兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第三者機関のあり方について(その7)

[ 2013/06/21 15:47 ]
 2013年6月17日付朝日新聞は、

 いじめや体罰などで子どもが自殺した場合に対応するため、
文部科学省の専門家会議は、都道府県に「常設」の調査委員会を置く
検討を始めた。子どもの自殺事案が起きた市区町村にメンバーを派遣し、
実態調査を担う。
 文科省は年度内にも、専門家会議が作成する新たなガイドラインを
全国に通知する方針。採用するかどうかの最終判断は各都道府県や
教委に委ねられる。(中略)

 検討しているのは、精神医学の専門家や教員ら10人でつくる
「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」。
 大津市でいじめを受けた中2男子が自殺した問題などを踏まえ、
調査委の常設について検討を始めた。
 メンバーには、弁護士や臨床心理士など複数の専門分野から人材を
集める方向だ。研修会を定期的に開き、子どもの自殺をめぐる問題に
ふだんから理解を深めてもらう案も出ている。(後略)

と報じています。

 これについて「指導死」親の会の代表世話人、大貫隆志氏は
「調査委員会には、いじめ自殺などの遺族が参加すると効果的だと思う。
どうやって事実が隠蔽されていくかを、身をもって体験しているからだ」
とツイートしています。

 全国学校事故・事件を語る会の代表世話人、内海千春氏は
「これまで多くの調査委は、法的責任の有無の判断に引きずられ原因不明
という結論を出してきた。しかし原因不明としたままで、実効性ある
再発防止策など打ち出せるはずがない。調査委は責任論には立ち入らず、
純粋に『なぜ子どもが死んだのか』という問いにのみ真摯に向き合い、
徹底的に事実を解明し、解明された事実からその理由を探し出そうとする
基本姿勢が必要だ。多くの調査委が設置されようとしているいまだからこそ、
調査委の目的をみんなで議論し明確化していくことが大切だと思う」
と述べています。

 12年9月、兵庫県川西市の自宅で自殺した県立高校2年(当時)の
男子生徒の父親は、県教委が設置した第三者委について
「あれは学校擁護委員会」
と憤り、
「なぜ遺族の話をしっかりと聞かないのか。事実をきちんと押さえないと、
真相の解明などできるわけがない」
と厳しく批判しています。

 しかし第三者委の委員長を務めた羽下大信・兵庫県臨床心理士会会長は
「われわれの最大の目的は事実解明ではなく、先生、子どもたちへの提言」
(13年6月16日付神戸新聞「閉ざされた未来」④)
との認識を示しており、両者の見解には大きな齟齬があります。

 なお、13年5月2日付毎日新聞大阪本社版夕刊によると、
羽下氏が委員長を務めた第三者委が公表した報告書は
「いじめによる自尊心の低下は無力感を呼び込んだ」と指摘する一方で、
いじめと自殺との関連性については「一直線に結びつけることができる
明らかな事実は見いだせず、飛躍がある」と判断しており、自殺前の
学校の対応に関しても「いじめを疑うべきだったとは断定できない」
としています。

 この報告書のどこに「先生、子どもたちへの提言」が盛り込まれている
のでしょう?

(この項、つづく)
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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