兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

隠蔽と捏造(その18)

[ 2013/12/07 09:32 ]
 2011年6月、愛知県立刈谷工高2年生だった山田恭平さんが
野球部監督の日常的な暴力に嫌気がさして退部を申し出たものの認められず、
監督からの呼び出しを受けた2日後に自殺するという事件が発生しました。

 愛知県教育委員会が第三者委員会を設置しましたが、その運営には問題が
多かったこと。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201208.html
 その後、保護者が大村秀章・愛知県知事と面談した結果、知事部局に
調査委が設置されたこと
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201301-5.html
は、当ブログでも既報のとおりです。

 そして今回、愛知県教委のなりふりかまわぬ隠蔽工作の一端をうかがわせる
「保護者との想定問答集」の記載内容が明らかになりました。

 たとえば保護者から、刈谷工高の野球部監督(当時)が
「部員に対してたたく、蹴る、正座させる、バットで小突くなどの体罰的指導を
日常的に繰り返していたという証言があるにもかかわらず、なぜ処分されないのか」
という質問があった場合、県教委職員は
「指導する側、される側の体罰に対するとらえ方は個人によって異なる。
 双方の受け止め方等を勘案して、非違行為となるか学校長が判断する」
と回答するよう、明記されています。

 恭平さんの母・優美子さんは、
「生徒が教師に殴られようが蹴られようが、校長が『体罰ではない、暴力行為ではない』
と判断しさえすれば、それは正当な指導というのが愛知県教委の見解だ。
 とても容認できない」
と厳しく批判しています。

 これ以外にも想定問答集には、
「公文書開示請求については存否応答拒否。自己開示請求については
『親というだけでは法定代理人になりえないため、できない』と答えること」
との記載がありました。
 もちろんこうした説明は事実ではなく、山田さんは
「愛知県庁で、親なら開示請求は問題なくできることを確認した」のですが、
「県教委職員に虚偽の説明を信じこまされたため、数カ月を空費」することを
余儀なくされました。

 このように愛知県職員が県民のために働いているのではなく、県民を欺くために
工作している実態が明らかになりました。
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第三者機関のあり方について(その12)

[ 2013/10/12 08:28 ]
 2013年10月7日付中日新聞は「学校での事故・事件『第三者調査委』」
と題した住友剛・京都精華大准教授へのインタビュー記事を掲載しています。

 このなかで住友氏は、第三者調査委員会の役割について
「かつての日常に戻るための事後対応ではなく、悲しい事件事故をふまえて
誰もが再出発する機会にしなければならない」とし、学校・教委と被害者・家族の
双方が、第三者委を設置する際のルールづくりから合意することが重要だと
指摘しています。
 それは
「第三者委の設置運営に関して、当事者間の合意が得られていない」
という現状があるからです。

 その典型的な事例として愛知県の対応があげられます。
 くわしくは当ブログ12年8月31日付「第三者機関のあり方について(その3)」
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201208.html
をご参照ください。

 13年8月30日付読売新聞愛知版は、

 11年6月に県立刈谷工業高校2年の山田恭平さん(当時16歳)が自殺した
問題で、県の有識者委員会(委員長・加藤幸雄日本福祉大名誉教授)は29日、
調査の中間報告をまとめ、遺族側に文書で示した。
 自殺の原因に関し、記者会見した加藤委員長は「野球部顧問による別の部員
への体罰や、本人への叱責が大きな打撃を与えた」との見解を示した。
 会見の中で、加藤委員長は山田さんが肩のけがや部活の雰囲気についていけない
ことなどで悩み、うつ状態に陥っていた可能性が高いと指摘。
(中略)
 委員会は遺族の要望で今年4月に設置され、野球部顧問や担任、同級生らの
聞き取り調査を行ってきた。今後、学校や県教委が当時適切に対応したかどうか
などを検証し、来年1月をメドに再発防止策を盛り込んだ最終報告を取りまとめる。

と報じています。

 これは恭平さんの母・優美子さんが13年1月23日、大村秀章・愛知県知事と
面談し、県教委が設置した第三者委の問題点を訴えた成果です。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201301-5.html

 優美子さんは中日新聞の取材に対し、
「調査委は亡くなった子の声なき声を聞く専門家集団であってほしい。行政や
学校の都合を聞きながら進めるのではなく、亡くなった子と対話する気持ちが
何より大切だと思う」と述べています。
 住友氏は上記インタビューで、
「前の委員会は委員名を匿名にするなど論外だった」と、愛知県教委の対応を
厳しく批判しています。

(この項、つづく)
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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