兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

全国柔道事故被害者の会、シンポジウムを開催

[ 2013/05/29 08:30 ]
 全国柔道事故被害者の会は2013年5月26日、第6回シンポジウム
「学校安全とスポーツ指導の在り方」を長野県松本市で開催しました。

 内田良・名古屋大学大学院准教授は、指導者が経験知に依拠することの
リスクについて強調し、
「医学・運動生理学など科学的な知識はアップデートされ、最新の知見を
身につけることが可能だ。しかし経験知は十年一日で、更新される
ことはない。科学的な指導メソッドを確立すべきだ」
と提言しました。
 さらにスポーツ事故に関する情報を公表し、これを集約し分析する
プロセスが機能していないことが、学校でのスポーツ事故を繰り返し
発生させている要因だと指摘し
「当事者の訴えに耳を傾けず、社会的な問題として事故情報を共有する
ことなく放置してきたことが事故の再発を招いている。だからこそ
データを開示して可視化する必要がある」
と強調しました。

 京都成章高校のスポーツアドバイザー、中村周平氏は、自身が高校時代
ラグビー部の練習中事故に遭い、頸髄損傷で首から下の感覚を失った
経験について語りました。
 中村氏は
「事故に遭った生徒と保護者が学校に真相解明を求めたら、加害・被害の
関係が発生し、感情的な対立を生むことになる。これが事故当事者の孤立に
つながり、結果として原因究明と再発防止を困難にしている」
として、中立な第三者が調査を行うことの重要性を訴えました。

 鈴木知幸・順天堂大学客員教授(日本スポーツ法学会監事)は、
刑事訴訟法第239条2項の
「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、
告発をしなければならない」
との規定に着目し、校長が指導者に不適切な指導があったことを認識していた
としても、これを告発しなかった自らの責任が問われることになるため
「不適切な指導はなかった、と公表せざるを得なくなる」
と指摘しました。
 そのうえで、
「スポーツ指導とは本来、リスペクトと信頼に基づく教育活動でなければ
ならないが、学校はガバナンスやコンプライアンスに関する意識が乏しく、
隠蔽体質が蔓延しやすい。指導者に対する指導体制の強化が急務だ」
と述べました。

 溝口紀子・静岡文化芸術大学准教授は、
「わが国スポーツ界は幼児期から強化育成に重点を置き、勝利至上主義が
広まっている。このためスポーツは楽しいものという意識が乏しく、
安全性を軽視する傾向が強い」
と述べました。
 そのうえで
「選手は指導者の弟子でも秘書でもない。私物化してはいけない。
 指導者には、自らをアップデートして選手に歩み寄り、選手の意見を
傾聴することが求められる。今後はすべての競技において安全指針を確立し、
これをもとに普及強化を推進していかなければならない」
と述べました。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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