兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

保護者の知る権利について(その8)

[ 2012/03/16 23:17 ]
 2012年3月15日、衆議院第一議員会館で開催された
「第3回学校における柔道事故に関する勉強会」
に出席してきました。
 中根康浩衆院議員と初鹿明博衆院議員(ともに民主)が発起人となって
開催している勉強会ですが、中学校での武道必修化を半月後に控え、
国会議員・地方議員の関心が一段と高まり、今回も60人を超える議員が
参加しました。

 勉強会は午後6時から1時間半という予定でしたが、8時を過ぎても
議論は尽きず、参加者が会場を立ち去らなかったものですから、初鹿氏が
「8時には完全撤収しないといけないので、とにかく出てください!」
と、声をからして呼びかけなければならないほどでした。
 詳細につきましては「全国柔道事故被害者の会」ホームページ
http://judojiko.net/
をご参照ください。
 当ブログでは、学校事故の検証と再発防止に関して報告いたします。

 二村雄次愛知県がんセンター総長(全日本柔道連盟医科学委員会副委員長)は、
自身が名古屋大学医学部附属病院長だった02年8月16日。
 同病院で行われていた腹腔鏡手術の際に患者の大動脈を損傷し、2日後に
当該患者が死亡するという医療事故が発生したときの経緯について発表しました。

 二村氏は同年8月20日に記者会見し、
「逃げない・隠さない・ごまかさない」
の3大原則を公表するとともに、
「ただちに医療事故調査委員会を設置し、2カ月以内に調査結果を報告する」
と公約しました。
 そして調査委は、8月28日から10月17日までの7回にわたる議論を経て
10月18日に「医療事故報告書」を発表した、ということを明らかにしました。

 二村氏は、
「調査委員会には必ず外部から委員を招請して、中立性を担保すること」
「事故発生に至る機序について検証し、原因を究明し再発防止策を提言すること」
「被害者には途中経過を常時報告したうえで、調査結果を公表すること」
を重要なポイントと指摘しました。

 そのうえで、学校事故の再発を防止するために、
「すべての学校に安全管理委員会の設置を義務づけること」
「事故が発生したときは、外部の専門家を交えた調査委員会を設置すること」
「事故報告書をフォーマット化し、詳細な情報を把握できるよう努めること」
を提言しました。

 07年5月24日、龍野高校テニス部で発生した事故について検討してみると、
その原因は
「指導法や練習環境といったシステムエラー」と、
「指導者や管理者の資質や意識に関するヒューマンエラー」に大別できます。
 双方について精緻に検証しない限り原因究明はできませんし、原因が不明なままで
再発防止策を提言することなど不可能です。
 これに関しては谷亮子参院議員(民主)が、
「指導者に対する指導の重要性を痛感している」
とコメントしたことを付記しておきます。

 龍野高校においては、石原元秀校長(当時、現・岡山白陵中高校長)も
清重安男校長(同、現・白陵中高校講師)も、前述の検証プロセスをまったく実行
していません。
 すなわち二村氏が指摘する、中立性・公正性・透明性を担保した調査の重要性は、
龍野高校においては無視され続けています。
 たいへん遺憾であり、由々しき問題です。

 これについて新井智陽東京都議(民主)は、12年2月29日の都議会一般質問に
おいて大原正行教育長から
「学校の教育活動中に死亡事故や後遺障害が残るなどの重大事故が発生した場合、
事故調査委員会等を設置して事故の原因を究明するとともに事故再発防止策を講じる。
その際、専門家等から意見聴取するなどして原因を分析し、事故防止の具体的な対策
を明示することにより安全指導の徹底を図る」
との答弁を得た、と報告しました。

 すなわち東京都は、二村氏の提言に沿ったかたちで、事故調査と再発防止に向けて
具体的なアクションを起こしています。
 これは都民の人権を守るという意味で、きわめて重要なステップです。

 こうした東京都の対応と、龍野高校および兵庫県の無為無策ぶりを比較すれば、
その温度差は明らかだと指摘せざるを得ません。
 兵庫県民は、東京都民と同様には人権を守られなくてもしかたがない、
とでもいうのでしょうか?

 なお文部科学省は、地方分権政策の推進を理由に
「事故報告書の書式など、その作成については自治体の主体性に委ねざるを得ず、
文科省への報告についても、自治体に強制するわけにはいかない」
という、きわめて消極的な姿勢を示しています。
 これに対して大山昌宏衆院議員(民主)は、
「文科省は、武道必修化についてはすべての自治体に強制しているのに、
事故の報告については強制できない、などという理屈はまったく理解できない」
と厳しく批判しました。
 国会において、学校事故の原因究明と、再発防止に資する具体的な行動計画の
作成を義務づける法律が、一日も早く制定されることを強く期待するものです。
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Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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