兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第2期子ども安全管理士認定講座について(その2)

[ 2015/06/29 06:10 ]
 2015年6月27日、第2期子ども安全管理士資格認定講座
(主催=一般社団法人吉川慎之介記念基金)第2日が東京都内で開催されました
 この日は猪熊弘子・東京都市大客員准教授、産業総合技術研究所人間情報
研究部門首席研究員の西田佳史氏、小児科医の出口貴美子氏が講師を務め、
教育・工学・医学の見地から事故を予防し、子どもたちを傷害から守ることの
重要性について述べました。

 猪熊氏は
「保育士や幼稚園教諭を目指している学生に、事故の話をすると嫌がられること
が多い。しかし保育士や教諭らが情報を共有していないから『いかにリスクを回避
するか?』という発想が出てこない」と指摘し、その例として12年7月、愛媛県
西条市で5歳(当時)の男児が私立幼稚園のお泊まり保育に参加して水遊びを
していたところ、急に増水した川に流され、教諭らが男児にライフジャケットを
着用させていなかったために水死したこと。
 この事故が教訓として活かされなかったために14年9月、岩手県花巻市の
認可保育所のいかだ遊びで、やはりライフジャケットを着用させていなかった
5歳(同)男児が死亡する事故が繰り返されたことを挙げました。

 西田氏は
「いまだに『不慮の事故』といっているのは日本だけだ。子どもたちの傷害は
運に左右される問題ではなく、preventable injury(予防可能な事故)という
考え方がグローバルスタンダードだ」とし、
「製品の規格や材質など環境を変えること(environment)、法律や安全基準を
見直すこと(enforcement)、そして教育によって意識を変えること(education)。
 この3つのEで事故は予防できる」と強調しました。

 出口氏は長崎県大村市のNPO法人「Love & Safetyおおむら」代表理事を務め、
市内すべての医療機関と警察・消防、市教委と学校、産業技術総合研究所と
協力して「こどもを事故から守るプロジェクト」を運営しています。
 その経験から
「多職種連携が重要だ。同質的な集団では同質的な発想しか出てこない」
と述べました。

 そして3氏は異口同音に
「傷害予防は子どもたちの危機回避能力の育成を阻害するという人がいるが、
誤りだ。傷害予防しているからこそ、成長に不可欠な失敗を許容できる。事故を
起こさないことは、保育士・教諭らを守る方法でもある」と述べ、
「事故は予防できる。そのためには不幸にして起きてしまった事故に関する情報を
集約し、分析することで『いつ、どこで、どんな事故が起きやすいか』傾向が見えてくる。
 この結果、具体的な予防策が立案できる」と訴えました。

 これは15年6月13日の第1日に講師を務めた土屋明広・岩手大准教授、
小佐井良太・愛媛大准教授、内田良・名古屋大大学院准教授が指摘したことと
一致するものです。
 すべてはエビデンスの集約と解析にかかっています。
 それは事故が発生するに至った機序を、精緻に調査することに始まります。

 07年5月24日、龍野高女子テニス部の練習中に発生した事故について、
「学校があえて調査しなくても、保護者は自発的に当時の部員らに話を聞いており、
事故についてはすでに事情を把握している。したがって龍野高が調査する必要はない」
という兵庫県の主張が、いかに無責任で科学的根拠がなく、論評に値しないものか。
 あらためて浮き彫りになりました。
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プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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