兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

介護の日々(その3)

[ 2010/09/07 08:31 ]
 リサさんは既報のとおり、兵庫県立循環器病センターで緊急手術を受け、
なんとか一命を取り留めました。
 まずは一安心ですが、とはいえ問題が解決したわけではありません。
 救急救命期を脱した患者さんは、こんどは福祉的なアプローチを行う病院への
転院が求められます。
 ところが厚生労働省が定める医療費の体系によると、リサさんのように
若くして全面的な介護が必要となった患者さんの場合、入院が長期化すればするほど
病院が受け取る診療報酬が減少することになります。
 早い話、病院にしてみれば「手間はかかるが儲からない」患者さんなわけです。
 残酷な話ですが、これが世界2位だか3位だかの経済大国の悲しい実態です。
 転院先の病院は、入院患者さんの多くが寝たきりの高齢者の方たちでした。
 つまり、本来必要な機能回復のためのリハビリテーションを、十代の少女が
十分に受けられる施設ではありませんでした。
 そしてリサさんの場合、当時は常時たんの吸引を行わないと窒息する可能性が
ありましたが、病院のスタッフが常時付きっきりという訳にはいきません。
 したがって毎晩、ご両親の一方が病院に泊り込んで、徹夜でたんの吸引を行わないと
いけないという状況にありました。
 毎日家族が泊り込むということで、リサさんは個室に入院していました。
 もちろん差額ベッド代が発生します。
 差額ベッド代は1日1万円。
 「いのちを救うためなのだから、お金に糸目をつけるべきではない」とか、
「お金の話をするなど、はしたない」という感想をお持ちかもしれません。
 しかしご両親は「打ち出の小槌」を持っているわけではありません。
 残念ながらリサ父は、ビル・ゲイツ氏でも、ウォーレン・バフェット氏でも、
スティーブ・ジョブズ氏でもありません。
 リサ父の亡くなったお母さんが、ブリヂストンの創業者一族出身という事実もありません。
 ごく普通の市民にとって、体力的にも精神的にも経済的にも、きわめて過酷な介護の日々
が、ここに始まったわけです。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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