兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

神戸地裁判決について(その2)

[ 2014/01/24 08:43 ]
 龍野高女子テニス部顧問だったM教諭(現・姫路南高教諭)は、
平成24年1月25日付で作成した陳述書において
「私は、特別な用事がない限り、練習にはできるだけ最初から最後まで立ち会う
ようにしていました」と記載し、顧問教諭には練習に立ち会う義務があると認識
していたことを認めています。
 そしてリサさんが倒れた07年5月24日は「午後1時30分から兵庫県高等学校
体育連盟西播磨支部テニス部委員会に出席する」予定があり、「午後0時30分頃
には龍野高校を出発しなければならなかったため、練習の最後まで立ち会うことは
できない」ことを事前に把握しており、「副顧問のK先生に立会い(原文ママ)を
依頼すべきだった」ことを認めていますが、判決はこれを無視しています。

 さらに神戸地裁判決は、
「学校の教育活動の一環として行われる部活動において、生徒は担当教諭の
指導監督に従って行動するのであるから、担当教諭は、できる限り生徒の安全に
かかわる事故の危険性を具体的に予見し、その予見に基づいて当該事故の
発生を未然に防止する措置を執り、部活動中の生徒を保護すべき義務を負う」
という最高裁判決(06年3月13日第2小法廷)。
 および、
「部活動の指導監督者(教員)が、練習があることを知りながらなんらの配慮もせず、
他の用務のため学校を退出したときは、生徒の事故について過失責任がある」
という熊本地裁判決(1970年7月20日)、
「担当教員が不在でクラブ活動が行われる場合は、負傷事故に結びつくような
事態の発生を防止するために必要な措置を講じるべきである。校長の予見すべき
事故の発生は、当事者や様態の特定された具体的なものである必要はなく、
抽象的なもので足りる」という岐阜地裁判決(81年2月4日)。
 そして
「学校の教師は、学校の教育活動により生じるおそれのある危険から生徒を保護
すべき義務を負っており、事故の発生を未然に防止するために必要にして十分な
措置を講じる注意義務がある」という山口地裁岩国支部判決(95年12月27日)
を無視するものです。

 これらに加えて、文部科学省スポーツ・青少年局長の諮問機関、
「体育活動中の事故防止に関する調査研究協力者会議」が、平成24年7月に
まとめた「学校における体育活動中の事故防止について(報告書)」に
「指導者は、児童生徒の生命・身体の安全を確保するために必要な指導及び
監督をする義務(注意義務)がある」と明記していること。
 南部さおり・横浜市立大医学部助教が、
「『いつ、どのように』傷害が発生するに至ったかを特定するのは、医学的にも
きわめて困難」であるからこそ、事故の本質により迫るべく「『子どものいのち』を
重視し、『一般的な危険に対する予見義務』を認定すべきだ」と指摘している
ことに鑑みれば。
 石原元秀・龍野高校長(当時、現・岡山白陵中高校長、兵庫県上郡町教育委員)が
12年12月7日、神戸地裁での尋問に際し、
「事故について調査していない。原因究明が再発防止につながるとは思わない。
熱中症について聞いたことがない」と言い切ったことが、なぜ
「違法とまではいえない」のか?
 まったく理解できません。

 「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、宮脇勝哉氏は
「龍野高も県教委も説明責任を果たしていないが、判決はこれを無視している。
 兵庫県が中立性・公正性・透明性を担保した第三者委を設置しなかったことが
判決の事実誤認を招いた」と厳しく批判しました。
 「全国遷延性意識障害者・家族の会」の桑山雄次会長は
「石原氏の態度はひどすぎる。事故が起これば調査をするのがあたりまえで、
調査しないなど非常識きわまりない。控訴審では龍野高と県教委の倫理性を
問うべきだ」と強い憤りを表しました。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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