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兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

一般社団法人「ここから未来」、シンポジウムを開催(その2)

[ 2018/08/06 10:55 ]
 同法人の武田さち子理事は、複数の自治体で調査委員を務めた経験を踏まえ
「川崎市の報告書は真矢くんに焦点を当てたもので、彼の姿が見えてくる。
 他の自治体で委員を務めたときは、私自身は加害生徒らがなぜいじめを
しなければならなかったのか、周囲はなぜそれを止められなかったのかに、
強い関心をもって調査をしたが、残念ながら報告書に十分反映することが
叶わなかった。被害生徒の像も十分浮かび上がってくるものではなかった」
と指摘しています。

 渡邉氏は当時を振り返って
「教育長以下、職員間で『主語は誰?』と繰り返し問うていた。事実を
隠蔽することは行政が主語になることで、不誠実極まりない。
 『なんのための調査なのか?』という目的を委員全員が自覚して、
共有することが分かれ目ではないか。
 調査委については、いわゆる『中立論』もあるが、現実に被害生徒と家族が
存在する以上、被害生徒と家族に対するケアが優先されなければいけない」
と述べました。

 また真矢くんが、「いじられキャラ」とされていたことについて
「いったんレッテルを貼られると雰囲気がクラスに蔓延して支配的になる。
多数決をとると正義になってしまう。この結果、他人の尊厳を傷つけることに
鈍感になっていく。
 『誰が言ったか』ではなく、『なにを言ったか』に視点を変換させることが
教育の使命であり、通訳するのが教師の責務だ」
と警鐘を鳴らしました。

 そのうえで渡邉氏は
「人は忘れるものだが、戒めを忘れてはいけない。記憶を風化させないため
には語り継ぐしかない。シンポジウムでの講演を依頼されて、現在勤務している
川崎市立小の校長に相談したところ、『それはあなたの使命だ』と言われた」
ことを明らかにし、市教委のみならず教育現場にも意識が浸透していることを
うかがわせました。

 川崎市の対応は特筆すべきものとして注目されているのが現状ですが、
篠原真紀さんは
「これがスタンダードになるべき」
と主張しています。
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一般社団法人「ここから未来」、シンポジウムを開催

[ 2018/08/06 10:41 ]
 一般社団法人「ここから未来」(代表理事・大貫隆志氏)が
2018年8月4日、東京都内でシンポジウム
「もしかして、いじめ? そのとき保護者ができることは?」
を開催し、全国各地から47名が参加しました。

 大貫氏は10年6月7日に発生した、川崎市立中3年生男子(当時)が
同学年の男子生徒4人からいじめを受けて自死するに至った事件について、
「調査委員会がまとめた調査報告書と、他の事案の報告書を読み比べてほしい」
と述べました。
https://cocomirai.org/wp/wp-content/uploads/2018/07/20180804_shinohara.pdf
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201712-2.html

 というのも、近年は学校事故・事件について調査委を設置し、報告書を
まとめる事例が増えてきてはいます。
 しかしその多くは、「全国学校事故・事件を語る会」の代表世話人、
内海千春氏が指摘しているように
「学校関係者に対し、調査委に丸投げするための絶好の口実を与えてしまった。
 教員たちは被害者・家族との関係を絶ち、当事者意識を持たないまま
思考停止状態に陥っている」
というものです。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201712-6.html
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201708-1.html

 したがって当然のことながら、報告書の内容をめぐって保護者が反発する
という事例は枚挙に暇がありません。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201708.html

 川崎市教育委員会の職員(当時)として調査にあたった渡邉信二氏らの
対応は、こうした多くの事例とは一線を画すものです。
 渡邉氏は「亡くなった篠原真矢くんの人柄を知りたい」との思いから、
彼が好きだった音楽を聴き、彼が愛読していたマンガや本を読み、
彼が残した文章を読み込んだうえで、クラスメートや教員たちとの
事情聴取に臨みました。
 そのうえで同僚とともに毎週自宅を訪問し、保護者に対して調査の
進捗状況を逐一報告していました。
 真矢くんの母、真紀さんは
「こうしたプロセスを経て、信頼関係を醸成できたことが大きい」
と高く評価しています。


(この項、つづく)

大阪市の水泳死亡事故、控訴審第4回口頭弁論

[ 2018/07/28 09:26 ]
 2013年8月14日、大阪市の障害者向け水泳教室の練習中に死亡した
国本考太さん(当時24歳)の両親が、運営していたNPO法人と女性コーチを
相手取って提訴している損害賠償請求訴訟の控訴審第4回口頭弁論が
18年7月26日、大阪高裁(江口とし子裁判長)で行われました。

 前回口頭弁論で、被控訴人・コーチ側が提出した意見書に対し、
控訴人・両親側は熱中症に詳しい医師の意見書を提出しました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201806-4.html

 この医師は、コーチ側の意見書に対して10種類を超える参考文献を
引用してその主張を論破し、痛烈に批判しました。
 これを受けて江口裁判長は弁論終結を宣告しましたが、被控訴人の
代理人弁護士が反論書を提出したいとの意向を表明したため、
9月27日14時15分から大阪高裁84号法廷で第5回口頭弁論が
行われることになりました。

 そもそも被控訴人は、控訴していません。
 すなわち一審判決を受け入れる姿勢を明確に示していました。

 しかし両親が控訴しました。
 それは一審判決が、熱中症が考太さんの死因であると認定しながら、
熱中症を発症するに至る機序について、あいまいなままにした
一審判決に対する両親の不信感に基づくものであり、コーチの
注意義務違反・安全配慮義務違反を明確に認めて責任の所在を
明確化してほしい、という意向によるものです。
 けっして損害補償金額の増額などを求めたわけではありません。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201706-1.html

 いわば控訴審は両親と裁判所の争いであり、あえて言うなら被控訴人は
無関係です。
 ではなぜ被控訴人がいるのか?といえば、コーチとNPO法人を被控訴人に
しなければ裁判が成立しないから、という手続き上の問題にすぎません。

 こうした事実を踏まえれば、被控訴人が意見書に対して反論すると
いうのなら、なぜ一審判決を不服として自らが控訴しなかったのか?
という疑問に立ち返ります。
 すなわちいたずらに裁判を長期化させて、両親を疲弊させることが
目的化しているのではないか、との疑念を抱かざるを得ません。
 端的に言えば、いやがらせにすぎない、きわめて悪質な態度です。

 なお本件については、18年7月24日付東京新聞が伝えていますし、
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201807/CK2018072402000188.html
『体育科教育』(大修館書店)17年7月号に、南部さおり・日本体育大准教授が
寄稿しています。
 併せてご参照ください。

シンポジウムのお知らせ

[ 2018/07/11 08:16 ]
 一般社団法人「ここから未来」(代表理事・大貫隆志氏)は
2018年8月4日13時00分から、東京都内でシンポジウム
「もしかして、いじめ? そのとき保護者ができることは?」
を開催します。

 同法人は、10年6月に発生した川崎市立中いじめ自死事件で
調査委員を務めた渡邉信二氏、同法人の武田さち子理事の講演などを通じて
「子どもがいじめにあったとき、保護者は何をすればいいのか、何ができるのか、
何に注意すればいいのかなどを具体的に議論します」
としています。
 詳細は以下のとおりです。

■会場:人権ライブラリー(公益財団法人 人権教育啓発推進センター)
    http://www.jinken-library.jp
■所在地:東京都港区芝大門2-10-12 KDX芝大門ビル4F 
■アクセス:
●JR山手線・京浜東北線/東京モノレール 浜松町駅(金杉橋口から徒歩7分)
●都営三田線 芝公園駅(A3出口から徒歩3分) 
●都営大江戸線・浅草線 大門駅 (A3出口から徒歩4分)
■資料代:1,000円(先着60名)
■主催:一般社団法人 ここから未来
■お問合せ先:coco-info@cocomirai.org または fax 03-6804-2926

全国学校事故・事件を語る会、シンポジウムを開催(その4)

[ 2018/06/11 09:09 ]
 シンポジウムでは、参加者も活発に意見を交換しました。
 小佐井良太・愛媛大教授は、愛媛県西条市の聖マリア幼稚園の
お泊まり保育中に発生した園児水死事故の調査委員を務めた経験に基づき
「被害者救済の視点に立って事故発生に至った問題点を指摘し、提言する
ことが周囲や地域に働きかける効果がある。
 調査委は裁判所の代わりではない。位置づけが違うと明確にすべきだ」
と述べました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201508-1.html

 横山巌弁護士(大阪弁護士会)も、
「原因究明は調査委の使命ではない。なんらかの事実があって事件・事故に
影響を与えたとすれば、問題を指摘し提言するのが調査委の役割ではないか」
との見解を表明しました。

 教員志望の大学生に対する働きかけとしては、日本体育大が研修会を
実施して被害者家族の声を聞く取り組みを続けていますが、大阪大・高知大
などでも教職課程の授業に「全国柔道事故被害者の会」の村川弘美さん、
「『指導死』親の会」の安達和美さん・山田優美子さんらが、ゲストスピーカー
として招かれています。
 山田さんは
「遺族を教材として利用してほしい。しかし当事者の訴えは感情論として
斥けられてしまう恐れがあるので、大学教員には学生たちに通訳する
役割を担ってほしい」
と要望しました。
 これについて、小野田正利・大阪大教授は
「学生たちは、学校事故・事件を『別世界のできごと』と捉えてしまいがちだ。
ブラック部活の問題を取り上げてからゲストスピーカーに来てもらう、といった
環境醸成をして、我がこととして受け止めるような仕掛けが必要だ」
と指摘しました。
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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