兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

日体大研修会「命・人権について考えるシンポジウム」

[ 2017/11/06 20:49 ]
 日本体育大学スポーツ危機管理学教室は2017年11月3日、
「命・人権について考えるシンポジウム」を同大健志台キャンパスにて開催し、
学内外から約60人が参加しました。

 同日は、「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人・宮脇勝哉氏が講演し、
兵庫県川西市立中ラグビー部の練習中、顧問教諭(当時)の不適切な指導によって
熱中症を発症し、多臓器不全で亡くなった長男・健斗くん(当時13歳)について
「無知と無理が事故を招いた」
と指摘し、健斗くんの命を無駄にしたくないという思いから各方面に働きかけた結果、
「天気予報で『熱中症危険情報』を伝えるようになったことと、文部科学省と
独立行政法人・日本スポーツ振興センターがまとめた『熱中症を予防しよう』
というリーフレットを全国の幼稚園と小中高校、および高専に配布したことは、
息子に褒めてもらえるのではないか、と思っている」
と述べました。

 「『指導死』親の会」共同代表の安達和美氏は、
「生徒指導は、『子どもの権利条約』が規定している『子どもの最善の利益』のために
行われるべきものだが、教師の暴言暴行によってPTSD(心的外傷後ストレス障害)
を発症したり、死に至るケースが多数ある」
とし、
「子どもは間違いながら成長するもの。親も教師も迷い、悩みながら子どもとともに
成長していくのではないか。
 しかし『子どもの権利条約』の理念が、教育現場には全く浸透していない」
と訴えました。

 同会共同代表の大貫隆志氏は、17年3月14日に福井県池田町立中2年生
男子が自死した事件について
「指導死の典型的な事例だ。教師は暴力をふるってはいないが、執拗に暴言を
繰り返したことで生徒を自死に至らしめた。
 本件は人目がある場面で行われていたので、目撃した生徒らから証言が
得られたが、多くの場合は密室で行われるので、学校は事実を隠蔽しやすい」
と指摘しました。
http://digital.asahi.com/articles/ASKBK7L2TKBKUTIL05Z.html

 そのうえで
「生徒指導は教員個々の判断によって、計画性がないまま行われるので、
十分な教育的配慮に基づいた生徒指導教育活動とは乖離したものになる。
 『厳しい指導』とは、大声で生徒を罵倒し人格を傷つけることなのか?
静かな口調で説諭し、納得を得ようとしないのであれば、それは教員の手抜きだ」
と述べました。

 大貫氏の指摘は、日体大が16年12月15日付で発行した
『スポーツ指導者のためのガイドライン』に
「教師が生徒に体罰を加える時、多くの場合理性的な行動としては行われません。
感情に任せてふるわれる暴力は、コントロールが困難となります。
 もしそこでの暴力が原因となって、子どもが心身に深い傷を負ったり、死に
追いやられたりした場合、それでも『信頼関係』の下での『愛のむち』として
許されるのでしょうか」
という記述があることと軌を一にするものです。

 日体大の「学校・部活動における重大事件・事故から学ぶ研修会」、次回は
12月14日17時30分から、同大世田谷キャンパス記念講堂で行われます。
 学外の方は、予約が必要です。
 お問い合わせは日体大総合スポーツ科学研究センター
(03)5706-0931(担当:中嶋・國嶋)まで
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日体大研修会のお知らせ

[ 2017/10/24 16:42 ]
 日本体育大学スポーツ危機管理学教室は2017年11月3日
13時30分から16時30分まで、「命のメッセージ展」共同企画
「日体大 命の授業」を、同大健志台キャンパスにて行います。
http://www.nittai.ac.jp/access/yokohama.html

 当日は「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人・宮脇勝哉氏が
記念講演を行い、「『指導死』親の会」共同代表の大貫隆志氏・安達和美氏
らが登壇しシンポジウム「指導死」を開催します。

 南部さおり・同大准教授は
「本研修会では『安全だと信頼して』大切なわが子を託した学校で、
子どもや大切なきょうだいが傷つけられ、命を落とすという、決して
あってはならない悲しい体験をされた方々にお話を頂きます。
 登壇者の方々の気持ちは一つ。『教員志望の日体生が、将来決して
加害者になることがないように、自分たちのつらい経験を少しでも
役に立てて欲しい』ということです」
とのメッセージを発しています。

 一般の方も参加できますが、事前申込が必要です。
 お問い合わせ・お申込みは、
日本体育大学 総合スポーツ科学研究センター
TEL:03-5706-0931(担当:中嶋・國嶋)まで。

日体大研修会&「指導死」シンポジウム(その3)

[ 2017/10/17 17:35 ]
 日体大研修会では専修大附属高女子バレーボール部、
愛知県立刈谷工高野球部事件の被害者の母親が、それぞれ自らの経験を
語りました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201612-4.html
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201612-3.html

 いずれも桜宮高バスケ部、そして大分県立竹田高剣道部などと同様に、
顧問教諭が部活動という小さな王国に絶対権力者として君臨し、なんの根拠も
ないにもかかわらず「自分は無謬だ」と信じ、自己陶酔状態に陥っていたことで、
生徒を死に追いやったという点で共通しています。
 学校は副顧問教諭を配置していますが、彼らはまったく機能していない、
という点でも一致しています。
 
 これは「指導死」シンポジウムでも同様です。
 運動部のみならず文化部でも、また生活指導に際しても教諭の暴行や暴言、
そして思慮に欠けた言動によって自死にまで追い込まれた高校生3人。
 彼らのきょうだいが登壇し、語った言葉にも悲しみと悔しさが込められていました。

 そのひとりは
「学校での『所属の欲求』を家庭で満たすことはできない。教師の心ない言動に
よって周囲から孤立させられ、友だちや生きがいを奪われては、生きてはいても
殺されたのと同じことだ。
 想像を絶するような絶望感に苛まれたから自死に至ったのに、なぜ子どもの死が
親の責任にされるのか?わからない。
 親やきょうだいにも命を守れなかったほどのひどいことを学校がしているのに、
自死は本人や家族のせいだとして切り捨てていては、同じことが繰り返される」
と涙ながらに訴えました。

 そして絶対権力者である教諭に異議を申し立てられなかったり、事故の現場に
遭遇した同級生らが
「自分に責任がある」
と思い詰めていることも共通しています。
 これは強調しておきますが、保護者らは未成年だった同級生らが責めを負うべき
などとは、まったく思っていません。
 副顧問教諭にさえ制止できない暴走なのですから、生徒らにブレーキがかけられる
はずもなく、彼ら彼女らもまた被害者なのです。


(この項、つづく)

日体大研修会&「指導死」シンポジウム

[ 2017/10/16 08:31 ]
 2017年10月13日には「学校・部活動における重大事件 ・事故から学ぶ研修会」
が日本体育大学世田谷キャンパスで、
同14日にはシンポジウム「『指導死』とその周辺~きょうだいらが語る『指導死』~」
が東京都港区の人権ライブラリーで開催されました。
 この2日間で、部活動の顧問教諭の不適切な指導によって生徒が熱中症を発症し、
重篤な後遺障害が残ったり死亡したりした事案。
 さらに教諭の暴行や暴言などが生徒の尊厳を傷つけ、ついには自死に追いやられた
事案について、被害者家族ら7人が自らの経験を語りました。

 「指導死」シンポジウムには、大阪市立桜宮高バスケットボール部OBの谷豪紀さんが
登壇し、
「生徒手帳には『生徒間の暴力、生徒の教師に対する暴力があれば退学処分とする』
と明記してあるのに、教師の生徒に対する暴力は野放しだった」
と、自らが経験した桜宮高の実態について述べました。
 11年にはバレーボール部顧問の男性教諭が、生徒たちに暴行を繰り返していた
ことを理由に停職3カ月の懲戒処分を受けたことに言及し、
「被害に遭っていた部員のひとりが公益通報したことから、暴行の事実が発覚した。
 しかし校内には勝利至上主義が蔓延していたため、彼の行動は生徒たちからも
非難され、バスケ部顧問の男性教諭の暴行も隠蔽された」
と当時の事情を明らかにし、
「強くなりたい・勝たせてやりたいという生徒や保護者の思いが、教諭の暴行を
容認する土壌を育む要因となり、校長に権限はなかった。また体育科(当時、
現在は人間スポーツ科学科に再編)の生徒には、部活動が必修科目として
カリキュラムに組み込まれていたため、退部すなわち退学なので逃げ場はない。
 連帯責任と称して全員が頭を丸めさせられるなどの理不尽な仕打ちにも、
耐えるしかなかった」
と、高校時代を振り返りました。

 このことが12年12月23日、バスケ部主将だった2年生男子生徒が自死する
に至るという最悪の結果を招いたのは、はなはだ遺憾です。
 谷さんは自死した生徒について
「彼はわたしが3年生のとき入部してきた。中学時代から評判になるほどの実力が
あり、しかも謙虚な人柄で非常に優れた生徒だった」
と評価し、
「彼の死は悲しかったが、『学校のあり方に疑問を感じていたのは自分だけでは
なかった』と確認できたのも事実だ。
 生徒には逃げ場がないのをいいことに、生徒たちの尊厳を踏みにじる教諭がいる。
 こうした問題はひとりで解決できるものではない。多くの人が集まって発信していく
ことが重要だ」
と強調しました。


(この項、つづく)

シンポジウムのお知らせ

[ 2017/09/26 21:13 ]
 2017年10月14日、「エンジェルズアーチ」と「指導死」親の会が、
下記の要領にてそれぞれシンポジウムを開催します。

 エンジェルズアーチは、獨協大学法学部で「法心理学b」の講座を担当している
南部さおり・日本体育大学准教授が、オープン授業として
「重篤事故を防止するために!Vol.4~知っておくべき最新応急手当~」
を、獨協大学東棟E-202教室にて開催します。
 埼玉県草加市学園町1-1
 東武スカイツリーライン獨協大学前<草加松原>駅西口
http://www.dokkyo.ac.jp/daigaku/a02_02_j.html

 開場10時30分、開講10時45分。
 資料代500円。
 講師は兵庫県川西市立川西中ラグビー部事故で1年生だった長男を亡くした
宮脇勝哉さん。
 大分県立竹田高剣道部事故で2年生だった長男を亡くした工藤奈美さん。
 NPO法人・スポーツセーフティージャパン代表理事で、米国公認アスレティック
トレーナー(ATC)の佐保豊氏です。

 事前のお申し込みが必要です。
 お名前、所属先、連絡先、授業終了後の懇親会に参加するか否かを明記して
 netu.jikobousi@gmail.com(担当:宮脇)までご連絡ください。


 「指導死」親の会は、13時00分から「指導死」シンポジウム7
「『指導死』とその周辺~きょうだいらが語る『指導死』~」を
人権ライブラリー(公益財団法人・人権教育啓発推進センター)にて開催します。
 東京都港区芝大門2-10-12 KDX芝大門ビル4階
 JR浜松町駅、都営三田線芝公園駅、都営浅草線・大江戸線大門駅
 http://www.jinken.or.jp/houjingaiyou/access

 資料代800円。
 同会は
「今回のシンポジウムでは、『指導死』できょうだいを失った複数の当事者の発言を
中心に、『指導死』そのものや、学校の事後対応、自らの学校生活やその後の
生き方など、『指導死』がもたらした様々な影響を、きょうだいならではの視点を含め、
これまでとは少し違った角度から考えていきたいと思います」
としています。
 大阪市立桜宮高バスケットボール部の元部員も登壇します。

 同会によると、「席に限りがありますので、事前のお申し込みをおすすめします」
とのことです。
 メールで4104@2nd-gate.com、またはFAXで03-6804-2926まで。
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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