兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第三者機関のあり方について(その8)

[ 2013/06/21 15:55 ]
 NPO法人・ジェントルハートプロジェクトの武田さち子理事は、
「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」が発表した
「平成22年度審議のまとめ」に、
「都道府県(または指定都市)教育委員会は、都道府県立学校における
調査に備えるだけでなく、市町村教育委員会の調査へも支援ができる
ように取り組むことが望ましい」
として、
「あらかじめ専門家の協力を得て、調査委員の候補者の選定、調査手順の
検討や研修を行うなどして、人材確保のための方策を講じておくことも
大切です。これらの中核的な人材が中心になって、実際の調査委員会が
組織され、調査に精通した専門家(実際に調査に参加した経験があるなど、
子どもの自殺が起こった時の調査に精通しており、中立的立場から助言が
できる専門家のことを指します)の養成につながるとともに、調査の
ノウハウの蓄積にも資すると考えます」
という記述があることを指摘し、
「文科省に『専門家は中立』と判断する根拠について問い合わせたが、
明確な回答はなかった。専門家だから中立、とは言い切れない。
なぜ当事者を排除することを前提としているのかも理解できない」
と疑問を呈しました。

 内田良・名古屋大学大学院准教授は、
「スクールカウンセラーが、『スクールのためのカウンセラー』になって
しまっている例があまりにも多い。生徒たちの心理的負担を軽減するという
営みが、ときに事故・事件そのものを直視しないことにもなってしまう。
またそれが結果として、被害者を学校から遠ざけ、情報を遮断するための
ツールにされてしまっている」
と批判しています。

 野口善國弁護士(元・兵庫県弁護士会子どもの権利委員長)は、
「調査委は、被害者の権利を回復し人権を擁護するという視点に立って
設置運営すべきものだ。この原則を踏まえ、調査にあたっては
中立性より公正性を担保することに重きを置くべきだ」
との見解を明らかにしています。

 しかし羽下大信・兵庫県臨床心理士会会長は、
「川西の第三者委の目的は遺族の心のケアなどではない」
(13年6月17日付神戸新聞「閉ざされた未来」⑤)
として、被害者に寄り添う姿勢を示すことはありません。

 こうした「専門家」の意見が、学校や教委にお墨付きを与え、
事実の隠蔽や虚偽の報告をする際にも後ろめたさを軽減し、行為を
正当化する要因になっているという、きわめて深刻な現状があります。
 川西市の県立高校で発生した自殺事件でも、学校側は「不慮の事故」
として公表できないか、両親に打診していたことが明らかになっています。
 学校や教委が事実を隠蔽し、事実ではないことを公表した際の罰則規定
についても、同時に議論すべきではないでしょうか。

(この項、つづく)
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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