兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

「全国学校事故・事件を語る会」シンポジウム

[ 2012/06/05 05:27 ]
 2012年6月2-3日、神戸市で開催された「全国学校事故・事件を語る会」
(代表世話人、内海千春氏・宮脇勝哉氏)の大集会に参加してきました。
 今年も全国各地から、2日間で延べ120人を超える参加者が集まりました。
 このなかには、子どもの人権問題に取り組む弁護士も多数含まれていましたし、
多くの報道機関も取材に訪れていました。

 3日のシンポジウムは「学校スポーツ事故を考える」として、学校管理下で
行われていた体育の授業や部活動、合宿中に発生した事故や事件で
児童生徒が死亡したり、重篤な後遺障害を負うに至った事例について、
研究報告がありました。

 内田良・名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授は、
「スポーツに事故はつきもので、事故が起きるのは仕方のないこと、ではない。
 学校が事故に関する情報を公表し、これを集約し分析するなかで実態を把握
すれば傾向が明らかになり、原因が究明できる。こうしたプロセスを経ることで
実効性ある再発防止策を策定できる」
と指摘しました。
 そのうえで
「事故がなぜ起きるのか?といえば、事故はなくせると考えてこなかったからだ。
 事故情報を公表・集約・分析するなかで、解決策は見出しうる」
と述べました。

 実は内田氏の指摘は、12年3月21日に中央教育審議会が答申した
「学校安全の推進に関する計画の策定について」が、
「実証的で科学的な学校安全の取り組みを推進する」
との方針を明示していることと、合致するものです。

 これに対してリサ父を含め、被害に遭った生徒の保護者たちは
「指導者が経験知のみに依拠し、最新の科学的知見を得ようとしない
ことに加え、精神主義や根性論が依然根強く残っていることが、事故の
発生につながっている。
 事故発生後も事実に向き合おうとせず、全容解明義務、調査報告義務を
果たそうとしない。責任回避を至上命題として事実を隠蔽し、事実ではない
ことを捏造するという、きわめて愚劣で卑怯な対応に終始している」
と、自らの経験を口々に訴えました。

 すなわち子どもが被害に遭う、という一次被害に加えて、学校関係者が風評を
流布することによって被害者と家族の名誉が毀損されるという、二次被害に
見舞われることになるのです。
 リサさんとご両親の身の上に起こったことは、けっしてレアケースではありません。
 きわめて残念で嘆かわしいことですが、全国各地で毎年繰り返されていること
なのです。
 このように教育現場で起こっていることは、中教審の答申に真っ向から反する
ものであり、およそ教育的とは言い難いものです。

 シンポジウムでは、「学校スポーツ事故被害者の願いを実現するために」
というアピール文を採択しました。
 このなかで、
「スポーツ事故は発生を未然に防止できたもの」で、再発防止は
「不幸にして事故に遭遇した親たちの切なる願い」であり、
「医学をはじめ専門的な知見を駆使して、再発防止策を策定し、教育現場に
おいてその運用の徹底を図る」
よう、強く訴えています。

 スポーツ事故は、けっして対岸の火事ではありません。
 だれにも起こりうることで、明日は我が身です。
 被害者の声に真剣に耳を傾け、再発を防止することが、被害者とご家族に
対するせめてもの誠意です。
スポンサーサイト
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

最新トラックバック