兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

保護者の知る権利について(その12)

[ 2012/06/29 08:36 ]
 2012年6月26日付毎日新聞青森版に

 なぜ死ななければならなかったのか、息子の最期が知りたい−−。
 青森山田高(青森市)の硬式野球部寮で昨年12月、1年生の男子部員(当時16歳)が
当時2年の少年(18)=暴行容疑で書類送検、自主退学=から暴行された後に急死
した事件。
 両親は25日、少年と高校側などに対して大阪地裁で始まった損害賠償訴訟の初弁論後、
毎日新聞の取材に
「調査と報告を再三求めたが、誠実に対応してもらえない。真実を明らかにするには、
法廷で争うしかなかった」
と胸のうちを語った。

 大阪府内の生徒の実家。仏壇には青森山田の野球帽、生徒の部屋には青森山田の
ユニホームやかばん、グラブが整然と並んだまま。
 「まだ片付けられない。部屋に入ると思い出すから」
と母親(46)は話す。小学2年から野球を始め、中学では副主将。部屋にある写真の中では、
いつも輪の中心でおどける姿が写っている。
 「明るく、ひょうきん者。決して他人の悪口を言わない子でした」
 府内の高校に進む予定だったが、中学3年の11月になって急に青森への誘いがあった。
両親は「遠すぎる」と初め難色を示したが、「行きたい」と強く望んだという。
 「甲子園に出られなくてもいい。人間的に成長してきなさい」。
 両親は息子を青森に送り出した。
 「大丈夫や。先輩も優しくしてくれておもろい」。
 昨夏の帰省の際には学校や寮生活を楽しんでいる様子を語っていた。
 しかし突然、帰らぬ人に。事件翌日、大阪から駆けつけると、青森署の遺体安置所に
息子の姿があった。
 「今でも息子が元気で青森にいるように思ってしまう。現実に引き戻されるのがつらい」。
 父親(52)は取材中、号泣した。母は事件の電話を受けた寝室では寝られず毎晩、
仏壇脇に布団を敷いている。
 両親は12月の記者会見後に明らかになった事実と謝罪をホームページに載せる
ように要請。高校側と交渉して掲載文もまとまった。
 しかし学校側は掲載せず、2月20日に「今後は顧問弁護士と連絡を取ってほしい」
と伝えてきたという。
 25日の開廷数十分前になって、木村雅大副理事長らが、大阪地裁のエレベーター前
で両親の弁護士に手紙と再発防止の報告書を渡してきたという。手紙には、これまでの
公式戦自粛をやめ、夏の青森大会に出場する意向が書かれていたが、口頭での説明
はなかった。
 両親は
「当初は批判する気持ちはなかったが、誠意ある対応が見られない。真相が分からない
まま出場するのが果たして教育的なのか」
と非難した。
 同校の花田惇校長は「遺族には生徒の聞き取り結果を報告するなどできるだけの
ことをした」と説明。夏の大会には「残された生徒への教育的配慮から参加する方針」
とした。26日の組み合わせ抽選会で参加申し込みをする。県高野連は「出場を止める
材料がない」として、参加を認める方針。

という記事がありました。
 そして事実、

 男子野球部員(当時16歳)の急死事件で揺れる私立青森山田高(青森市)は26日、
夏の高校野球青森大会への出場を青森県高野連に申し込み、認められた。
 同高は昨年12月、硬式野球部寮で部員が暴行された後に死亡した事件を受け、
公式戦出場を自粛していたが、花田惇校長は「亡くなった生徒のために頑張りたいと
いう部員たちの意気込みなどを総合的に考えた」と説明。寮の管理態勢の改善など
再発防止策を示した。同高を経営する青森山田学園は「参加後であっても、刑事処分
などがあれば日本高野連の判断に従い、再検討する」としている。

ということになりました。

 花田校長は、「部員たちの意気込み」を判断基準として挙げています。
 つまり責任を生徒たちに転嫁しているのです。
 そして、「寮の管理体制の改善など」の再発防止策を、いったいだれに示し、
これをだれが、いかなる基準と権限に基づいて了承したのでしょう?

 そもそも花田校長のいう「教育的配慮」とは、いったいなんなのでしょう?
 両親との約束も守らず、事件発生後わずか2カ月で両親との対応を弁護士に
一任しておいて、「できるだけのことをした」と言い切っています。
 説明責任を果たさず、真相を知りたいという両親の思いに答えないことも、
「教育的配慮」によるもの、とでもいうのでしょうか?

 青森山田学園関係者は、南部さおり・横浜市立大学医学部助教の
「事故が起こって幸せになる人は、ひとりもいない」
という言葉を、いまこそ重く受け止めるべきではないでしょうか。
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プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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