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兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

龍野高校の対応を検証する(その17)

[ 2023/12/21 10:43 ]
 「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、内海千春氏は
2023年12月15日付毎日新聞兵庫版で
「学校事故・事件の被害者や家族が求めるのは責任追及ではなく謝罪」
だと述べています。
https://mainichi.jp/articles/20231214/k00/00m/040/162000c

 内海氏の発言は、名古屋市立向陽高柔道部で発生した事故で、
1年生だった次男を亡くした倉田久子さんが証言しているように、
「事故が起きた当日、校長(当時)が『学校で起こったことは、
すべて学校の責任です』と述べ、謝罪した」
うえで、名古屋市教育委員会も校長の姿勢を支持。
 その結果、両者は今日に至るまで良好な関係を維持していること。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-entry-513.html

 さいたま市教委が、同市立日進小6年生女子(同)が長距離走の
練習中に亡くなった事故について精緻に調査し、その反省点を
「ASUKAモデル」として公表し、再発防止に努めていることで、
遺族とはいまも良好な関係にあることが裏打ちしています。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-category-16-2.html

 また同日付東京新聞「筆洗」は、宮城県知事だった浅野史郎氏が
行政のあるべき姿として
「逃げない、隠さない、ごまかさない」
を打ち出したことを紹介しています。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/296118?rct=hissen

 これらはすべて、「やればできる」ことを証明しています。
 しかし、石原元秀氏以下歴代の龍野高校長と兵庫県教委は
「逃げる、隠す、ごまかすに終始している」
と、同高女子テニス部の練習中に発生した熱中症事故から
16年経った今日においてもあらためて指摘せざるを得ない、
という事実には、暗澹たる思いがします。

 龍野高校長と兵庫県教委にとっては、
「大阪高裁判決を不服として上告したが、最高裁に棄却され
同高裁判決は確定した。
 これにしたがって賠償もした。だから事故はすでに終結した」
という受け止めかもしれません。

 しかし説明も謝罪もないままで、高校2年生だった梨沙さんが、
いまも重篤な後遺障害に苦しんでいること。
 愛娘が未来を奪われたという悲しみと衝撃に加え、
石原氏の悪意に満ちた虚言による風評被害に苦しめられた両親は、
きょうも介護生活を続けている、という事実に変化はありません。
 けっして「終わった話」などではない、ということを
あらためて強調しておきます。
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龍野高校の対応を検証する(その16)

[ 2023/05/12 09:05 ]
  2023年5月7日21時00分から放映された、NHKスペシャル
「いのちを守る学校に 調査報告“学校事故”」
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/N5Q76W31WY/
の関連記事が、「NHKみんなでプラス」に掲載されています。
https://www.nhk.or.jp/minplus/0012/topic036.html

 このなかで紹介されている、兵庫県川西市立中1年生だった
宮脇健斗くんが、ラグビー部の練習中に熱中症による多臓器不全で
亡くなった事故に関しては、「川西市子どもの人権オンブズパーソン」が
調査し、報告書をまとめたことで顧問教諭(当時)のきわめて不適切な
指導が明らかになり、刑事事件として立件されました。
 しかしこれは残念なことに、「たまたま川西市が条例を定めていたから」
と、いわざるを得ないのが現状です。

 兵庫県には同様の制度はありません。
 したがって、龍野高テニス部事故においては、NHKスペシャルで
梨沙さんの父親が証言したとおり、石原元秀校長(同)が
保護者に示した事故報告書はA4用紙1枚の、簡略というよりは
空疎な内容のものにすぎません。
 そしてこれは兵庫県教育委員会に提出するために作成したもの
であり、保護者に対する説明を目的としたものではありません。
 しかし石原氏は、
「これで保護者に対する調査報告義務は果たした」
と切り捨て、そのうえ熱中症で倒れ、遷延性意識障害という
重篤な後遺障害に見舞われた梨沙さんと、保護者の名誉を
傷つける発言を繰り返したことは、断じて看過できません。

 兵庫県教委も石原氏の姿勢に追随し、裁判の審理において
「保護者が調査しているのだから、龍野高および兵庫県教委が
あらためて調査する必要はない」
という当事者意識皆無の、無責任きわまりない主張をしたことは、
当ブログでも繰り返し指摘してきました。
 なお、こうした石原氏らの主張は大阪高裁判決が一蹴し、
最高裁もこれを支持して確定しています。

 という現状に鑑みれば、上記「NHKみんなでプラス」で
吉川優子さんが指摘しているように、
「国の運輸安全委員会のように、事故が起きたら専門的知識をもった
調査官が現場に急行して調査にあたる、そんな仕組み」
が、なんとしても必要でしょう。

 なぜならば、宮脇さんの事案では学校設置者は川西市、
梨沙さんの事案では兵庫県、吉川さんの事案では
学校法人ロザリオ学園であり、自治体ごとの対応に委ねていては、
居住地や在籍している学校園の設置者によって、対応に差が出て
しまうからです。
 これでは「法の下の平等」が保障されないことになります。
 したがって、内田良・名古屋大学教授のいうように
「国こそが主導して行うべきで、国だけができること」
であり、岸田文雄首相が23年3月17日の記者会見で、
「子どもファースト社会の実現は社会全体の課題」
と言い切っている以上、政府と国会の責任において
早急に取り組むべき課題です。

 なお、龍野高の対応について、同高の卒業生からは
「恥ずかしい」という声があがっています。

NHKスペシャルのお知らせ

[ 2023/05/01 21:45 ]
 2023年5月7日21時00分から放映される、NHKスペシャル
「いのちを守る学校に 調査報告“学校事故”」
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/N5Q76W31WY/
では、リサさんの両親も取材に応じています。

 ぜひご覧ください。

龍野高校の対応を検証する(その15)

[ 2023/04/12 06:42 ]
 2011年6月、名古屋市立向陽高校柔道部の練習中、1年生だった
倉田総嗣さんが急性硬膜下血腫を発症し、翌7月に亡くなるという
事故が発生したことは、当ブログでも繰り返しご紹介してきました。
 事故発生時に教頭だった加藤裕司氏が、当時の校長とともに
倉田さんと保護者にどのように向き合ってきたか。
 さらに加藤氏が21年度、校長として同校に戻ってからも、
事故を再発させないため、どのような取り組みを続けてきたかを、
23年4月9日付朝日新聞が報じています。

 「学校で起きたことはすべて学校の責任です。本当に申し訳ございません」
 これが、倉田さんが緊急搬送された病院で、保護者に対して発した
校長の第一声でした。
 加藤氏以下同高の教職員、そして教育長以下名古屋市教育委員会の
職員は、一貫してぶれることなく校長の姿勢を踏襲し、市教委は
事故調査委員会を設置して報告書をまとめ、これを公表しました。

 朝日新聞の氏岡真弓・編集委員は上記記事を、

 総嗣さんの母の久子さんは話す。「遺族が願うのは、我が子の死が、
他の子どもの命を守ることに生かされること。システムがいわば
『向陽モデル』としてできていくのを見ていて、よくここまで考えて
くださったと思った」
 加藤さんは語る。「経験は風化するが、システムは時を超えて
継続性がある」。
 この3月で定年退職したが、後に続く教職員にシステムをよりよい
ものへと変えていってほしいと願う。
 そして他の学校にも広がり、生徒の命を救うことができたらと
思っている。

と締めくくっています。

 お子さんが亡くなっているわけですから、保護者の納得を得ることは
難しいといわざるを得ません。
 しかし2年次、3年次のクラス名簿にも「倉田総嗣」の名前を掲載し、
体育祭や文化祭について案内し、修学旅行のしおりを手渡し、
卒業アルバムも卒業証書も、同期生たちと同じように扱ったことで、
少なくとも保護者の理解は得られました。

 これまた繰り返しになりますが、向陽高および名古屋市教委に
できることが、なぜ龍野高および兵庫県教委にできないのでしょう?
 一点指摘するとすれば、向陽高および名古屋市教委にあって、
龍野高および兵庫県教委にないもの。
 それは生徒に対する愛情であり、保護者に対する誠意です。

龍野高校の対応を検証する(その14)

[ 2022/12/25 00:38 ]
 朝日新聞大阪本社版2022年12月21日付紙面には

 大阪市立(現・大阪府立)桜宮高校バスケットボール部の主将
だった2年生の男子生徒が顧問から暴行を受け、自殺した事件から
23日で10年となる。同市都島区の同校で20日、追悼集会があった。
 全校生徒や教職員ら約900人が出席した。事件を直接知る教員は
異動や退職などで一人もいなくなった。
 1分間の黙禱の後、森口愛太郎校長は「痛ましい事案を決して
風化させてはいけないという、強い決意を確認する場としたいと
思います」などと述べた。
 さらに生徒には「この事案を昔のこと、自分の知らないことと他人事
にするのではなく、自分が選んで入ってきた桜高(さっこう)のこと、
自分の母校でのことと、頭や心の中にとどめておいてください」
と呼びかけた。
 男子生徒は元顧問の男性から繰り返し暴力や暴言を受け、
12年12月23日に自宅で自殺した。暴力が自殺の大きな要因に
なったとして元顧問は懲戒免職となり、13年9月に傷害と暴行の
罪で懲役1年執行猶予3年の有罪判決を受けた。
 事件後、同校は体罰の根絶をめざし、「地域に開かれた学校」
を掲げて地域住民を招いての学校行事を重ねてきた。昨秋からは
市教委による部活動改革の実践研究に協力し、地元の中学生と
スポーツ体験会で交流している。教職員も、怒りの感情を抑える
「アンガーマネジメント」などの研修を毎年受けている。

という記事があります。

 龍野高校との格差に、まさに愕然とします。

 「事件を直接知る教員は異動や退職などで一人もいなくなった」
のは、公立校である以上避けられないことです。
 だからこそ桜宮高校の森口校長は
「痛ましい事案を決して風化させてはいけないという、強い決意を
確認する」こととし、10年前には5歳から8歳だった生徒たちにも
「他人事にするのではなく、自分の母校でのことと、とどめておいて
ください」と訴えたのでしょう。
 その姿勢には頭が下がります。

 一方、龍野高。
 裁判の傍聴に来てくれていた同期生たちは、
「ぼくたちはなにも知らされていない。先生たちは学年集会でも
『彼女の分まで受験をがんばれ』と言っていただけ」
と、石原元秀校長(当時)をはじめとする教員への不信感をあらわに
していました。

 当ブログで繰り返し指摘してきましたが、龍野高の教職員は
リサさんの「不可視化」に全力を挙げてきました。
 彼らの言動には、生徒に対する愛情はみじんも感じられませんし、
不祥事は全力で隠蔽するという、醜悪極まりない姿勢を今日に至る
まで維持しています。
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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