兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

4月に熱中症!小学生10人搬送される

[ 2012/04/22 08:33 ]
 2012年4月20日付朝日新聞は

 19日午後0時40分ごろ、大阪府八尾市立東山本小学校(秦祐一校長)の
教員から「体力測定後に、児童が気分が悪いと訴えている」と119番通報が
あった。八尾市消防本部によると、6年生の男児4人と女児6人の計10人が
病院に搬送されたがいずれも症状は軽かった。
 熱中症の可能性があるという。
 19日の八尾市の最高気温は24度で、平年より3.4度高く今年最高だった。

と報じています。
 
 中井誠一・京都女子大学教授は、4月19日放送のNHKニュースウォッチ9で、
「4月でも熱中症によって亡くなられた患者さんもいる」
と指摘し、暑さへの馴化が進んでいない時期に運動することの危険性について
警戒を呼びかけました。
 中井氏らは、1990年代から熱中症の危険性について、告知しています。
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/sympo080630/nakai.pdf
 これは日野一男・実践女子短大教授の指摘とも一致しています。

 一方、07年度龍野高校長だった石原元秀氏(現・岡山白陵中高校長)は
神戸地裁に提出した陳述書において
「私は、夏場に高温の下で運動をすると熱中症に罹患する危険があることは
理解しておりました」
と述べています。
 つまり
「4月や5月に熱中症を発症することはない、と高をくくっていた」
わけです。

 しかし文部科学省と独立行政法人・日本スポーツ振興センターが共同で
03年6月30日付で作成し、全国の高校に配布した
『熱中症を予防しよう-知って防ごう熱中症-』
という資料のなかで
「気温が高いと熱中症の危険が高まりますが、それほど気温が高くなくても
湿度が高い場合は発生します」
「また急に暑くなり、体が暑さに慣れていないときに多く発生します。暑さに
慣れるまでは、短時間で軽めの運動から始め、徐々に慣らしていきましょう」
と記載し、注意を喚起していたという事実があります。
 すなわち石原氏の主張は、自らの勉強不足を露呈するものにすぎません。

 このように文科省やマスメディアが熱中症について、専門家の研究に基づき
繰り返し注意を喚起してきたにもかかわらず、石原氏は熱中症に関する最新の
知見を身につけていませんし、身につけようともしていません。
 このような姿勢で、校長としての管理責任を果たしうるでしょうか?
 
 そして最高裁が、大阪府で開催された高校サッカー大会で落雷事故に遭い、
被災した生徒が損害賠償請求訴訟を提訴した裁判の判決において、
「平均的なスポーツ指導者において、落雷事故発生の危険性の認識が薄い
などの事情があったとしても、当時の科学的知見に反するものであって、
生徒を保護すべきクラブ活動の担当教諭の注意義務を免れさせるものとは
なりえない」(平18.3.13)
と明確に指摘しています。

 石原氏の主張は「当時の科学的知見に反するもの」であり、したがって
「『知らなかった』では、すまされない」
ことは明らかです。
 
 また石原氏は、上記陳述書で
「部活動は生徒が自主的に行う課外活動であり、教諭が部活動に常時
立ち会う必要はない」
と主張しています。
 しかしこれも、
「教育活動の一環として行われるクラブ活動においては、生徒は担当教諭の
指導監督に従って行動するのであるから、担当教諭はできる限り生徒の安全
にかかわる事故の危険性を具体的に予見し、その予見に基づいて事故の
発生を未然に防止する措置を執り、クラブ活動中の生徒を保護すべき注意
義務を負う」
という前記最高裁判決に矛盾することは明らかです。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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