兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

柔道事故で元指導者が責任を認める

[ 2011/09/24 19:44 ]
 2011年9月23日付信濃毎日新聞に以下の記事がありました。
 以下に引用します。

 松本市の柔道教室で2008年、当時小学6年生だった沢田武蔵君
が急性硬膜下血腫で重い障害を負い、沢田君と両親が、投げ技をかけた
元指導者の男性らに損害賠償を求めた訴訟の控訴審が22日、東京高裁で
あり、原告側と元指導者側の和解が成立した。

 原告側によると、元指導者が事故の責任を認めて謝罪し、武蔵君に対し
損害賠償金2億8千万円を支払うとの内容。
 8月に同高裁で開いた控訴審初弁論で、市村陽典裁判長が結審した上で
和解を勧告していた。
 原告の代理人弁護士によると、元指導者は保険に加入しており保険金が
賠償金に充当される見通しという。

 閉廷後、原告の代理人弁護士は「元指導者が事故の責任を認めて謝罪し、
二度と繰り返さないと誓うことを前提に和解に応じた」と説明。
 指導者の代理人弁護士は「コメントは差し控えたい」とした。

 武蔵君の母・佳子さんは「これで治療に専念できる」とする一方、
「武蔵は元には戻らない。許すことはできないので和解という言葉が
どうしても受け入れられない」と複雑な表情をにじませた。
 父の博紀さんは「二度と柔道事故が起きないように活動を続けていきたい」
と話した。

 一審の地裁松本支部は3月の判決で、元指導者に安全配慮義務違反があった
などとして2億4千万円余を支払うよう命じた。元指導者側は
「事故を予見できたとする判決には事実誤認がある」として控訴していた。


 武蔵くんの双子の兄、竜馬くんは同じ道場に通っていて、武蔵くんが
片襟体落としという、きわめて危険な技で投げられ急性硬膜下血腫を発症した
瞬間をその目で見ていました。
 竜馬くんは、元指導者が「事故後約1カ月は自分の責任を認めていた」
にもかかわらず、その後「事故は予見できなかった」と主張を一変させたことに、
いまも強い不信感を抱いています。
 したがって元指導者の「顔なんか見たくない」けれど、
「でも武蔵にはきちんと謝罪してほしい」と言っています。
 
 沢田武蔵くんは学校で事故に遭ったわけではありません。
 しかしどうやら「大人の事情」なるものは、場所が変われど同様で、
時間の経過とともに、事故・事件の発生直後とは主張が一変するのです。
 そして全国の柔道関係者約5万6千人が長野地検松本支部に、
「被告には責任はない、不可抗力である。まさか回転運動だけで脳の血管が
切れるなんて予見できない」
として、無罪を主張する嘆願書を提出しました。
 しかし5万6千人のうち、いったい何人が事故発生に至る経緯について
正確かつ詳細に知っていたのか?は、いまも疑問のままです。

 こうしたことによって被害者とご家族は、からだを傷つけられたうえに
こころまで深く傷つけられるのです。
 「大人の事情」とやらで、子どもたちを心身ともに痛めつけるなど、
それこそ大人のやることではありません。
 
 大人と子どもでは、すなわち指導する側と指導を受ける側では、
体格も体力も力量も知識も経験も格段の差があります。
 すべてのスポーツは危険と隣り合わせであり、事故は当然起こりうるのです。
 だからこそ常に最悪の事態を想定し、これを回避すべく行動するのが
指導者の指導者たるゆえんです。
 その基調にあるのは、愛情にほかなりません。

 沢田さんのみならず、全国の多くのご家族が
「こんな思いをするのは自分たちだけでたくさんだ。二度と繰り返してほしくない」
と涙ながらに訴えていらっしゃることは、当ブログでも繰り返し指摘している
とおりです。
 こうした切実な声に耳を傾けず、被害に遭った少数者の実態から目をそむけ、
原因を究明せず再発防止策も策定せず謝罪もしない、のは無責任きわまりなく、
まさに大人のすることではないのです。
 この点、一人でも多くの方にご理解いただきたいと、強く思っています。
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heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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