兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第三者機関のあり方について(その20)

[ 2013/12/12 10:06 ]
 国立教育政策研究所が「生徒指導リーフ増刊号」を公表しました。
 これは、いじめ防止対策推進法の施行を受け、文部科学省が
2013年10月11日に発表した「いじめ防止基本方針」を踏まえたものです。

 このなかで「重大事態」、すなわち「生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い」
があるときは「調査組織を設置すること」と規定しています。
 調査組織には
「関係者と直接の人間関係又は特別の利害関係を有しない第三者の参加を図ること
により、調査の公平性・中立性を確保するよう努めること」とし、調査にあたっては、
「たとえ調査主体(である学校)に不都合なことがあったとしても、事実にしっかりと
向き合おうとする姿勢が重要」であると強調したうえで、
「調査により明らかになった事実関係について、被害に遭った児童生徒と保護者に
対して情報を適切に提供」することとし、その際には
「いたずらに個人情報保護を楯に説明を怠るようなことがあってはならない」
と明確に記載しています。
http://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaves1.pdf

 13年8月26日、全国各地の5遺族が文科省を訪れ、いじめ防止対策推進法の
適切な運用を要望しました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201308-3.html
 要望には、同法施行以前に発生した事案についても、遡及して適用することが
含まれています。
 11年10月、いじめを苦に自殺した大津市立中2年生(当時)男子の父親は
13年8月26日の記者会見で、
「わたしたちが望むのは再発防止に尽きる。全容を解明し原因を究明して
再発防止策の策定に資することで、子どもが生きていたあかしを残したい、
という親の思いを受け止めてほしい」と述べました。

 仮に文科省が同法施行以前に発生した事案について、遡及して適用しないと
決定すれば、いじめ防止基本方針の適用を「新たに重大事案が発生するまで待つ」
ことになります。
 これは再発防止を願う遺族の心情を踏みにじるものであり、本末転倒としか言いようが
ありません。
 なぜなら、住友剛・京都精華大准教授が指摘するように、
「発生した事案に対する徹底した事実解明なしに、再発防止策を打ち出すことなど
ありえない」からであり、「検証すべき事案は、すでに数多く存在している」からです。

 そして「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、宮脇勝哉氏が指摘するとおり、
いじめ防止対策推進法の趣旨は「すべての子どもの心身ともに健康に成長する権利」が
守られることにあり、指導死やスポーツ事故は「いじめではないから調査は不要」と、
立法趣旨を矮小化するような動きは「断じて容認できない」のです。

(この項、つづく)
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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