断の甘さまで踏み込んでおり、画期的な判決といえる」
と話している。
と報じています。
わたしは14年3月15日、桐生市に
「再調査し、調査報告書の記載内容について訂正する考えはないのか」
と問い合わせるメールを送りました。
回答があり次第、ご報告いたします。
(この項、つづく)
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