兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

北海道、高校生自死事案に関わるアンケートを開示

[ 2017/11/29 07:14 ]
 2017年11月26日付朝日新聞は

 北海道立高校の男子生徒が4年前に自殺したことをめぐり、母親が北海道を
訴えている訴訟で、札幌地裁が道側に「学校が自殺後、生徒に実施した
アンケート結果を証拠として提出せよ」と命じる決定をしていたことが分かった。
道側は「提出すれば生徒の信頼を裏切り、同様の調査が困難になる」などと
反対したが、湯川浩昭裁判長は「個人情報を隠すなどすれば、教育行政上の
支障があるとは言えない」と判断した。決定がきっかけとなり、道側は遺族に
アンケートを開示した。
 子どもが自殺をした場合、同級生へのアンケートや学校側による調査の
結果開示について遺族と行政が対立するケースは多い。原告側の
秀嶋ゆかり弁護士は「全国的に見てもあまり例がない決定。同様の訴えを
起こす人の励みになる」と話す。亡くなった生徒は吹奏楽部に所属し、
母親は「顧問の激しい叱責が原因で自殺した」として、北海道に約8千万円の
損害賠償を求めている。(中略)

 亡くなった高校1年、悠太さん(当時16)の母親は息子の死から4年半を経て、
A4判27枚のアンケート結果を手にした。ずっと学校や北海道に求めながらも、
拒まれてきた内容。「やっとスタートラインに立った気持ち。記載されている
内容の一つひとつを、遺族や学校が共有することが大切だ」と話した。
 開示されたアンケートには、悠太さんが顧問の叱責によって、部内で孤立した
様子を伝える記述もあったという。この間、学校が全校生徒を対象にアンケート
を実施しながら、結果を破棄したことも分かった。
「せめて、子どもに何があったのかを知りたいと願う親の気持ちを、なぜ
そこまで踏みにじるのか。今回は裁判所が遺族の気持ちをくんでくれた」と話す。
 福井県池田町では3月に中学2年生の男子生徒が自殺し、町教委の調査
委員会が10月、「教師による厳しい叱責」が原因と指摘した。母親は悠太さんの
死も同じような「指導死」だと訴える。少しでも真実が明らかになればとの思いで
始めた訴訟は30日、8回目の弁論を迎える。

と報じています。

 裁判所は今回、
「事実を隠蔽しようとする北海道の姿勢を容認することはできない」
と明確に判断しました。

 これについて「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、宮脇勝哉氏は
「昨今、世の中の流れは個人情報保護の壁よりも、被害者支援の視点を
重要視することが求められつつあり、当然のことながら学校においても
同様のとらえ方で対応することが望まれる。
 学校設置者および管理者には説明責任を果たす義務があり、被害者・遺族
には情報提供を受ける権利があると考えている。
 この案件でのアンケート開示決定が全国各地に波及することを強く望むと
ともに、『わが子の身に何があったのか知りたい』という被害者遺族最大の
願いが叶うことを願っている」
とコメントしています。
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札幌地裁、指導死の因果関係は認定せず(その2)

[ 2013/06/06 07:25 ]
 教師は教室を小さな王国とし、絶対権力者として君臨することが可能です。
 今野彩花さんの担任教諭は忘れ物をした児童に対して執拗に叱責し、
強い恐怖感を植えつけていました。
 だから彩花さんは毎日、すべての教科書を持って登校していました。
 そんな日常が続くことが、子どもたちにとってどれほどの心理的圧迫要因
になるでしょう?

 「指導死」親の会の代表世話人・大貫隆志氏は、札幌地裁判決について
「指導とは、目的と手段と結果が妥当なものであって、初めて指導といえる」
としたうえで、
「教育的効果が期待できる指導であったなら、子どもが死ぬわけがない。
遺族はどこに、だれに救済を求めたらいいのか」
と強い憤りをあらわしました。

 NPO法人・ジェントルハートプロジェクトの武田さち子理事は
「大人だってパワーハラスメントの結果、うつ病を発症することは珍しくない。
子どもが学校を嫌いになるような、ましてや人生に絶望するようなやり方が
正当な指導であるわけがない」
と厳しく批判しています。

 住友剛・京都精華大学准教授は、
「わたしたち教育学の研究者は、『子どもの視点で指導を考える』機会を
教員志望の学生や現職教員に提示できていただろうか?教員の指導の
あり方によって子どもが亡くなるという現実に、正面から向き合って
きただろうか?わたしたちこそが問われているのだ、と痛感している」
と述べました。

 唯一の救いは、学校側の調査報告義務違反を明確に認定したことです。
 大津市の第三者調査委員会(委員長・横山巌弁護士)は13年1月31日、
越直美市長に提出した報告書で、
「自死するに至った具体的な事実を知ることは、家族にとって譲ることの
できない権利なのである。学校・教育委員会は可能な限り事実を提示
しなければならない」
と指摘しています。
 札幌地裁判決は、保護者の知る権利については明確に認めました。

札幌地裁、指導死の因果関係は認定せず

[ 2013/06/06 07:16 ]
 2013年6月2日付毎日新聞北海道版は

 北海道遠軽町で08年4月、町立小6年の今野彩花さん(当時11歳)
が自殺したのは担任教師の行き過ぎた指導が原因だとして、両親が町と道
に対し約7800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、札幌地裁
(千葉和則裁判長)で言い渡される。裁判では町や学校側は全面的に争う
姿勢を通したが、父富治さんは判決を前に「娘を追い詰め、自殺させた
事実を認めてほしい」と静かに語る。(中略)

 両親が、担任教師の指導に疑問を抱いたのは5年生の2学期。
 彩花さんが、いつまでたっても夏休みのドリルを持ち帰ってくるので
理由を尋ねると「問題の1カ所にだけ、何度提出してもただバツを付けて
突き返される」と打ち明けた。母道代さんが教師に問いただす11月まで
続いた。その後も、器楽演奏の練習で一人だけ居残りさせられたという。
 それまでは“皆勤賞”だった彩花さん。
 3学期には「もう、学校行くのいやだ」と休みがちになり、春休みには
「6年生になってもあの先生なの」と何度も訴えた。
 自宅のトイレで首つり自殺を図ったのは、始業式を控えた4月3日。
病院で11歳の人生を閉じたのは翌4日夕方だった。
 両親に大きな不信を与えたのは、学校や町側の対応だった。
 彩花さんの死の直後、学校は町教委に事故報告書を提出していたが、
富治さんがそれを知ったのは2年以上も後。しかも、死因を「多臓器不全」
と記載し、自殺のことは何も書かれていなかった。
「このままでは、彩花の死がうやむやにされてしまう」。
残された道は提訴しかなかった。
 富治さんによると、町は一度は両親宛ての文書で指導の行き過ぎを認めた。
しかし法廷では「あれは今野さんに配慮してのこと。誇張し過ぎだった」
と手のひらを返し、「多臓器不全」の記載も「今野さんが当初そう言っていた」
と主張したという。(後略)

と伝えました。

 そして13年6月4日付毎日新聞北海道版は

 札幌地裁は遠軽町と北海道に連帯して計110万円の支払いを命じた。
千葉和則裁判長は判決で、争点だった指導と自殺の因果関係は認めなかったが、
その後の対応が両親に精神的苦痛を与えたとした。(中略)

 判決は担任の指導について「5年生にしてはやや厳しいが、教育的効果が
期待できて正当」とし、違法性や自殺との因果関係を否定した。
 一方で、彩花さんの死後に事実関係の調査を学校側が怠ったと認定。
 自殺原因に関し、学校が一度は「担任教諭の不適切指導にあった」と説明した
のに、訴訟では「適切だった」と覆すなどし、両親の精神的苦痛を増大させたと
認定した。
 指導と自殺の因果関係を否定した点など不服として、両親は控訴する方針。
(後略)

と報じています。
(この項、つづく)
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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