兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

保護者の知る権利について(その21)

[ 2012/10/22 09:36 ]
 2012年9月22日付朝日新聞兵庫版に、

 川西市の自宅で自殺した県立高校2年の男子生徒(17)が
いじめを受けていた問題で、男子生徒の遺族が21日、市が設置する
常設の第三者機関「子どもの人権オンブズパーソン」へ相談に訪れた。
 遺族は「学校で何があったか知りたい」として、週明けに同機関に
人権救済を申し立て、調査を依頼するという。
 同機関の事務局によると、救済申し立てが出れば、審査したうえで
学校などへ調査に入る。
 今回のような市の機関ではない県立高校の場合、調査への協力を
求めることが必要で、調べて問題があれば是正を要望することになる。
 男子生徒の母親は「なぜ息子が自殺にまで追い詰められたのか
知りたい。息子の死を無駄にしたくない」と話した。

 同機関は、1990年代にいじめによる自殺が相次いだのを受け、
99年に設けられた。
 学識経験者や弁護士らでつくるオンブズパーソンは現在3人。
救済対象は市内の18歳未満の在住・在学・在勤者で、相談は年に
500~600件ある。
 設置以来、救済申し立てに至ったのは約50件あるが、子どもが
亡くなってからの申し立ては異例という。

 1999年に市立中学のラグビー部で部活動中に1年生の生徒が
熱射病になった事故をめぐっては、同機関が市教委に対し、
「子どもが死亡するという深刻な事態にもかかわらず、原因究明が
遅れており、再発防止策への取り組みも不十分」とする勧告を出している。

という記事がありました。

 これを受けて12年9月23日。
 川西市子どもの人権オンブズパーソン事務局に質問メールを送った
ところ、12年10月15日付で回答がありました。


 同事務局によると、条例上、オンブズパーソンが調査を行う権限を
有しているのは「市の機関」(市教委や市立の学校等)に対してであり、
「市民等」にあたる「県の機関」に対しては「資料の提出、説明その他の
必要な協力を求めることができる」と規定されています。
 したがって今回の事案については、県機関に対して調査への協力を
求めることになり、この協力依頼は当該高校と県教委の両方に必要であるが、
まず県教委に依頼することが適当であろうと考えている、とのことです。

 すなわち川西市子どもの人権オンブズパーソン事務局としては、
兵庫県教委と当該高校に対して、あくまで「協力を求めて依頼する」
立場ではあります。
 しかし、
「今回の事案では、一定の協力が得られるものと見込んでおります」
として、積極的に調査に取り組む姿勢を示しています。

 また上記記事にある「勧告」と「要望」については、
「関係する市の機関に対して職権行使として行う『勧告』は、それ自体
強制力を持つものではありませんが、条例第15条第3項において、
勧告を受けた市の機関に対して勧告等に対する尊重義務を課しているとともに、
第17条でオンブズパーソンへの措置報告の義務、第18条で勧告及び市の
機関からの報告等の内容の公表権を定めており、これらの規定により効力を
一定担保できる仕組みとなっています。
 一方、「市民等」(県機関や民間施設等)に対して行う是正等の『要望』は、
調査の結果、子どもを擁護し救済するために必要と判断した場合に、是正等を
強く期待するオンブズパーソンの意思を伝えるものであり、条例では要望に
対する措置報告の義務や公表権も定められておりません。
 したがいまして、一般的には『要望』の効力は『勧告』よりも劣りますが、
今回のように社会的影響の大きい事案については、第18条に沿って一定公表
することとなるものと思われますので、県機関にとっては市の機関に対する
勧告や意見表明等に準ずる効力を持ってくるのではないかと考えます」
との回答を得ました。

 すなわち川西市は、井戸敏三・兵庫県知事がリーダーシップを発揮して
全容解明義務と調査報告義務を果たすとの意向を明示した以上、県の機関は
全面的に協力するとの見通しを示しています。

 であるならば。
 同じ兵庫県立高校であるにもかかわらず。
 07年5月24日、龍野高校で発生した事故について、石原元秀校長
(当時、現・岡山白陵中高校長)らが全容解明義務と調査報告義務を今日に
至るまで懈怠し、県教委もこれを座視しているのは、いかにも不公平かつ
不公正な話です。

 自殺事案が「社会的影響が大きい」ことは、いうまでもありません。
 しかしリサさんが、学校管理下で行われていた部活動の練習中に熱中症で倒れ、
心肺一時停止による低酸素脳症を発症し、遷延性意識障害という重篤な
後遺障害を負うに至ったという事故も、これまた「社会的影響が大きい」ことに
変わりはありません。
 それに事故発生直後に詳細に報道されることがなかったのは、これはもっぱら
石原氏および兵庫県教委の隠蔽工作によるものであり、保護者の責任に帰すべき
問題ではありません。

 したがいまして井戸知事には、龍野高校テニス部事故に関して保護者の意向を
聴いたうえで、中立性・公正性・透明性を担保した第三者調査委員会を、
速やかに設置されるよう要望いたします。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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