兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。
月別アーカイブ  [ 2011年11月 ] 

保護者の「知る権利」について

[ 2011/11/24 08:12 ]
 当ブログ2011年11月1日付記事に対し、
「関係者」さんから、「検証委員会について」というタイトルで
以下のコメントをお寄せいただきました。

検証委員会を立ち上げさせるには、遺族や関係者が相当な労力を費やしました。
「事なかれ主義」の学校や教育委員会が自ら立ち上げた訳ではありません。
組織を動かすことは、容易なことではありませんでした。

 関係者さん、コメントありがとうございました。
 まさにご指摘のとおりで、学校や教育委員会が事故や事件について、
自ら積極的に事実解明を進める例は皆無に等しいのが現状です。

 07年5月24日。
「行ってきまーす!」と元気な声で、いつものように登校する
リサさんの後姿を見送ったご両親にとって、
「あの日、いったいなにが起こったのか?」
を知りたいと思うのは当然のことです。
 しかし龍野高校が、事故発生以来4年半が経過しても一向に、
ご両親の切なる希望に応えようとしていないのも、まさに典型的な対応です。
 だからといって、これを追認することなどできません。
 不誠実きわまりない対応を「前例」として確立し、踏襲させることなど
容認するわけにはいきません。

 11年11月19日、NPO法人「ジェントルハートプロジェクト」
http://www.gentle-h.net/
が都内で開催した第6回「親の知る権利を求めるシンポジウム」でも、
まさにこの点について、熱心な討議が交わされました。

 ただし。
 第三者委員会が立ち上がったからといって、これがただちに
真相究明につながるとはいえない、という由々しき問題があります。

 たとえば10年10月23日、群馬県桐生市の自宅で自殺した
上村明子さんの場合。
 桐生市は同年12月、第三者委員会を設置しましたが、その目的は
「再発防止のため、さまざまな角度からさらなる調査が必要」
という、きわめてあいまいなものにすぎません。
 委員の人選も「市の専管事項」であって、ご両親の意向を聞くことなど
ありませんでした。
 しかも委員長以外のメンバーは氏名も公表しませんでしたし、
委員会の審議の様子は非公開です。
 そして10年12月8日に1回目の会合が開かれたときも、桐生市から
ご両親への連絡はなく、ご両親はその事実を
「マスコミから知らされて初めて知った」
のです。
 第三者委員会と称してはいますが、これで中立性が担保できるのか?
というと、はなはだ疑問です。

 第三者委員会は、ご両親に対する事情聴取も行わないまま、
11年3月29日付で報告書をまとめました。
 報告書はA4用紙28枚に及ぶものですが、第三者委員会は
「公表する範囲については桐生市が判断する」よう要望しました。

 これはいかにも不自然で、不可解な要望だと指摘せざるを得ません。
 第三者委員会が行った調査なるものは、実は公表に堪えうるものではない、
と自ら告白するような対応です。
 そして第三者委員会の意向を受けて桐生市が公表し、ご両親に伝えたのは
A4用紙2枚、わずか210字の概要にすぎません。
(11年10月27日付読売新聞群馬版より)

 ご両親は報告書の全容を開示するよう求めていますが、桐生市は
これを拒否したままで、いまも明らかになっていません。
 第三者委員会の設置と運営に関する費用は、桐生市が負担しています。
 すなわち市民が納めた税金が費用として充当されているわけですから、
審議に関する議事録と報告書を公開することはあたりまえですが、
そのあたりまえのことが行われていない、のです。
 こうした桐生市の姿勢には、自治体として当然備えておいてしかるべき
公平性・公正性・透明性において、大いに疑義があります。

 そして桐生市は、前橋地裁での審理において
「明子さんに対するいじめはあったが、自殺との因果関係は不明」
としたうえで、
「明子さんが自殺するに至ったのは、家庭に原因がある」
と主張しているのです。
 第三者委員会は設置されましたが、ご両親から事情を聴いてはいない、
という事実を、あらためてここに記しておきます。

 明子さんの父、竜二さんは
「真相究明なくして再発防止策の策定などありえない」
と声を大にして訴えていますが、まさにそのとおりであり、
学校事故・事件の被害者が異口同音に指摘しているところです。
 被害者は少数者であり、社会的に弱い立場にあります。
 だから彼らの権利を侵害し、名誉を毀損してもかまわない、
などという論理は成立しませんし、成立させてはいけないのです。

 皆さんのご理解とご支援を、心よりお願いいたします。
 リサさんの次回口頭弁論は12月13日13時15分から
神戸地裁204号法廷で行われます。
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プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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