兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

大阪地裁、国賠法の求償権を認める判決言い渡す

[ 2018/02/18 09:35 ]
 2018年2月17日付朝日新聞大阪本社版は、

 大阪市立桜宮高校バスケットボール部の男子生徒が顧問だった男性から
暴行を受けて自殺した問題で、市が遺族に支払った賠償金の半額を元顧問の
男性に求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。長谷部幸弥裁判長は
元顧問に請求通り4361万円の支払いを命じた。
 部の主将だった生徒は元顧問から暴力や暴言を受け12年12月に自殺。
遺族は13年、市を相手に東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起。判決に基づき、
市は遅延損害金を含め8723万円を支払った。
 国家賠償法は、公務員個人に故意や重い過失があった場合、国や自治体が
本人に支払いを求める「求償権」があると定めている。
 今回、市は賠償金の原資は税金で、元顧問には重い過失があったとして
負担を求めることを検討。交渉したが折り合いがつかず、17年11月に提訴
していた。
 名古屋大大学院の内田良・准教授(教育社会学)は
「教育の範疇を超えた事案について、自治体は積極的に教師に賠償を求めて
いくべきだ。でなければモラルハザードが起きる」
と述べた。

と伝えました。

 これについて09年8月、大分県立竹田高剣道部の練習中に顧問教諭だった
坂本忠文氏から暴行を受けて死亡した工藤剣太さんの母・奈美さんは、
「画期的な判決で、嬉しく思います。
 学校設置者である自治体が元顧問への求償権を行使したことは、今後の
再発防止に向き合った行動と考えます。
 生徒に対して暴行を加えたり、暴言を吐くといった人権を無視した行為が、
不幸にして事故・事件を招いた場合には、公務員といえども個人が責任を負う
のが当たり前です。
 求償権の行使が一般化すれば、暴言・暴力を指導の一環と考えている
教員に対して、一定の抑止力になると思います」
とコメントしています。

http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201710-7.html
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大阪市の水泳死亡事故、控訴審進行協議

[ 2017/11/28 23:02 ]
 2013年8月24日、大阪市の障害者スポーツクラブでの水泳練習中に死亡した
国本考太さん(当時24歳)の両親が、クラブを運営していたNPO法人と女性コーチを
提訴している損害賠償請求訴訟の控訴審(江口とし子裁判長)。
 17年11月27日には大阪高裁で非公開の進行協議が行われました。

 控訴人・国本さん側は、医学的な見地からの分析に加えて、障害者スポーツ全般に
ついて有識者に意見書の執筆を依頼しており、次回口頭弁論までにこれらを提出する
方針を明らかにしました。
 国本さんの代理人弁護士は、こうしたプロセスを経て裁判官が
「一審判決をさらに進めて認定してくれるのではないか、と期待している」
と述べました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201710.html

 次回は18年2月27日13時30分、大阪高裁84号法廷で口頭弁論が行われます。

大阪市の水泳死亡事故、控訴審始まる

[ 2017/10/26 06:49 ]
 2013年8月24日、大阪市の障害者スポーツクラブでの水泳練習中に
死亡した国本考太さん(当時24歳)の両親が、クラブを運営していた
NPO法人と女性コーチを提訴していた損害賠償請求訴訟の控訴審が
17年10月18日、大阪高裁(江口とし子裁判長)で始まりました。
 江口裁判長は冒頭、
「大きな事件と認識している。慎重に判断したい」
と発言し、本件の重要性について認識していることを明らかにしました。

 一審・大阪地裁(山地修裁判長)は17年6月23日、当該コーチに
注意義務違反があったと認め、被告に770万円を支払うよう命じる
判決を言い渡しています。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201706-1.html

 同判決は熱中症が死因であり、女性コーチが熱中症の発症を予防する
ための措置を講じていなかったと認めましたが、考太さんが熱中症を
発症したことと考太さんが死亡したことの因果関係については、明確には
認めていません。

 コーチ側の代理人弁護士は、
「考太さんの死因が熱中症であると大阪地裁が認定したことについては、
争わない」
としながら、コーチには熱中症の発症を予見できなかったとして、控訴棄却を
求めています。

 こうした状況にあって、次回は11月27日11時00分から非公開で
進行協議を行います。
 こうした経過を踏まえて、大阪高裁が踏み込んだ判断を下すのか、
注目されるところです。

 なお本件に関しては、中小路徹・朝日新聞編集委員が17年9月6日付
同紙で指摘しています。
http://digital.asahi.com/articles/ASK8Z6J0GK8ZUTQP028.html
 こちらもご参照ください。

大阪地裁、障害者スポーツクラブ死亡事故でコーチの責任認める

[ 2017/06/25 22:23 ]
 2013年8月24日、大阪市の障害者スポーツクラブでの水泳練習中に死亡した
国本考太さん(当時24歳)の両親が、クラブを運営していたNPO法人と女性コーチを
提訴していた損害賠償請求訴訟で、大阪地裁(山地修裁判長)は17年6月23日、
コーチに注意義務違反があったと認め被告に770万円を支払うよう命じる判決を
言い渡しました。
 当初は同地裁1008号法廷での判決言い渡しが予定されていましたが、
直前になって傍聴席が91席ある202号法廷に変更されました。
 これは、本件に対する社会的な関心が高いことに裁判所が配慮した形跡が
うかがえるものです。

 判決は熱中症が死因だと認めたうえで、女性コーチが熱中症の発症を予防する
ための措置を講じてはいなかったとし、
「コーチの不適切な行為が考太さんの命を奪ったといっても過言ではない」
との見方を示しました。
 しかし考太さんが熱中症を発症したことと、考太さんが死亡したことの
因果関係については明確には認めていません。

 すなわちコーチには注意義務違反があったと認定し、注意義務を適切に果たして
いたならば考太さんの死は回避できた可能性は高い、との見方を示しながら、
熱中症と考太さんが死亡したという事実との因果関係については明確な判断を
留保しており、矛盾があります。
 両親は
「『あの日の練習に参加していなければ、考太が亡くなることはなかった』という
思いが私たちの原点だ。あくまで一部勝訴に過ぎず、私たちの主張が認められて
いないので控訴する。この判決で納得することはできない」
と述べています。

 「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人・宮脇勝哉氏は、考太さんに
てんかんの既往症があったことを指摘し、
「私はかつて特別支援学校で教員を務めていたが、てんかんの既往症がある
子どもが水泳の授業中に発作を起こさないという保証はない。したがって両手両足
にフロートをつけて、教員がプールに入って常に子どもの体を支えているというのが
教育現場では常識だ。考太さんについて、必ずしも同列に論じるわけにはいかない
かもしれないが、女性コーチは水着にも着替えずプールサイドの椅子に座っていた
と聞いている。緊急時対応の心構えができていなかったという意味において、
障害者スポーツの指導者としてはきわめて不適格だ」
と批判しています。
 また障害者スポーツに長くかかわってきた塩浜ひろみ氏は、事故当日の練習
内容があまりにも過酷だと指摘したうえで、
「考太さんのように軽度の知的障害がある人は、コーチの指示を完遂しようとし、
サボる・怠けるという発想がない。こうした特性を理解していなければ、障害者
スポーツの指導者としての資格を備えていないと言わざるを得ない。彼女が
このままコーチを続ければ、第2・第3の考太さんを生むリスクが高い」
と警鐘を鳴らし、大阪地裁判決についても
「裁判所は知識不足。もっと踏み込んでほしかった」
と述べました。

 両親は
「水泳中に熱中症を発症するという事実は、まだ社会的に十分に認識されている
とはいえない。この判決を教訓に、二度と同じような事故を起こさないでほしい」
と訴えています。

 なお本件につきましては、『体育科教育』(大修館書店)17年7月号に
南部さおり・日体大准教授が寄稿していますし、
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201704-1.html
も併せてご参照いただけましたら幸いです。

水泳練習中の熱中症死亡事故、判決期日のお知らせ

[ 2017/05/08 07:30 ]

 2013年8月24日、大阪のNPO法人が主催する障害者向け水泳教室で
練習中に熱中症を発症して死亡した国本考太さん(当時24歳)の遺族が、
指導者と水泳教室を相手取って提訴した損害賠償請求訴訟の判決が
6月23日13時10分、大阪地裁1008号法廷で言い渡されます。
 多くの皆さんの傍聴をお願いいたします。

 事故の概要は以下をご参照ください。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201704-1.html

 また朝日新聞の中小路徹編集委員も、17年4月29日付同紙コラム
「縦横無尽」で、この事案を取りあげています。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12915291.html

 併せてご参照ください。
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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