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兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

大分県立支援学校死亡事故、証人尋問は終了

[ 2022/10/05 15:01 ]
 2016年9月、大分県立南石垣支援学校高等部3年だった
林郁香(ふみか)さん=当時17歳=が、給食をのどに詰まらせ、
翌月死亡した事故についての続報です。
 22年10月3日、13時10分から15時50分まで大分地裁
(石村智裁判長)で、両親に対する証人尋問が行われました。

 今回の尋問内容については
障害女子生徒の給食事故死裁判 遺族が“娘に謝って”と訴え|NHK 大分県のニュース
をご参照ください。

 以下、ニュースでは取りあげられていないことを記します。
 母親の香織さんは尋問のなかで、事故当時小6だった次女が、
郁香さんが亡くなったのと同じ高3になったことを明らかにしたうえで
「次女は『この年で死にたくないよね。姉も死にたくなかったやろね』
といっている」
と述べました。
 
 当ブログでも既報のとおり、前回22年6月17日の証人尋問で、
当時の教諭らは両親に対して、謝罪はしました。
 しかしそれが両親の琴線に触れるものであったかといえば、
そうではありません。
 両親は、道義的責任も認めたうえで「言い訳をせずに謝ってほしい」
と願っています。
 しかし民事訴訟は、あくまで原告・被告双方の主張を聞いたうえで、
法的責任の有無について裁判所が判定する手続きに過ぎません。
 
 「全国学校事故・事件を語る会」代表世話人、宮脇勝哉氏は
「被告代理人が潔く『反対尋問は見送ります』といっていたなら、
まだ救いがあった。
 母親が記者会見で『この期に及んで、小2のときにたった1度
発作を起こしただけのてんかんについて質問してきた』といったように、
被告弁護団は新証拠もなく手詰まり状態なのに、重箱の隅をつつく
ような質問に終始した。
 その目的は、両親をいらだたせることなのか?との疑念を抱かせる
ものだった」
と厳しく批判しました。
 
 父親の和男さんは記者会見で、証人尋問前日の10月2日が
郁香さんの命日だったことを改めて指摘し、
「提訴から3年。裁判のなかで被告からは、聞きたくないこと、
受け入れ難いことをいわれてきた。
 しかし郁香の死を無駄にしないため、主張し続けたい」
と述べました。

 原告弁護団は記者会見で、個々の教諭らにミスがあったことは
厳然たる事実、としながらも
「個人の責任に帰してしまい、特別支援学校のあり方について検証
しなければ、同様の事故を繰り返すおそれがある。
 両親は、大分県教育委員会と管理職と現場の教員の風通しの
悪さも含め、ルーズな意識や開き直りを放置し、それが『変な常識』に
ならないように戦ってきた」
と強調し、引き続きの支援を求めました。
 次回口頭弁論は23年1月27日10時00分、大分地裁です。
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大分県立支援学校死亡事故、教諭らが謝罪の姿勢は示す(その3)

[ 2022/06/19 19:46 ]
 こうした養護教諭の対応とは対照的に、潔さのかけらも感じられ
なかったのが校長です。
 「生徒をひとりにするのは適切ではない。常に見守っていることが
安全につながる」という原則論は繰り返し述べ、
「郁香さんには申し訳なく思っている。おわびしてもおわびしきれない。
教員としてあってはならないこと。痛恨の思いだ」
との言葉を口にし、両親に頭も下げました。

 しかし事故発生当日、高等部3年の担当教諭1人が出張しており、
重複障害の生徒4人に対して教諭3人で対応せざるを得ない状況に
なったことについて、あらかじめ了承していたのか、との質問には
「学年主任が決めてかまわないこと」
と答えるなど、正面から向き合うことなくはぐらかしに終始しました。

 郁香さんの母親、香織さんは
「事故が起きたときにも校長室にいた。自分が食事を済ませたら、
さっさとランチルームを離れて校長室に戻ってしまっていた。
 校長には生徒たちの様子を見守るという姿勢が感じられない」
と批判しました。
 前述の宮脇氏も
「校長は尋問のなかで、もともと高校の教員で、支援学校での勤務
経験はないまま、事故が起きた年に同校に着任した、と証言した。
 つまり障害児教育に対する知識も情熱も有していない、
と判断せざるを得ない。大分県教育委員会の任命責任は重大だ」
と指摘しました。

 原告弁護団は、
「たしかに当時の担任教諭は判断ミスをした。しかしだからといって、
彼女にすべての責任を押しつけて幕引きを図る。いわばトカゲの
尻尾切りのようなことを、まかり通らせてはいけない」
と強調し、
「遺族は『二度と同じような事故を起こさせてはいけない』という思い
から裁判を戦っている。事故の原因を明らかにしなければならない」
と述べました。
 次回は10月3日13時10分、両親が証人尋問に臨みます。

大分県立支援学校死亡事故、教諭らが謝罪の姿勢は示す(その2)

[ 2022/06/19 19:34 ]
 13時10分から尋問に応じた養護教諭も、事故発生当日、
郁香さんの脈拍と呼吸の有無について確認せず、
したがって心肺蘇生術も施さなかったこと。
 すなわち自らの使命を果たせなかったことを認め、
「郁香さんとご家族に、深くおわびする。
 自らの行動を振り返れば積極的な応急処置をしていなかった。
 十分な対応ができず申し訳ない」
と謝罪しました。
 その背景には、郁香さんにてんかんの既往症があったことや、
出血があったことから脳しんとうを疑い、意識レベルを確認して
止血するのが順当との判断があった、と供述しましたが、
こうした判断が適切なものではなかったことを認めました。
 そのうえで、
「郁香さんが給食を食べている最中に倒れたとは知らなかった。
 このため救急隊が到着して、郁香さんののどから食べものが
出てきたときには、強い衝撃を受けた」
とも述べました。

 こうした養護教諭2人の発言について、原告弁護団は
「覚悟を決めてきたのだろう。保身に走るのではなく潔かった」
と評価しています。

(この項、つづく)

大分県立支援学校死亡事故、教諭らが謝罪の姿勢は示す

[ 2022/06/19 19:29 ]
 2016年9月、大分県立南石垣支援学校高等部3年だった
林郁香(ふみか)さん=当時17歳=が、給食をのどに詰まらせ
死亡した事故。
 22年6月17日、大分地裁で行われた本人尋問(石村智裁判長)で、
当時の臨時養護教諭と養護教諭、そして校長が、それぞれ原告席に
向かって頭を下げました。
 これについて、傍聴していた「全国学校事故・事件を語る会」の
代表世話人、宮脇勝哉氏は、
「学校事故・事件に関する裁判を長年にわたって数多く支援し、
傍聴してきたが、被告とされた教員らがそれぞれ原告席に向かって
頭を下げるなど謝罪の姿勢を示したことは記憶にない。
 しかし原告である両親の心に通ずる真摯な謝罪だったのだろうか」
と述べました。

 10時00分から尋問に応じた臨時養護教諭は、事故発生当日の
状況について、「食器が割れる音に気づいて」郁香さんが倒れていた
ところを目撃した、と証言しました。
 その際、出血をみとめて頭を打っていると思ったこと、意識と呼吸を
確認しなかったことを認め、
「正しく対応できなかった。言い訳をするつもりはない。
 郁香さんにも、ご両親にも、たいへん申し訳ない」
と謝罪しました。

 19年7月、「大分県立南石垣支援学校における事故調査委員会」
がまとめた事故調査報告書には、同教諭が郁香さんのもとに
かけつけた際
「またひとりやん、だれもいないやん」
と発言したとの記載があります。
 原告弁護団が、同教諭が大分地裁に提出した陳述書には、
この発言に関する記述がないことについて質問したところ
「発言は事実」
と明確に答えました。

 支援学校に通学している生徒、ことに知的障害や肢体不自由など
重複障害がある生徒については、「常に教員が見守りひとりにしない」
ことが大原則です。
 しかし同教諭は、南石垣支援学校では
「生徒がひとりでいる局面は何回もあった。教員の危機管理意識が
足りず、見守りが徹底されていなかった」
と証言しました。

(この項、つづく)

龍野高校の対応を検証する(その12)

[ 2022/05/19 09:56 ]
 2011年6月15日、名古屋市立向陽高柔道部の練習中に
1年生(当時)男子が急性硬膜下血腫を発症し、7月に
亡くなるという事故が発生しました。
 同高の校長は事故発生当日、保護者に対し
「学校で起こったことは、すべて学校の責任」
と明言し、謝罪しました。
 そのうえで名古屋市は、事故の原因究明と再発防止を
目的として「柔道安全指導検討委員会」を設置し、
ホームページで報告書を公開しています。

 同年9月30日、さいたま市立日進小6年生(同)女子が、
駅伝の練習中に倒れた際、保健室にAED(自動体外式除細動器)
があったにもかかわらず、適切に使用されないまま死亡する、
という事故が発生しました。
 桐淵博・同市教育長(同、現・日本AED財団理事)は、
「子どもたちが朝、元気な姿で家を出たのだから元気な姿のまま、
成長というお土産をつけてご家庭に帰すのが、学校の役割」
とし、市教育委員会にプロジェクトチームを結成して事故を分析し、
亡くなった女児の1周忌にあたる12年9月30日、彼女の名前にちなむ
「ASUKAモデル」を公表しました。

 いずれの事案も、まず謝罪から始まっています。
 向陽高校長も、さいたま市教育長も、名古屋市教育長も、
「自らには道義的責任がある」
ことをしっかり自覚したうえで、調査報告義務を果たそうとしています。

 お子さんが亡くなっている、という事実があるわけですから、
保護者に「納得」してもらうことは、なかなか難しいでしょう。
 しかし名古屋市もさいたま市も、透明性を担保したうえで
説明責任を果たそうと誠実に対応した結果、保護者から一定の
「理解」ないし「評価」を得られていますし、両市教委は、いまも
保護者との協力関係を維持しています。

 すなわち石原元秀・龍野高校長(当時)が、いかなる根拠に
基づくものなのか不明なまま、うそぶいていたような
「謝罪したら道義的責任が法的責任にすり替えられる」
ことなどなく。
 むしろ積極的に道義的責任を果たそうと努めたことによって、
保護者との信頼関係が構築できたのです。

 こうした実例を、兵庫県教委は把握していないのでしょうか?
 把握していないなら、職務怠慢です。
 把握しているにもかかわらず、知らぬ顔をしているのなら無責任です。
 いずれにせよ県民に対して不誠実極まりない態度と断じざるを得ません。

 名古屋市や、さいたま市には、誠実で、心ある、有能な人がいます。
 なぜ兵庫県には、このような人物が見当たらないのでしょう?
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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