兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

全国学校事故・事件を語る会、文科省に要望書を提出

[ 2017/12/10 07:58 ]
 「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、内海千春氏と宮脇勝哉氏は
2017年12月8日文部科学省を訪れ、林芳正・文科相あてに
「被害者救済の観点に立った学校事故・事件の事後対応の充実について(要望)」
を提出しました。
 この要望書の全文は同会ホームページで参照できます。
https://katarukai.jimdo.com/

 同日は文科省およびスポーツ庁から、三谷卓也・初等中等教育局
健康教育・食育課長ら5人が出席し、14時00分から15時28分まで
当初の予定を約30分上回り、両氏と意見を交換しました。

 内海氏は記者会見で、文科省が16年3月31日付で発表した
「学校事故対応に関する指針」について、
「三谷氏は、自身が策定に関わった経緯もあり、その趣旨を十分に理解している
との認識を示したが、きょう提出した要望書のなかで、被害者や家族らが
『現場で徹底されていない』と指摘していることを受けて、『愕然とした。速やかに
周知徹底する』と明言した」
と述べました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1369565.htm

 そのうえで第三者委について、
「委員には弁護士や研究者が任命されることが多いが、彼らは現場を知っている
わけではない。教員にとっては、報告書の記載内容は机上の空論に過ぎず、
反発を招くものでしかない」
とし、自身が中学校教員だった経験に基づき
「教員は上からの指示に従順だ。管理職を通じて箝口令が敷かれ、第三者委に
一任せよと指示されれば、被害者や家族とも一切関わろうとしない。このため
教員が傍観者となって、思考停止してしまっている。
 教員間で議論し、当事者意識をもって思考しなければ、解決は望むべくもない」
「教員の調査能力を過小評価すべきではない。調査できないのではなく、
『重大事案』という言葉に狼狽し、怖くてやれないのが実情だ」
と述べました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201708-1.html

 さらに
「情報を持っていて、しかも開示しないのが学校だ。指針を順守すれば、過去に
調査しないまま放置してきた事案との整合性がとれない。被害者や家族から
『過去の問題についても調査せよ』と要求されるのではないか、とおびえている
から早急な方針転換ができないでいる」
と指摘し、意識改革が必要との認識を示しました。

 宮脇氏は、
「文科省に対しては10年以上前から要望を続けているが、当初は学校事故・事件
の全容を解明するために第三者委員会を設置してほしい、という内容だった。
 最近はこれが当たり前のことになってきている。時間はかかっているが、少しずつ
『語る会』の声が届いている、との手ごたえは感じている。
 しかし被害者が声をあげなければ行政は動かない、という状況に変化はない」
と指摘し、
「要望書には、文科省の見解を今年度中に文書で示してほしいと記載しているが、
この点について三谷氏らから明確な回答は得られなかった」
とのことです。
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全国学校事故・事件を語る会、文科省に要望書を提出

[ 2016/11/21 08:04 ]
 2016年11月18日、「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、
内海千春氏と宮脇勝哉氏が文部科学省を訪れ、担当者と50分あまりに
わたって面談したうえで「学校事故対応に関する要望書」を提出しました。
 これは同省が有識者会議の検討を経て、16年3月に発表した
「学校事故対応に関する指針」を改訂することを求めるものです。

 具体的には、
1.学校事故対応の基本理念を明示すること
2.保護者の知る権利などへの支援を具体的に明示すること
3.コーディネーターの選任基準等に関する指針を規定すること
 そして上記指針では適用対象外となっている自殺事案についても、
同様に対象とすることを求めています。

 上記1.については、実は有識者会議で
「学校は預かっている子どもたちを元気なまま家庭に帰すのが、
最低限にして最大の役割、という文言を盛り込むべき」
といった意見が出されましたが、上記「指針」には反映されていません。
 「語る会」としては、有識者会議での議論が指針に生かされなかった
ことを遺憾として、あらためて申し入れたかたちになっています。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201603-7.html

 上記2.については
「事故・事件に関して学校関係者らが知りえたすべての情報を、
被害児童生徒や保護者が知ることができる」体制を構築するよう
求めています。
 これは教職員らが周囲の生徒らから聞き取り調査を行った際、
自分たちにとって「都合の悪い情報」を開示しない隠蔽工作を阻止すること。
 さらに「被害児童生徒本人や家庭に原因がある」という風説を流布し、
被害者と保護者を周囲から孤立させるという、いわゆる「二次被害」を
未然に防止することを具現化するための措置を講じるよう求めるものです。

 上記3.については、「語る会」の内海氏・宮脇氏らは有識者会議の
ヒアリングに際し、
「コーディネーター制度を導入する際は、複数の専門家からなるチーム」
として導入するよう求めていましたが、上記「指針」はこうした制度設計に
関する理念を明記していません。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201511-2.html
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201603-2.html

 「語る会」は、コーディネーターとして教育学者や精神科医など「専門家」
個人が指名されて学校側が提供した情報にのみ依拠した報告書を作成し、
そのお墨付きを得た学校と設置者が自らの主張を裏付けるものとして
事態の沈静化を図る、という従来のシナリオをさらに巧妙に行うためのツール
として悪用されることを強く危惧しています。
 しかし上記「指針」には、中立性・公正性・透明性を担保するための仕組みが
明示されていないため、この点について再度申し入れたものです。


 宮脇氏によると、文科省の担当者は「指針」について
「周知徹底に取り組みつつ、情報収集に努めている。『語る会』とは意識を
共有している」
と明言したとのことです。

 内海氏は記者会見で
「文科省が示した指針は不備であり改訂が必要だ。しかし一度に解決できる
とは思わない。粘り強く働きかけていくしかない」
としたうえで、
「学校事故・事件に関する調査報告書はすべて文科省に提出して情報を
一元管理し、そのうえで内容を公表して共有することが不可欠だ」
と述べました。

第7回「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議(その2)

[ 2016/03/27 19:51 ]
 指針は
「コーディネーターは事故対応の知見を有する都道府県又は市区町村の職員が
想定される。また、地域の実情によっては、学校の設置者が事故対応に精通した
学識経験者(大学教授・元教員その他これに準ずる者)にコーディネーターを
委嘱する等も考えられる」
としていますが、これは文科省が第6回有識者会議に提示した指針案となんら
変わるところはありません。

 これは「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人・宮脇勝哉氏が語っていた
「文科省が見本を示し、都道府県はそれに倣う」
という構想とは正反対の、自治体に丸投げする内容にとどまっており、
「文科省自身が新たな制度設計をすることに期待を寄せている」
という宮脇氏の願いが実現できたとは到底言えないものです。

 同会の内海千春氏は、文科省が第6回有識者会議に提示した指針案について
コーディネーター制度を形式的に導入し、実質的に骨抜きにすることで
「より巧妙に事実を隠蔽し、事態の沈静化を図ろうとする動きを助長するのではないか」
という危惧を表明していましたが、これが杞憂に終わるとの確信が得られるものには
なっていません。
 そして、住友剛委員(京都精華大教授)が指摘していた、コーディネーターに
求められる資質についても、コーディネーターの育成方法についても、一切言及して
いません。

 桐淵博委員(埼玉大教授、前さいたま市教育長)の
「名古屋市立向陽高柔道部事故後の学校と市教委の対応を、モデル事例として指針に
盛り込むべきだ」
という提案も見送られました。
 まさに見切り発車というしかない状況です。

 第7回有識者会議では、渡辺正樹座長(東京学芸大教授)が
「今回の指針が完璧なものとは考えていない。現場の声を聴きながらよりよいものに
していきたい」
と述べたのも、時間が限られたなかで今年度中に有識者会議としての結論を出さざるを
得ないという状況にあって、渡辺座長自身が宮脇氏・内海氏らと同様の不安感を抱えて
いることのあらわれではないか、と推察されます。
 指針の実施状況については、今後も引き続き注視していく必要があります。

 それでも文科省が重い腰を上げて理念を打ち出したことは一歩前進、です。
 なぜなら16年3月25日付朝日新聞社説が指摘しているとおり、

 学校での事件や事故をめぐっては、家族と学校の対立の構図が繰り返されてきた。
 保護者から責任を追及されたくないと、経緯をなかなか明らかにしない学校。
 事実がわからず学校に不信をつのらせ、裁判に訴えるしか手のない家族。

という現実に鑑みれば、学校管理下で発生した事故・事件について、学校が調査する
ことを義務づけたことは評価すべきでしょう。


(この項、つづく)

第7回「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議

[ 2016/03/23 19:02 ]
 2016年3月22日、東京都内で第7回「学校事故対応に関する調査研究」
有識者会議が開催され、学校管理下で発生した事故・事件の事後対応に
ついての指針案を了承しました。

 これについて16年3月23日付朝日新聞は、指針の主なポイントとして

【発生後の調査】
・死亡などでは3日以内に全教職員から聞き取り
・1週間以内に保護者に最初の説明
・保護者の要望がある場合、教育委員会などが調査委員会を立ち上げ
【再発防止】
・国は事故情報の報告を受けて蓄積、周知
【保護者への支援】
・遺族と学校をつなぐ「コーディネーター」を派遣

と伝えています。

 第7回有識者会議では、大泉常長委員(青森中央学院大准教授)が
「事故・事件の被害者家族らに対するヒアリングを通じて、危機管理の重要性を
再認識した。最悪の事態を意識し、これに備える教訓となるよう発信していくのが
国の課題だ」
と強調しました。

 これに対して、小松親次郎・文部科学省初等中等教育局長は
「新年度から教職員や教育行政の会議や研修に指針を配布して説明し、議論の
材料にするよう取り組む。文科省だけでできることではないので、有識者会議の
各委員には引き続き協力してほしい」
と述べ、和田勝行・同局健康教育・食育課長も
「指針について周知徹底し、研修などを通じて教育現場の認識を深めていくことを
約束する」
と述べました。

 大阪教育大附属池田小事件の被害者遺族である酒井智恵委員は、有識者会議
終了後、取材に応じ
「子どものいのちは事件の前も、事件のあとも大切にされるべきもの。これを踏まえて
尊厳を守るべきだ。家族に対しては一方的に思いこむのではなく、相手を慮って対応
してほしい」
と要望しました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201601-3.html

 桐淵博委員(埼玉大教授、前さいたま市教育長)は、14年度から同大で
「子どものいのちと学校事故防止」という授業を担当していることを明らかにし、
「今年度は132名の学生が受講している。学生の関心も高いが、あくまで選択科目だ。
 すべての大学の教員養成課程で必修化すべきだ」
「教員を目指す学生にとって、技術だけではなくマインドが大事だ。(さいたま市教委が
ASUKAモデルを導入するきっかけとなった)桐田明日香さんの母と、いっしょに授業を
行っている」
と述べ、大学教育における教職課程改革の必要性にも言及しました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201510-3.html

 これについて、住友剛委員(京都精華大教授)は
「中央教育審議会でも教職課程改革を検討しているが、実施にはまだ時間がかかる。
 また改革したとして、各大学でこうした講座を担当する教員をいかに育成し確保するか
という課題もあるし、現職の小中高校教諭らに対してどのような研修を行うのか、という
課題もある。いずれにせよ、長期にわたる取り組みが必要となる」
と指摘しています。


(この項、つづく)

第6回「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議(その4)

[ 2016/03/07 21:25 ]
 住友剛委員(京都精華大教授)は、16年3月2日の有識者会議終了後の
取材に対し、
「コーディネーター制度を導入するにあたっては、子どもの権利条約が掲げる
『子どもの最善の利益の実現』や、『当事者間の対話促進・合意形成の重視』
などの基本原則を掲げておく必要がある。
 一方は学校や教育行政、もう一方は被害者側という、利害が対立する
関係者間において、基本原則への信頼性を共有できていない状況では、
コーディネーターが両者の関係を調整することは難しい」
とし、コーディネーターには
「さまざまな立場の人々から、それぞれの話をできるだけ丁寧に聴くことと
同時に、同じ趣旨の話を丁寧に説明すること。
 また、『伝えた内容に誤りがあればすぐに修正する』といった、公平性の
確保が不可欠だ」
との認識を示しました。

 そのうえで、
「コーディネーターは関係者から一定の独立性を保持して、自らの見識に
従って論点整理を行い、課題解決に向けて誰がどのように動くべきか。
 その方向性を示す必要がある。
 さまざまな人の話を聴いて、その内容によって右往左往するような人、
さまざまな立場の人から話を聴いて自ら方針を立てることができない人は、
コーディネーターには向かない」
と述べました。

 そしてコーディネーターには、
「丁寧に話を聴き取り、課題を整理し記録することができるセンスとスキルが
求められる。
 そのためにも、たとえば自治体職員でコーディネーター候補にあたるような
人は、できるだけ早く学校事故・事件の被害者団体に日常的に出入りさせて、
『自分たちが見てきた学校や教育行政の姿とは全く異なる姿が当事者には
見えている』ということを、まず理解させる必要がある。
 一方、学校事故・事件の被害者団体等で支援にあたっていた人には、
日常的に学校や教育行政にかかわらせて、『被害者側からは見えていない
学校や教育行政の姿がある』ことを、まずは理解させる必要がある」
として、多角的な視野と専門性の高い知識と技術を身につけた人材の
育成を急ぐ必要がある、との見方を示しています。

 指針は、次回3月22日の有識者会議で取りまとめられる予定です。
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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