兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第三者機関のあり方について(その4)

[ 2012/09/07 20:52 ]
 2012年9月5日付読売新聞鹿児島版に、

 出水市の中学2年女子生徒(当時13歳)が昨年9月に自殺した問題で、
遺族らは4日、いじめの有無を調査する第三者委員会の設置などを
渋谷俊彦市長に要望した。
 渋谷市長は「要望項目を精査して検討したい」と述べるにとどめた。
遺族は今後も要望活動を続けていく考えを示した。
 遺族らは非公開で約20分間、渋谷市長と面談。
〈1〉全校生徒を対象に市教委が実施したアンケートの開示
〈2〉遺族の意見が反映できる人選での独立した第三者委員会の設置
〈3〉子どもたちが安心して学べる学校にするための提言――を求めた。
 面談後に記者会見した渋谷市長は、要望された3項目を今後精査、検討して
いく考えを示したうえで、アンケート開示については「アンケートには伝聞情報や
個人名も含まれており、2次被害が懸念される」とする市教委の見解に触れ、
「私も多分にそういった性格のものだと考えている」と述べ、市教委の開示拒否に
理解を示した。
 遺族らは8月27日に市議会の外徳男議長あてにも同様の陳情書を提出。
開会中の9月議会で産業文教委員会に付託され、今月下旬に審査される見通し。

という記事がありました。

 出水市ホームページ
http://www.city.izumi.kagoshima.jp/izumi04/forms/240823.pdf
を参照しますと
「11年9月7日から10月26日まで6回にわたって調査委員会を開催し、
全校生徒にアンケートを実施するとともに生徒と教職員を対象に事情聴取を
行った」うえで、
「事故調査専門委員会を設置し、11年11月に3回にわたって委員会を開催し、
調査結果を分析した」結果、
「今回の事故の直接の結果となる出来事は確認できなかった」としていますが、
アンケートの内容については
「生徒に対して開示するという了承はとっていないため」
開示しないという立場です。

 住友剛・京都精華大准教授によると、「事故調査委員会」は、
当該校の校長・教頭・生徒指導主任とPTA会長、副会長、臨床心理士、
スクールソーシャルワーカー、そして出水市教育委員会の職員からなり、
ここに鹿児島県北薩教育事務所と出水市教委から、それぞれ2人ずつが
「顧問」というかたちで参加しています。
 つまり「事故調査委員会」には市教委職員が3人含まれていて、しかも
委員長と副委員長は市教委職員です。

 「事故調査専門委員会」は、大学教授、臨床心理士、民生委員、人権擁護委員、
および「教育委員会が必要と認める者」という構成になっています。
 そして「事故調査委員会」と「事故調査専門委員会」の、全員が匿名です。

 住友氏は
「調査結果について検証する以前に、中立性を担保した委員の構成とは
とてもいえない」
と指摘しています。

 出水市の対応は、文部科学省が示しているガイドラインには罰則規定がなく、
これを逸脱してもだれも、なにも処分を受けることがない、という事実と関連
していると推定できます。
 やはり法律を制定して、中立で公平で公正で精緻な調査を義務づけることが
喫緊の課題だと考えます。

 そして、これはいうまでもありませんが、
「学校や教委が誠心誠意の対応をした」と受けとめ、
「調査結果に納得する」かどうかは、遺族の側が決めることです。
 学校や教委が、
「自分たちは誠心誠意の対応をした、だから調査結果に納得しろ」
などというのは、傲慢以外のなにものでもありません。
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Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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