兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第三者機関のあり方について(その14)

[ 2013/10/13 08:23 ]
 2013年3月28日、奈良県橿原市立中1年生(当時)の女子生徒が
自殺した問題で、同市教育委員会が設置した第三者調査委員会は9月17日、
委員全員を「解任」しました。
 旧第三者委には、同市の顧問弁護士だった北浦一郎氏が名を連ねるなど
中立性に疑義があり、遺族の要望には一切耳を貸さなかったことで不信感が
高まっていたからです。

 この問題について、「解任」された旧第三者委の委員3名が平成25年
10月7日付で「重大事態に関する旧委員会からの報告と今後に向けての
課題提起」と題した声明をまとめ、これを橿原市が10月11日に公表
しました。
 この声明で、橿原市教委が委員らの意向を無視するかたちで旧第三者委を
運営しようとしていた実態が浮き彫りになりました。
 声明をまとめたのは伊藤美奈子・奈良女子大教授、池田忠・京都教育大教授、
阪中順子・四天王寺学園小教諭です。
 
 このなかで伊藤氏らは、橿原市が北浦氏を委員に選任したことについて、
「委員会発足前より、訴訟を想定した体制に入っており、委員会そのものも、
元顧問弁護士委員主導で進んでいくことが」初回の委員会でわかったため、
「このままでは、ご遺族そして社会の理解も得られず、中立・公正な調査は
行えないと共通理解し」たことが、北浦氏の辞任表明につながったことを
明らかにしています。

 このほか、「5月に実施された生徒アンケート結果の公表を指示する提言」
を行ったこと。
 遺族と市教委が同じテーブルにつく「協議会」の設置について、伊藤氏らが
市教委に対し、
「ご遺族からの聞き取りなしの報告書はありえないと主張し、それが叶わない
なら、委員会として存続する意味はない、と総辞職を賭けて、再三、提言」
したために実現したことを、旧第三者委の実績として強調しています。

 言い換えれば、伊藤氏らの再三にわたる提言がなければ「協議会」は
設置されなかった、ということであり、仮に橿原市の思惑どおりに北浦氏が
委員会を主導していたとすれば、結果は異なるものになっていた可能性が高い、
との見方を伊藤氏らが明確に示したものです。

 伊藤氏らは今後の課題として、「委員の公正中立性」「委員会の独立性」
「委員会の透明性」を担保するよう求め、
「調査委員会の第一の目的は『真相究明』と『再発防止』」なのだから、
「委員会で調査対象となる情報についても、学校や教育委員会からの資料
だけでなく、ご遺族や地域からの情報についても十分に、正しく受け取れる
環境を作ることが必須」だと指摘しています。
 具体的には、
「ご遺族に不信感や不安を与えないよう、委員の選定や調査そのものについても、
協議しつつ進めていくことが不可欠です。また社会に対しても、調査結果に
ついて、適宜情報を提供することが使命であると考えます」とし、
「ご遺族と学校や教育委員会を含む関係者が、対立の構図ではなく、互いの
情報を共有しつつ真相究明を行える環境の整備が重要であると思います。
これから立ち上がる新委員会が、そういう方向で進められることを切に希望します」
と述べています。

 この声明の趣旨は10月11日、文部科学省の有識者会議がまとめた
「いじめ防止基本方針」に通じるものです。
 そして、いじめ防止対策推進法の理念は「すべての子どもの、心身ともに
健康に成長する権利を守ること」にあります。
 外形的な事象にとらわれ、いじめ事案に限定することは、同法の理念を矮小化
することです。
 龍野高校テニス部事故についても、速やかに公正性・中立性・透明性を
担保した調査委を設置し、真相究明と再発防止に資することが求められます。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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