兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

保護者の知る権利について(その24)

[ 2012/11/02 07:25 ]
 2012年10月28日、いじめ問題に取り組むNPO法人
ジェントルハートプロジェクトが東京都内でシンポジウムを開催しました。
 この場で、保護者の知る権利について(その23)でご紹介した
篠原真矢くんの父、宏明さんが
「わたしたちは裁判を起こさずにすんだ」
と発言しました。

 というのも、保護者は
「わが子の身になにがあったのか?を知りたいだけ」
なのにもかかわらず、
「学校はなにも教えてくれない。生徒たちにアンケートを取ったり、
作文を書いてもらったりしていても、それは個人情報だとして開示されない」
ために、真相を知るためにはやむをえず民事裁判を提訴するしか方法がなく、
「裁判など、やりたくてやっている親はいない」
からです。

 篠原さんの場合、川崎市教育委員会が調査委員会を設置し、約3カ月に
わたって生徒や教員に聞き取り調査を重ね、いじめの事実があったことを
率直に認める全46ページの調査報告書をまとめました。
 その結果、篠原さんは真矢くんが
「自分以上に誰かかがいじめられているのがつらかった。だから(自殺は)
当然の結果だったのだ」と真矢くんの死を受け入れられた
(12年10月27日付神奈川新聞)
のです。

 こうした川崎市の対応を受けて
「篠原さんはレアケース」
と指摘する声がよく聞かれますが、しかし宏明さんは
「わたしたちの事案がスタンダードにならなければならない」
と訴えています。

 また結果として損害賠償請求訴訟が提訴されず、法廷闘争を回避できた
という意味において、行政の立場からすれば「うまくいったケース」だとして、
一部には川崎市を称揚する声もあります。
 しかしそれは、調査委員が精緻かつ誠実に調査したことに加え、警察関係者が
「加害生徒に反省を促すためにも刑事事件として立件すべきだ」として、
被害届を提出するよう保護者に勧めた、という事実をことさらに軽視したものであり、
ご遺族の心情に配慮しない心ないもの、と言わざるを得ません。

 川崎市教委の関係者は、
「裁判で勝った負けたという以前に、未来ある大切な子どもたちを死なせて
しまったこと。これ自体が教育関係者にとって敗北だ」
との見解を示しています。

 全国の教育関係者が篠原さんの事案から学ぶべき最大の教訓は、この姿勢では
ないでしょうか。
 龍野高校と兵庫県には川崎市の姿勢に倣い、早急に中立性・公正性・透明性を
担保した調査委員会を設置し、全力をもって事故の全容解明と実効性ある再発防止策
の策定に努めるよう、強く要望します。


 なお12年11月17日には、生徒指導による子どもの自殺をテーマとした
「指導死シンポジウム」が開催されます。
 いじめによる自殺については社会的認知度も高まっていますが、教師の的確性を
欠いた生徒指導が生徒の自殺につながっている事例が多数あるにもかかわらず、
その事実が十分に認識されているとはいえません。
 「過労死」にならって「指導死」と呼ぶ、この問題について議論します。
 主催者は「指導死」親の会、お申込み・お問い合わせ先は
4014@2nd-gate.com またはFax:050-3708-0111です。

 そして11月24日には、NPO法人ジェントルハートプロジェクト主催、
第7回「親の知る権利を求めるシンポジウム」が開催されます。
 「なぜ学校は隠蔽するのか」というテーマで、学校事故・事件が発生した際に、
学校関係者による組織ぐるみの隠蔽や風説の流布が繰り返されている現状について
問題点を整理し、「親の知る権利」の確立に向けた議論を深めます。
 「第三者調査委員会」の問題点についても討議する予定です。
 お申込み・お問い合わせ先は電話&FAX : 045(845)3620(小森)
E-mail : komori@ss.iij4u.or.jpです。

 いずれも13時00分から、会場は公益財団法人人権教育啓発推進センター
(〒105-0012 東京都港区芝大門2-10-12 KDX芝大門ビル4階)
です。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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