兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

竹田高剣道部事件、両親が最高検に不服申し立て

[ 2018/03/16 20:06 ]
 2018年3月15日、大分県立竹田高剣道部事件で死亡した工藤剣太さんの
両親が最高検察庁を訪れ、不服申し立てを提出しました。
 これは福岡高検が不服申し立てを却下したことを受けて、同部顧問だった
坂本忠文・元教諭を立件すべく、再捜査するよう求めたものです。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201802.html

 両親は福岡高検が、剣太さんが緊急搬送された豊後大野市民病院の処置に
問題があったことを、申し立てを却下した理由のひとつとして挙げていることに言及し
「病院での処置も、もちろん問題はありました。それは一審判決でも、その過失は
認められています。
 しかし、ここまでの状態にしたのは元顧問であり、その場でただ一人助けられる
大人がいたのに見殺しにした元副顧問・和田(浩史郎教諭)です」
「暴行を加え瀕死の息子を救命することも遅らせ死に至らしめたのは教員です。
 どうして、こんな酷い教員を野放しにしているのかわかりません」
と訴えています。

 父親の英士さんは
「学校事故については、必ずしも積極的な捜査が行われていないように思う。
 剣太は帰ってこないが、これからの子どもたちの命がかかっているので、
しっかり捜査してほしい」
とし、母親の奈美さんは
「最高検が別室を用意していて、担当官がわたしたちの話を聞いてくれたことは
うれしかった。適時に適切な処置をしていたら、剣太の死は絶対に防げたものだ
と思っている」
と述べました。
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竹田高剣道部事件、福岡高検は不服申し立てを却下

[ 2018/02/22 18:41 ]
 2018年2月20日、NHK大分放送局は

 09年8月、大分県立竹田高剣道部の練習中に2年生だった工藤剣太さんが
熱中症で倒れて亡くなった事故で、剣太さんの両親が福岡高検に不服を
申し立てていましたが、申し立ては認められませんでした。
 当時の顧問と副顧問の2人の教諭が業務上過失致死の疑いで書類送検
されましたが、大分地検は12年、2人を不起訴処分としました。その後、
大分検察審査会が「不起訴不当」とする議決をしましたが、大分地検は14年に
再度、不起訴と判断しました。
 これに対し両親は17年5月、福岡高検に不服申し立てを行っていましたが、
18年2月16日付で「申し立ては認められない」と判断したということです。
 20日、福岡高検を訪れ今回の判断が伝えられた工藤剣太さんの両親は、
来月にも最高検察庁に不服を申し立てるということです。
 母親の工藤奈美さんは
「これから先、学校で傷つく子どもたちが減るように大切な命を守っていくために、
来年の時効まで、あきらめずに声をあげ続けていきたい」
と話していました。

と報じました。

 「工藤剣太さんが剣道の部活動中に熱中症で倒れて亡くなった」
のは、顧問教諭だった坂本忠文氏が猛暑の中、休憩も給水もさせずに
過剰な負荷をかけた練習を強要し、意識混濁など明らかに熱中症と
推定できる状況だったにもかかわらず
「これは熱中症じゃない。演技だ」
と誤った判断をし、剣太さんに対して殴る蹴るの暴行を繰り返したことが
原因です。
 そして副顧問教諭だった和田浩史郎氏が現場にいて、坂本元教諭の
剣太さんに対する暴行の一部始終を目撃していたにもかかわらず、
坂本元教諭を制止しなかった責任も問われてしかるべきです。

 顧問教諭と副顧問教諭が、学校管理下で行われる部活動の練習中に
当然負うべき注意義務と安全配慮義務を十分に果たしていたにもかかわらず、
まさに不可抗力としか言いようのない事故が発生した、というわけではありません。
 暴力を指導の一環として正当化していた坂本元教諭と、これを看過していた
和田教諭の無為無策が招いたものであり、事故というよりは事件と呼ぶべき
事案です。
 坂本元教諭は、明らかに「暴行および傷害致死の疑い」で起訴されて
しかるべきです。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201710-8.html

 最高検が本事案の背後にある問題点に着目し、生徒たちの権利を守るためにも、
両親の申し立てに耳を傾けるよう期待するところです。

愛媛県と栃木県の私立高、部活顧問教諭の暴行が発覚

[ 2018/01/19 07:42 ]
 2018年1月18日付朝日新聞は

 松山市藤原町の私立聖カタリナ学園高校で、女子ソフトボール部監督の
男性教諭(30)が2年生の女子部員4人に体罰を繰り返し、うち1人に
セクハラ発言もしていたことがわかった。
 同校が17日夜に会見を開き、同日、事実関係を県に報告したと明らかにした。
うち2人は現在も登校できていないという。
 同校によると、昨年4月から監督に就いた教諭は同7月ごろから、部員4人に
対し、手のひらや拳で殴ったり、バント練習時に打撃マシンの球を素手で
受けさせたりした。
 また、1人には「彼女にしてやろうか」「女子なんだからむだ毛は剃らないと」
などと発言したという。「部活に来ないなら奨学金を受ける資格はない」
「お前たちでは勝てない。退部届を出せ」とも言ったという。
 先月15日に保護者から報告があって同校は把握。教諭は事実関係をほぼ認め、
部員や保護者に謝罪した。同校は同18日付で訓戒処分とし、部の指導から
無期限で外したが、今も被害生徒のクラスを含めて授業を担当しているという。
 同校女子ソフト部は県内屈指の強豪で、昨年の全国高校総体にも出場。
芳野敬三校長は会見で「ご心配をおかけして申し訳ない」と謝罪した。

と報じています。

 また同日付毎日新聞には

 佐野日大高(栃木県佐野市石塚町)で女子バレーボール部の顧問だった
男性教諭(53)が3年前に部員に太ももを蹴るなどの体罰を加えていたことが
17日、同校への取材で明らかになった。
 同校によると、男性教諭は15年10月、同校で行われた練習試合中に当時
3年生だった部員1人の右太ももを3回蹴り、拳で胸を5回殴ったという。部員は
打撲など全治約2週間のけがをした。部員が痛みを訴えたことで体罰が発覚。
男性教諭は同校の聞き取り調査に対し、「チームを引き締めて、他の選手と
連帯感を持たせようと思った」などと説明しているという。
 男性教諭は約3週間の出勤停止と減給の懲戒処分を受け、昨年3月に顧問を
解任された。
 同校は今月、県文書学事課や県高体連などに報告。同校の榊原茂明教頭は
「体罰の報告が必要という認識がなかった。今後は教員に対する指導を更に
徹底していきたい」と話した。
 私立学校を所管する県文書学事課は足利工大付高(足利市福富町)の
男子バレーボール部の男性コーチが昨年6月に部員を蹴るなど暴行した
問題を受け、12月に県内の私立学校長に対して教員の適切な指導を徹底する
よう通知したほか、私立学校長の出席する会合で体罰などの問題があれば
速やかに関係機関に報告するよう指導していた。

という記事があります。

 大分県立竹田高剣道部事件で、大分地裁と福岡高裁が生徒に対して
暴力を振るった顧問教諭(当時)の行為を重過失と認定し、賠償責任を認める
判決を言い渡したのは記憶に新しいところです。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201710-8.html

 亡くなった工藤剣太さんの母・奈美さんは、大分地裁判決を受けて
「この判決で、教師は自らの言動に責任を問われることになった。
 カッとして生徒に対して暴力を振るおうとしたときの抑止力となりうる。
 これが全国に広まることを願っている」
と述べていましたが、
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201612-2.html
大変残念なことに、奈美さんの願いが教育現場に浸透しているとは言い難い、
と判断せざるを得ません。

竹田高剣道部事件、福岡高裁は大分県の控訴を棄却(その3)

[ 2017/10/04 17:59 ]
 福岡高裁の判決言い渡し公判を傍聴し、報告集会にも参加していた
佐藤晋平・佐賀大学文化教育学部専任講師は、
「教師は、児童・生徒の生命を守ることに極めて重い責任を負っている。
 このことを教員養成学部に在籍する学生に徹底できているだろうか?
 ましてや現職教員の意識に浸透しているだろうか?
と、教育学の研究者は改めて検討することが必要なのだと思う」
とし、
「本件は裁判で『重過失』と認定されたが、では『過失』と『重過失』は、
どこで線引きされるのか?
 『過失』であっても児童・生徒の命が失われることは十分考えられるし、
『重過失』と認定されても、一命をとりとめれば結果責任を免れられるのか?
 こういったことに対して、教育学の研究者がより積極的に議論していく
必要があると痛感している」
との見解を表明しました。

 また教員養成学部の現状について、
「『自分が児童・生徒だった時期に理不尽な扱いを受けた記憶がある、
だから教員になって現場を改革したい』という意欲をもって入学してくる
学生もいる。
 しかし彼ら・彼女らは、あくまで少数派だ。多くは現行の学校教育システムに
全幅の信頼を置いており、少数派の意見に耳を傾けることは難しいのが現状だ。
 こうした状況にあって、国立大学についていえば、昨今進行している
いわゆるゼロ免課程廃止などの学部改変は、さらに学生の多様性を失うものと
ならないか、と危惧している」
と述べました。

竹田高剣道部事件、福岡高裁は大分県の控訴を棄却(その2)

[ 2017/10/03 20:43 ]
 17年9月28日付朝日新聞大阪本社版は

 大阪市立桜宮高校バスケットボール部の男子生徒(当時17)が12年に
自殺した問題で、大阪市議会は27日、市が遺族に支払った損害賠償金など
計8723万円の半額を、部の顧問だった男性教諭に支払いを求める訴訟を
大阪地裁に起こす議案を可決した。
 バスケ部の主将だった男子生徒は12年12月に自殺した。元教諭は暴力を
ふるっていたなどとして懲戒免職となった。その後、遺族は市に損害賠償を
求める訴訟を東京地裁に起こし、元教諭の暴行などが自殺の原因として
約7500万円の支払いを命じる判決が確定。市が賠償金と遅延損害金を
16年に支払っていた。

と報じました。

 これに関連して、剣太さんの父・英士さんは
「大阪市議会は(桜宮高バスケ部の)元顧問教諭に重大な過失があったとして
国家賠償法第1条2項に基づいて求償権を行使する、と議決したのだろう。
 大分県議会にも、この気持ちを持って動いてもらいたい」
と述べました。
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000125&openerCode=1

 坂本忠文・元教諭が、大分県に対して支払うよう命じられているのは
100万円です。
 そして大分県教委は、坂本氏に懲戒免職処分を下してはいません。
 すなわち坂本氏は現在、教職に復帰してこそいませんが、大分県職員という
身分であることに違いはありません。
 つまり県民の皆さんが納められた税金で、坂本氏が給与等を得ている
状況には変わりないのです。

 大分地裁も福岡高裁も、坂本氏に対して「自己破産しても償え!」
と求める判決を言い渡しているわけではありません。
 もちろん工藤さんも、金額について争っているわけではありません。
 責任の所在を明らかにするため。
 すなわち、けじめをつけさせるために、あえて提訴してきたのです。

 あえて言いますが、自らの懐に1円も入るわけでもない。
 それどころか、訴訟にかかる費用を負担しながら行政訴訟を提訴した
工藤さんの思いは、
「県民が納めた税金を、『賠償金』として県議会で補正予算を組まざるを
得ない状況をもたらしたのは坂本忠文・元教諭にほかならず、県民が
連帯して責任を負うべきものではない。坂本氏の責任を問いたい」
という一点にあることは、繰り返し強調しておきたいと思います。

 このような事実を列挙すれば、
「大分県が法廷闘争を繰り広げるべき相手は、工藤さんではない」
ということが、皆さんにも十分ご理解いただけるものと思います。
 大分県議会議員および大分県職員、そして大分県民はもとより国民の
皆さんに、上記英士さんの発言を、改めてかみしめていただきたいと思います。

 なお両親は17年5月16日、福岡高検に本件を刑事事件として立件するよう
申し入れていますが、英士さんによると
「なにも連絡はない。しかし今回の判決を受けて、何らかの動きがあるのでは
ないか、と期待している」
とのことです。

 剣太さんの母・奈美さんは
「剣太が亡くなってから8年。長い戦いだったが、家族だけで乗り切ることは
できなかった。多くの皆さんに支えられてきたからこそ、と感謝している。
 裁判が終わったからといって、『剣太の会』の活動は変わりなく続けていくし、
いまも全国各地で戦いを余儀なくされている学校事故・事件の被害者は
大勢いる。これからも、いっしょに支えあっていきたい」
と述べました。


(この項、つづく)
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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