兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

保護者の知る権利について(その11)

[ 2012/06/14 06:37 ]
 2012年6月13日付東京新聞「筆洗」は、

 「見てしまった責任みたいなものを背負ってしまった」。白血病で
亡くなった医師の原田正純さんは、水俣病研究に人生を捧げた理由を
『水俣病の五十年』に寄稿している▼初めて水俣市を訪れた半世紀前、
水俣病は終わったと信じられていた。患者は雨戸を閉め、息をひそめて
いた。調査に訪ねると、マスコミがまた書き立てて、世間が思い出すと
迷惑がった▼見舞金はわずか。生計の立たない患者の家は傾いていた。
罪のない人たちが地獄のような苦しみに耐える姿に怒りが燃えた大学院
生は、「見てしまった責任」を課し、現地に通い始める▼「行政は自分らに
都合が良い学者だけを重用する。僕は何十年も水俣病患者を診てきて
いるけれど、一度も行政の委員会に呼ばれたことはない」。原田さんは
昨年、本紙の取材に語っていた▼通産省(当時)は「水俣病の原因は
水銀ではない」という論文を御用学者に書かせ、化学工業界と結託して
公害企業を守ろうとした。経産省と電力会社、原子力の専門家が一体と
なって原発を推進してきた原子力ムラの姿と酷似している▼ちょうど
一年前、イタリアでは原発再開の是非を問う国民投票で反対派が圧勝した。
事故を起こした国の政府は「見えないふり」をして再稼働を急いでいる。
危険が明らかになった今、見てしまった責任を原田さんに問われている
ような気がする。

と書いています。

 教育界も、学校事故が毎年、全国各地で繰り返し発生しているという
現状がありながら、「見えないふり」をしているという点で「原子力ムラ」
と同様です。

 「全国学校事故・事件を語る会」は12年6月3日、神戸市で開催した
シンポジウムで、、「学校スポーツ事故被害者の願いを実現するために」
というアピール文を採択しました。
 このなかで、
「スポーツ事故は発生を未然に防止できたもの」で、再発防止は
「不幸にして事故に遭遇した親たちの切なる願い」であり、
「医学をはじめ専門的な知見を駆使して、再発防止策を策定し、
教育現場においてその運用の徹底を図る」
よう強く訴えました。

 実は12年3月27日、文科省スポーツ・青少年局長の諮問機関、
「体育活動中の事故防止に関する調査研究協力者会議」が採択した
「学校における体育活動中の事故防止について」の最終報告書案は、
「指導者は、児童生徒の生命・身体の安全を確保するために必要な
指導及び監督をする義務(注意義務)がある」
と明記しています。

 つまり文科省は、すでに教員には注意義務があるということを明確に
認めているのです。
 いままさに、「児童生徒の生命・身体の安全を確保するため」に、
現場レベルでいかに安全対策を具現化するか、が問われているのです。
 それはすなわち、適切な「指導及び監督」方法を見いだすことであり、
そのために衆知を集めることです。

 これ以上、「見えないふり」を続けることは、断じて許されないのです。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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