兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第三者機関のあり方について(その16)

[ 2013/11/19 22:28 ]
 当ブログ2013年10月13日付記事の続報です。

 13年3月、奈良県橿原市で中1女子(当時)がいじめを苦にして
自殺した事件について調査する第三者委員が、13年11月18日付で
新たに任命されました。
 新委員は小城達弁護士(奈良弁護士会)、粕谷貴志・奈良教育大准教授、
出口治男弁護士(京都弁護士会)、松浦善満・和歌山大教授の4氏です。

 旧第三者委の実態について、共同通信が13年11月18日付で
以下の記事を配信しています。

 (前略)
 「いじめと自殺の関係性は低い」。
 市教委は、旧委員会を立ち上げる前に見解を示していた。
 独立した第三者委員会と委員半数の推薦を遺族が求めると
「要請に無条件ですべて従えと国は通知していない」と文書で全面拒否。
 遺族は調査への協力はできないと反発し既に深い溝ができていた。
 「遺族の協力なしに報告書は書けない。関係修復が先」。
 詳細な経緯を後から知った委員の伊藤美奈子奈良女子大教授らは
主張したが、市側は調査を進めようとした。最後の会合となった
8月11日には、市側が「とにかく話を聞いてやって」と一方的に
複数の教員を招集。
 委員の池田忠京都教育大教授が「現段階で調査はできないと言ったはず。
話が違う」と退席するなど、委員との信頼関係も築けなかった。
 旧委員会の立ち上げ直前まで市の顧問弁護士だった北浦一郎氏が、
森下豊市長の意向で委員に入ったことも、遺族は「公正中立な調査が
望めない」と不信感を強めた。
 北浦氏は顧問弁護士の立場で市に「将来は訴訟になる」と助言し、
遺族の戸籍を取得。委員になると、この戸籍を利用して、調査協力を求める
文書を親族に送った。
 何も知らされていないほかの委員には「調査で家庭内の問題が出てきたら、
風向きが変わるだろう」と説明した北浦氏。
 池田教授は「今思えば、訴訟を意識し市側の利益のために旧委員会が
動いていたと思われても仕方がない」と振り返る。
 北浦氏は遺族やほかの委員の批判を受け辞任。委員選定から見直しを
迫られた旧委員会は9月に解散した。
 その後、希望して遺族と面会した伊藤教授らは「もっと早くに会えていれば、
こんな終わり方はしなかった」と悔しさをにじませた。(後略)

 「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、内海千春氏は13年6月、
同会のシンポジウムで、
「第三者委が『調査した結果、家庭に原因があった』との結論を導き出す
こともできる。事実を隠蔽し、責任を転嫁し、事態を沈静化するための新たな
ツールにもなりうる」
と危惧を表明していましたが、橿原市教委は内海氏の懸念が杞憂では
なかったことを立証しました。

 文部科学省が13年10月11日付で発表した、いじめ防止基本方針は
「適切な方法により事実関係を明確にするための調査を実施する」こととし、
「調査を行ったときは、いじめを受けた児童生徒及びその保護者に対し、
必要な情報を適切に提供する責任がある」と明記しています。
 不適切な調査を行い、あるいは情報を提供しないことは、文科省の方針を
無視するものと言わざるを得ません。

 住友剛・京都精華大准教授は、共同通信の取材に対し
「再発防止には事実を明らかにする必要があると、立場の異なる者が理解
し合うことが重要。調査組織は平穏を取り戻すためでなく、みんなの再出発
のための枠組みをつくるものでなくてはいけない」と指摘しています。

 亡くなった女子生徒の母親は第三者委について、
「事実関係を調査し、調査結果を説明すること。このプロセスを通じて
娘の人権と名誉の回復が図られることが、遺族にとって最重要」
だと述べています。
 新第三者委が前車の轍を踏むことのないよう、皆さんにも関心をもって
見守っていただきたいと思います。
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Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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