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兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

全国学校事故・事件を語る会、文科省に申し入れ

[ 2019/12/18 10:17 ]
 「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、内海千春氏と宮脇勝哉氏は
2019年12月12日、文部科学省を訪問し、萩生田光一文科相にあてた
要望書を提出しました。
https://katarukai.jimdo.com/

 文科省は16年3月、「学校事故対応に関する指針」を発表していますが、
担当者は
「十数件の報告書に目を通しているが、出来不出来にばらつきがある。
これは文科省がひな形を提示しておらず、現場任せになっていることも
要因であり、事実がつまびらかになっていないことも否めない」
との現状認識を示しました。
https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1419593.htm

 これに対して内海氏は
「この状況で被害者や遺族の理解を得ることは困難」
とし、いじめ問題などでは事後対応の一環として加害生徒らに対する
指導も欠かせない、との認識を明らかにしたうえで、
「本来は学校が教育目的に沿って調査して事実関係を解明し、
説明責任を果たすべきなのに、調査委員会を設置して丸投げすることが
常態化し、教員の当事者意識が希薄化している。
 責任の所在を明確化することや補償問題は二の次であり、
行政が担当することだ。
 学校にできることは教育だけだし、学校は信頼されなければならない。
 そのためには事後対応を可視化することだ」
と述べました。

 宮脇氏は
「教育の目的は人格の完成なのに、人格を確立する前に命を奪われ、
重篤な後遺障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ
というようなことは、あってはならないこと。
 教員や教育行政に携わる関係者は、大いに反省しなければならない」
と述べ、不幸にして発生してしまった過去の事案を教訓として活かすよう、
あらためて要望しました。
 「指針では基本調査を3日間程度で行うとしているが、基本調査は
最も大事なことであり、3日では足りない。
 被害者・遺族と情報を共有して対話を進めるためのベースとする
ためにも、1週間は必要だ」
との見解を明らかにしました。
 そのうえで、被害者・遺族の救済という観点から、彼らが自らの体験を
日本体育大学スポーツ危機管理研究所が主催している研修会など、
全国各地の大学で教職課程を履修している学生たちに講義している例や、
教員や行政を対象に講演している例を挙げ、
「当事者が『自ら動いた』という実感を持つことも、救済につながる」
として、文科省にも協力を要請するとともに
「幼・小・中・高だけでなく、保育所・専門学校・専修学校・大学・大学院
などでも同様の事故・事件が発生していることを理解してほしい」
と要望しました。
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全国学校事故・事件を語る会、文科省に要望書を提出

[ 2018/12/09 08:49 ]
 2018年12月7日、「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、
内海千春氏と宮脇勝哉氏は文部科学省を訪問し、柴山昌彦文科相宛に、
「被害者救済の観点に立った学校事故・事件の事後対応の充実について(要望)」
を提出しました。
 要望書の全文は、同会ホームページをご参照ください。
https://katarukai.jimdo.com/

 両氏と約1時間にわたって面談した、安彦広斉・総合教育政策局
安全教育推進室長は、冒頭
「(16年3月に同省が公表した『学校事故対応に関する指針』などの)
指針は指針として、どう対応していくか、どう施策に生かせるか、
検討していきたい」
と述べ、同会からの要望を教育現場に反映していく意向を示しました。

 宮脇氏は、学校事故・事件の事後対応について
「被害者がほったらかしにされている」
との現状認識を示したうえで
「たとえばインフルエンザが流行すれば、1週間程度学年閉鎖する。
 生徒が死亡し、あるいは重篤な後遺障害が残るような事故・事件が
発生したら、同様に授業を休んで生徒や教員に事情聴取して結果を
とりまとめ、被害者と家族に対して説明責任を果たすのはあたりまえ」
と述べました。

 内海氏は
「昨年も同様の申し入れをしたが、教育現場には周知徹底されていない」
とし、全国各地で設置されている調査委員会についても
「被害者や家族の心情を理解することで信頼関係は構築されるのではない。
問いに対して答えること、情報を開示することでしか信頼関係は担保されない」
と指摘しました。
 また
「生徒が自死したら、教員は『えーっ!』と驚くのではなく、『あっ』と呟く。
これはなにか思い当たる節があるからだ。
 にもかかわらず学校は事態の沈静化をもくろみ、賠償や処分といった
問題を回避することが至上命令となり、そのために事実を隠蔽する。
 事実解明は対話による解決を実現するために、学校と被害者・家族との
間に信頼関係を醸成するための手段だ」
と述べたうえで、
「教員は日常起きている様々な事案を捉えて生徒らを指導している。
 しかし重大事案が発生したら『なかったこと』にしてしまおうとする。
 だから、いじめ自殺事件が発生しても加害生徒らを指導せず、
反省も促さない。
 これでは日常の指導との整合性がとれないし、いつまでも同じことが
繰り返される」
と強調しました。
 これは部活動や生徒指導において、教員が生徒らに暴行を加え
暴言を吐いたとしても、周囲の教員たちが見て見ぬふりをしていることと
同じ構図です。

全国学校事故・事件を語る会、文科省に要望書を提出

[ 2017/12/10 07:58 ]
 「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、内海千春氏と宮脇勝哉氏は
2017年12月8日文部科学省を訪れ、林芳正・文科相あてに
「被害者救済の観点に立った学校事故・事件の事後対応の充実について(要望)」
を提出しました。
 この要望書の全文は同会ホームページで参照できます。
https://katarukai.jimdo.com/

 同日は文科省およびスポーツ庁から、三谷卓也・初等中等教育局
健康教育・食育課長ら5人が出席し、14時00分から15時28分まで
当初の予定を約30分上回り、両氏と意見を交換しました。

 内海氏は記者会見で、文科省が16年3月31日付で発表した
「学校事故対応に関する指針」について、
「三谷氏は、自身が策定に関わった経緯もあり、その趣旨を十分に理解している
との認識を示したが、きょう提出した要望書のなかで、被害者や家族らが
『現場で徹底されていない』と指摘していることを受けて、『愕然とした。速やかに
周知徹底する』と明言した」
と述べました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1369565.htm

 そのうえで第三者委について、
「委員には弁護士や研究者が任命されることが多いが、彼らは現場を知っている
わけではない。教員にとっては、報告書の記載内容は机上の空論に過ぎず、
反発を招くものでしかない」
とし、自身が中学校教員だった経験に基づき
「教員は上からの指示に従順だ。管理職を通じて箝口令が敷かれ、第三者委に
一任せよと指示されれば、被害者や家族とも一切関わろうとしない。このため
教員が傍観者となって、思考停止してしまっている。
 教員間で議論し、当事者意識をもって思考しなければ、解決は望むべくもない」
「教員の調査能力を過小評価すべきではない。調査できないのではなく、
『重大事案』という言葉に狼狽し、怖くてやれないのが実情だ」
と述べました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201708-1.html

 さらに
「情報を持っていて、しかも開示しないのが学校だ。指針を順守すれば、過去に
調査しないまま放置してきた事案との整合性がとれない。被害者や家族から
『過去の問題についても調査せよ』と要求されるのではないか、とおびえている
から早急な方針転換ができないでいる」
と指摘し、意識改革が必要との認識を示しました。

 宮脇氏は、
「文科省に対しては10年以上前から要望を続けているが、当初は学校事故・事件
の全容を解明するために第三者委員会を設置してほしい、という内容だった。
 最近はこれが当たり前のことになってきている。時間はかかっているが、少しずつ
『語る会』の声が届いている、との手ごたえは感じている。
 しかし被害者が声をあげなければ行政は動かない、という状況に変化はない」
と指摘し、
「要望書には、文科省の見解を今年度中に文書で示してほしいと記載しているが、
この点について三谷氏らから明確な回答は得られなかった」
とのことです。

全国学校事故・事件を語る会、文科省に要望書を提出

[ 2016/11/21 08:04 ]
 2016年11月18日、「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、
内海千春氏と宮脇勝哉氏が文部科学省を訪れ、担当者と50分あまりに
わたって面談したうえで「学校事故対応に関する要望書」を提出しました。
 これは同省が有識者会議の検討を経て、16年3月に発表した
「学校事故対応に関する指針」を改訂することを求めるものです。

 具体的には、
1.学校事故対応の基本理念を明示すること
2.保護者の知る権利などへの支援を具体的に明示すること
3.コーディネーターの選任基準等に関する指針を規定すること
 そして上記指針では適用対象外となっている自殺事案についても、
同様に対象とすることを求めています。

 上記1.については、実は有識者会議で
「学校は預かっている子どもたちを元気なまま家庭に帰すのが、
最低限にして最大の役割、という文言を盛り込むべき」
といった意見が出されましたが、上記「指針」には反映されていません。
 「語る会」としては、有識者会議での議論が指針に生かされなかった
ことを遺憾として、あらためて申し入れたかたちになっています。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201603-7.html

 上記2.については
「事故・事件に関して学校関係者らが知りえたすべての情報を、
被害児童生徒や保護者が知ることができる」体制を構築するよう
求めています。
 これは教職員らが周囲の生徒らから聞き取り調査を行った際、
自分たちにとって「都合の悪い情報」を開示しない隠蔽工作を阻止すること。
 さらに「被害児童生徒本人や家庭に原因がある」という風説を流布し、
被害者と保護者を周囲から孤立させるという、いわゆる「二次被害」を
未然に防止することを具現化するための措置を講じるよう求めるものです。

 上記3.については、「語る会」の内海氏・宮脇氏らは有識者会議の
ヒアリングに際し、
「コーディネーター制度を導入する際は、複数の専門家からなるチーム」
として導入するよう求めていましたが、上記「指針」はこうした制度設計に
関する理念を明記していません。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201511-2.html
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201603-2.html

 「語る会」は、コーディネーターとして教育学者や精神科医など「専門家」
個人が指名されて学校側が提供した情報にのみ依拠した報告書を作成し、
そのお墨付きを得た学校と設置者が自らの主張を裏付けるものとして
事態の沈静化を図る、という従来のシナリオをさらに巧妙に行うためのツール
として悪用されることを強く危惧しています。
 しかし上記「指針」には、中立性・公正性・透明性を担保するための仕組みが
明示されていないため、この点について再度申し入れたものです。


 宮脇氏によると、文科省の担当者は「指針」について
「周知徹底に取り組みつつ、情報収集に努めている。『語る会』とは意識を
共有している」
と明言したとのことです。

 内海氏は記者会見で
「文科省が示した指針は不備であり改訂が必要だ。しかし一度に解決できる
とは思わない。粘り強く働きかけていくしかない」
としたうえで、
「学校事故・事件に関する調査報告書はすべて文科省に提出して情報を
一元管理し、そのうえで内容を公表して共有することが不可欠だ」
と述べました。

第7回「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議(その2)

[ 2016/03/27 19:51 ]
 指針は
「コーディネーターは事故対応の知見を有する都道府県又は市区町村の職員が
想定される。また、地域の実情によっては、学校の設置者が事故対応に精通した
学識経験者(大学教授・元教員その他これに準ずる者)にコーディネーターを
委嘱する等も考えられる」
としていますが、これは文科省が第6回有識者会議に提示した指針案となんら
変わるところはありません。

 これは「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人・宮脇勝哉氏が語っていた
「文科省が見本を示し、都道府県はそれに倣う」
という構想とは正反対の、自治体に丸投げする内容にとどまっており、
「文科省自身が新たな制度設計をすることに期待を寄せている」
という宮脇氏の願いが実現できたとは到底言えないものです。

 同会の内海千春氏は、文科省が第6回有識者会議に提示した指針案について
コーディネーター制度を形式的に導入し、実質的に骨抜きにすることで
「より巧妙に事実を隠蔽し、事態の沈静化を図ろうとする動きを助長するのではないか」
という危惧を表明していましたが、これが杞憂に終わるとの確信が得られるものには
なっていません。
 そして、住友剛委員(京都精華大教授)が指摘していた、コーディネーターに
求められる資質についても、コーディネーターの育成方法についても、一切言及して
いません。

 桐淵博委員(埼玉大教授、前さいたま市教育長)の
「名古屋市立向陽高柔道部事故後の学校と市教委の対応を、モデル事例として指針に
盛り込むべきだ」
という提案も見送られました。
 まさに見切り発車というしかない状況です。

 第7回有識者会議では、渡辺正樹座長(東京学芸大教授)が
「今回の指針が完璧なものとは考えていない。現場の声を聴きながらよりよいものに
していきたい」
と述べたのも、時間が限られたなかで今年度中に有識者会議としての結論を出さざるを
得ないという状況にあって、渡辺座長自身が宮脇氏・内海氏らと同様の不安感を抱えて
いることのあらわれではないか、と推察されます。
 指針の実施状況については、今後も引き続き注視していく必要があります。

 それでも文科省が重い腰を上げて理念を打ち出したことは一歩前進、です。
 なぜなら16年3月25日付朝日新聞社説が指摘しているとおり、

 学校での事件や事故をめぐっては、家族と学校の対立の構図が繰り返されてきた。
 保護者から責任を追及されたくないと、経緯をなかなか明らかにしない学校。
 事実がわからず学校に不信をつのらせ、裁判に訴えるしか手のない家族。

という現実に鑑みれば、学校管理下で発生した事故・事件について、学校が調査する
ことを義務づけたことは評価すべきでしょう。


(この項、つづく)
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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