兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。
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柔道事故で和解成立(その2)

[ 2013/03/31 07:41 ]
 大阪地裁(佐藤達文裁判長)は13年3月29日、全柔連への請求を
棄却するとの判決を言い渡しました。
 講習会を実施したのは、日本で唯一柔道の段位認定資格を持つ
講道館から業務委託を受けた大阪府柔道連盟であり、府柔連と全柔連は
別組織であるから、というのがその理由です。
 講道館と全柔連は一体である、との原告の主張は退けられました。

 原告弁護団は報告集会で
「棄却は残念だが、意味のある和解だととらえている。柔道事故を撲滅する、
という原告の思いが実現されるためにも今回の和解条項が生かされ、
全国の指導現場で安全を確保することが今後の課題だ」
との認識を示しました。
 また小林泰彦・全国柔道事故被害者の会会長は
「わたしたちは柔道界と対立しているわけではない。事故をなくすために
安全対策を確立する、という共通の目標がある。そのためには保護者を
はじめ多くの目で見守り続けることが重要だ」
とコメントしました。

 高瀬啓太くんの母、典子さんは
「この事故により息子の人生は大きく変わりました。24時間・365日の
介護生活を続けるなか、提訴以来2年9カ月にわたった裁判は予想以上に
厳しく、気力体力の限界を感じています」
としたうえで、「賠償金」ではなく「解決金」と位置づけられていること、
和解には全柔連が参加していないこと、和解文に被告の「反省と謝罪」が
盛り込まれていないことにも言及し、
「ほんとうに悩み苦しみ揺れ動き、精一杯考え抜いた末の苦渋の決断です。
 柔道事故をゼロにしたいという思いに変わりはありませんし、これを
実現するために柔道界全体で取り組んでほしい。わたし自身、今後も
できる範囲で活動に取り組んでいきたい」
と述べました。

 ここに民事裁判の限界があります。
 民事裁判は原告・被告双方の主張を聞き、いずれの主張に分があるかを
判定する手続きにすぎません。
 「いつ、だれが、なにをしていれば、事故は未然に防止できたのか?」
を検証するプロセスではないのです。

 電車や航空機で事故が発生した場合には、運輸安全委員会が当事者の
思惑とは無関係に調査を実施し、結果を公表します。
 しかし残念なことに07年5月24日。
 兵庫県立龍野高校女子テニス部の練習中に発生した事故について、
石原元秀校長(当時、現・岡山白陵中高校長、兵庫県上郡町教育委員)は
調査していませんし、井戸敏三・兵庫県知事は調査委員会設置要望書の
提出を受けたにもかかわらず、これを設置しないと回答し、全容解明プロセスは
一向に機能していません。

 柔道のみならず、すべてのスポーツ、そしてすべての学校事故・事件において
関係者による隠蔽と捏造を許さないために。
 そして全容解明と再発防止に資するために。
 運輸安全委員会と同等の権限と責務を備えた、公正中立な第三者機関の
常設が急務だと考えます。
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プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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