兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

松本市の柔道事故、刑事裁判始まる

[ 2013/08/11 06:19 ]
 当ブログ2013年5月23日付記事の続報です。

 13年8月2日付朝日新聞東京本社版は

 長野県松本市の柔道教室で08年、力を加減せずに小学生を投げつけ、
重い障害を負わせたとして、業務上過失傷害の罪で強制起訴された
元指導者で柔道整復師の小島武鎮被告の初公判が1日、長野地裁であった。
被告は「十分注意して投げた」と起訴内容を否認。無罪を主張した。
 検察官役の指定弁護士は冒頭陳述で、08年5月27日夜の事故当時、
11歳で小学6年だった沢田武蔵さんは、受け身も十分にできず、
小島被告と体格差があったと指摘。畳で頭を打ちはしなかったが、力を
加減せずに投げられ、頭を揺さぶられて急性硬膜下血腫になり、長期の
リハビリが必要な重度の意識障害に陥ったと述べた。
 一方、小島被告は「投げ技をかけた際には十分注意していた。武蔵君は
大会に何度も出場し、受け身は十分にとれていた」と反論。弁護側も、
頭部の打撲がないのに急性硬膜下血腫が生じることは当時知られておらず、
脳損傷は予測できなかったなどと主張した。
 沢田さんと両親は損害賠償を求めて提訴し、11年9月、東京高裁で
小島被告が沢田さん側に謝罪し、賠償金2億8千万円を支払う内容で
和解が成立。今年5月には、全国で8例目の強制起訴事件となった。

と報じています。

 民事裁判とは、原告・被告双方の主張を聞き、いずれの主張に分があるか
を判定する手続きにすぎず、事故が発生するに至ったプロセスを解明する
ものではありません。
 なぜなら裁判所には捜査権がないからです。
 捜査権があるのは警察と検察です。
 したがって
「なぜ事故が起きたのか?」
「どうすれば再発を防止できるのか?」
という被害者と家族の思いに応えるには、刑事裁判によるしかないのです。

 松本署は10年9月、小島被告を業務上過失傷害の容疑で長野地検に
書類送検しましたが、長野地検は嫌疑不十分として二度にわたって
不起訴処分としました。
 武蔵くんの父・博紀さんと母・佳子さんは、その都度検察審査会に申し立て、
いずれも「起訴相当」の議決を得た結果、強制起訴につながったのです。

 「全国柔道事故被害者の会」の村川義弘会長が1日の記者会見で、
「今回の裁判が、より安全なスポーツ指導へつながるのではないかと期待している」
と述べたのも、刑事裁判の審理を通じて事故の全容を解明し、競技団体を
はじめとする関係者が、適切な指導のあり方について真剣に検討することを
期待しているからこそ、です。

 そして適切なスポーツ指導について考えるとき、13年8月3日付毎日新聞
東京本社版夕刊で田中義郎記者が

 フランスが柔道大国となった要因の一つはスポーツ指導者の国家資格制度だ。
ほとんどの競技で国家資格が必要で、柔道では55年に導入された。受験資格は
18歳、二段以上で事前研修修了者。代表監督に必要な上級では1200時間の
事前研修が求められる。
 試験は実技、面接、筆記で、救急救命法など医学的な分野から技の知識など
広範囲。現役時代の成績は考慮されず、最近もロンドン五輪メダリストが不合格に。
 フランス柔道連盟副会長のクロード・デュボスさんは「いい選手がいい指導者に
なるとは限らない」と言う。
 制度はスポーツ省の監督下にあり、厳格に管理、運用される。研修で教育論、
コーチング法が徹底して指導され、試験で指導者としての能力や資質が見極められる。
 
と伝えていることが大いに参考になります。

 柔道のみならず、すべての競技が危険と隣り合わせであり、スポーツの指導者
には指導者としてふさわしい能力や資質が求められるということを、あらためて
認識することが肝要です。
 そして再発防止のためには、不幸にして発生した事故について精緻に検証する
ことが不可欠だということは、あらためて論を俟ちません。
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Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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