兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

その後の大分県立竹田高校について(その4)

[ 2012/04/03 23:22 ]
 2009年8月22日、竹田高校剣道部の練習中に熱中症による
多臓器不全で亡くなった工藤剣太くん。
 ご両親は損害賠償請求訴訟を提訴し、現在も係争中ですが
12年3月28日、竹田高校で進行協議が行われました。

 これは大分地裁で審理を担当する裁判長立ち会いのもと、
関係者が事故現場である武道場に集合して、事故当日の練習の様子を
再現する、というものです。

 関係者には剣太くんの弟、風音(かざと)くんも含まれていました。
 風音くんは事故当時、竹田高校1年生で剣道部員でした。
 つまり兄であり、剣道部主将でもあった剣太くんが熱中症で倒れたにも
かかわらず、これを演技だと決めつけた顧問教諭Sから暴行を加えられ、
副顧問教諭W(いずれも当時)も、Sの暴行を制止することもなく傍観
していた結果、剣太くんが亡くなるに至る過程をつぶさに見ていました。

 SとWは剣太くんの通夜に際して、弔問に訪れました。
 しかしご両親に対して、Sは暴行を「気付けのため」と言い張り、
Wは「止めきりませんでした」と意味不明な発言を繰り返すのみでした。
 風音くんは、そんな無責任なSとWの態度を見過ごすことができず、
泣き叫びながら二人に殴りかかろうとした、のです。

 風音くんにとって、進行協議はどれほどつらいことだったことでしょう。
 風音くんだけではありません。
 「剣太のためになるなら」
と、進学先の福岡から高速バスで駆けつけてくれた剣太くんの同期生はじめ
当時の剣道部員が、できることなら封印しておきたかったであろう記憶を
呼び起こし、剣太くんとS、Wの立ち位置や言動について詳細に再現しました。

 剣太くんの母、奈美さんは
「Sが剣太を呼び出し、パイプ椅子を投げつけた、とは聞いていた」
のですが、これを風音くんがS役となって実際に再現したところ、
「頭上に高々と振り上げ、全力で武道場の床に投げつけた」
という、危険性をまったく顧みない行為であったことをあらためて確認し、
「静まり返っていた武道場にものすごい音が響き、パイプ椅子は4~5メートル
ほど滑っていった」
と、あらためてその迫力に驚くとともに、Sの行為は
「暴力以外なにものでもない。指導とはとてもいえない、危険きわまりないもの」
と述べました。

 風音くんは、Sが椅子を投げつけたときの様子について
「剣太はすでに足元がふらついていましたが、なんとか避けました。
自分は一部始終を見ていました!」
と声をはりあげました。
 そして剣太くんが倒れたあとの状況についても、
「Sは剣太が動かなくなったあとも、なんの処置もしませんでした」
「SもWも動かなかったので、自分たちの判断で剣太に水を飲ませました」
と、その場にいた者でなければわからないことを、自分の言葉で、
自分の声で訴えていました。

 SもWも、発言を禁じられていたわけではありませんが、しかし反論は
一切しなかった、といいます。
 竹田市は祖母山・阿蘇山・くじゅう連山に囲まれた高原地域で、
「西日本屈指の寒冷地帯」と評されるほどです。
 3月28日も冬物のコートが必要だったのですが、奈美さんは
「Sは裁判長の質問に答えてはいましたが、奥歯に物が挟まったような
受け答えに終始しました。その間、額に噴きだす汗を、ずっとハンカチで
ぬぐっていたのが印象的でした」
と、証言しています。

 一方Wは、
「(剣太くん以外の)部員の様子を見ていたので、(剣太くんがSに対して)
『もう無理です』と訴えたという声は聞いていません」
など、きわめて重要なポイントについては関知していない、という
姿勢を貫きました。


 原告代理人の弁護士は、
「風音くんの心中は察するに余りある。Sに飛びかかっていくのではないか、
そのときはなんとか制止しないといけないと思って待機していた」
と、その心情を吐露しつつ、証言を終えた風音くんを
「よくやったな。がんばったな!」
とねぎらい、彼を抱きしめました。

 進行協議の様子をDVDに記録すべく、撮影していたカメラマンは
「風音くんが必死で我慢している姿を見るのがつらかった。ぼくは初めて
裁判というものを間近で見ましたが、本当に過酷なんですね」
と奈美さんに感想を伝えました。

 今回の進行協議を踏まえて、いよいよ証人尋問が始まります。
 5月24日午前10時から大分地裁で行われる次回口頭弁論には
風音くんと父・英士さんが法廷に立ちます。
スポンサーサイト
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

最新トラックバック