兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

第三者機関のあり方について(その3)

[ 2012/08/31 08:36 ]
 非常に問題のある第三者委員会が設置され、現在も進行しています。
 この実態について、山田優美子さんが2012年8月25日、名古屋市で
開催された「全国学校事故・事件を語る会」シンポジウムで報告しました。
 山田さんの次男、恭平くん(当時16歳)は11年6月、自殺しました。

 恭平くんは、在籍していた愛知県立刈谷工高野球部の監督が日常的に
暴力をふるうことを嫌がっていました。

 そして11年5月、部室で禁止されているトランプに興じていた部員らが、
監督から殴る蹴るの制裁を受けるのを見て、強いショックを受けました。
 さらに同時期、恭平くんがエラーをした際、監督から
「ユニフォーム脱げ!消えろ!」
と暴言を吐かれたことから、部活には一切行かなくなりました。

 6月に入って練習試合も無断欠席したことで、監督が恭平くんを呼び出した
ことがわかっています。
 翌日は、朝から体調不良を訴えて欠席しました。
 そして、その翌日である11年6月9日。
 いつものように自宅を出ましたが、学校には向かわず、自ら命を絶ちました。

 山田さん夫妻は監督の対応が自殺の原因ではないか、との疑念がぬぐえず
調査を依頼しましたが、校長が作成し愛知県教委に提出した事故報告書には
事実ではないことが、列挙されていました。

 文部科学省は11年6月、自殺事件が発生したときには全教員と、
関連が深い複数の生徒に速やかに事情聴取し、再発防止に努めるよう求める
通知を出しています。
 しかし文科省のガイドラインが明示している初期調査は実施しないままでした。
 その理由について教頭は、「県教委から指示されなかったから」だと答えました。

 山田さんが文科省に質問書を送ったところ、県教委から連絡がありました。
 県教委の担当者は、
「山田さんの、学校に対する不信感を取り除くためのお手伝いをさせてください」
とまで言いました。

 しかし県教委が事情を聴いたのは校長、教頭、野球部長、総監督、監督の5名に
とどまりました。
 すなわち文科省のガイドラインから逸脱するもので、山田さんは愛知県教委に
初期調査を実施するよう求めましたが、「いまさらできない」と拒否されました。

 このため第三者調査委員会の設置を要請し、12年2月29日。
 第1回委員会が開催され、山田さん夫妻への事情聴取が行われました。

 愛知県教育委員会は、調査委員3名の氏名を明らかにしていません。
 本人たちも
「わたしが委員長です。精神科医です」「弁護士です」「臨床心理士です」
とそれぞれに職業をいうのみで、名前を名乗ることはありませんでした。

 山田さんが県教委職員に、
「どこのだれだかわからない人たちを、信用することはできない」
と抗議しても
「県教委はちゃんとした人たちを選任している。どこに問題があるのか?」
の一点張りで、今日に至るまで氏名も所属も明らかにしていません。

 山田さん夫妻は7月18日、調査委員会から2度目の事情聴取を受けましたが
実は調査委自体は、この日が8回目の開催だったことが明らかになりました。
 すなわち第2回から第7回が、すでに開催されていたのですが、この事実を
愛知県教委が山田さんに伝えることはありませんでした。

 また山田さんは7月18日の事情聴取にあたって、自らの代理人弁護士の
同席を求めましたが、拒否されました。
 県教委は理由は明らかにせず、「調査委員の決定によるもの」とだけ
伝えました。
 調査委員に理由をただしたところ、驚くべきことに
「わたしたちにそんな権限はない。わたしたちは県教委の下部組織であり、
すべて県教委の決定にしたがっている」
との回答がありました。

 これについて野口善国弁護士(元兵庫県弁護士会子どもの権利委員長)は、
「委員の氏名を公表しないということは、組織として存在していないのと同じこと。
 公平を期すために、県教委は調査委員の選任にあたって、弁護士会・医師会
などに推薦を要請すべきだった。
 調査委が独立性・中立性を担保できていないことは、きわめて遺憾だ。
 愛知県弁護士会は、このような事態を放置すべきではない。早急に抗議声明を
出すべきだ」
と、強い憤りを明らかにしました。
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プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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