兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

竹田高剣道部熱中症死亡事件、控訴審日程決まる

[ 2017/03/15 23:38 ]
 2009年8月22日、大分県立竹田高校剣道部の練習中に工藤剣太さん
(当時17歳)が熱射病による多臓器不全で死亡した事件について、
17年5月16日(火)13時30分より福岡高裁502号法廷で、控訴審第1回
口頭弁論が開かれます。

 大分地裁(竹内浩史裁判長)は16年12月22日、剣太さんが死亡するに
至ったのは、同部顧問教諭だった坂本忠文氏に重過失があったと認める
判決を言い渡しましたが、大分県はこれを不服として控訴しています。
 http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201612-2.html
 http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201701-2.html

 「大分県立竹田高等学校剣道部熱中症発症時暴行死亡事故裁判を
見守る全国支援者の会」が17年1月17日、広瀬勝貞・大分県知事と
工藤利明・大分県教育長に公開質問状を提出しました。
 形式的には17年1月30日付で回答はありましたが、知事と教育長は
「県の考えにつきましては、控訴審の中で明らかにさせていただきます」
と記載したにすぎず、したがって
「実質的な回答はない」
と言わざるを得ません。
 http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201702-2.html

 剣太さんの両親である工藤英士さん・奈美さんは、
「教師の暴力的な指導を抑制するための教訓としてほしい」
と願っていますが、
「大分県はこうした切実な声に耳を傾ける気がない」
と判断するよりほかない対応です。
 また控訴審を戦ううえで、大分県は公費を投入しています。
 県民が納めた税金が、県民を苦しめるために費消されているという
現実には疑問を禁じえません。

 この問題については17年3月4日付朝日新聞で、中小路徹・編集委員が
「縦横無尽」というコラムで取りあげています。
 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12824706.html
 こちらも、ぜひご参照ください。

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「全国学校事故・事件を語る会」大集会のお知らせ

[ 2017/03/15 19:56 ]
 「全国学校事故・事件を語る会」(代表世話人:内海千春氏、宮脇勝哉氏)が
2017年5月20-21日に、兵庫県学校厚生会館(神戸市)で交流会と
シンポジウム「被害者・遺族から見た第三者委員会の課題」を開催します。

 詳細については、
https://katarukai.jimdo.com/お知らせ/
をご参照ください。

組み体操で事故、被害児童の両親が賠償求め提訴

[ 2017/03/01 11:09 ]

 2014年4月、東京都世田谷区立小学校で6年生(当時)の体育の授業中に
発生した事故で脳脊髄液減少症を発症した男子の両親が、事故の原因は
担任の男性教諭(同)の注意義務違反にあるとして、教諭と世田谷区に
約2000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。

 この事故は14年4月14日11時15分ごろ、区立武蔵丘小の体育館で
体育の授業中、5月の運動会に向けて組み体操の練習をしていたときに
発生しました。
 両親である定松佳輝さん・啓子さん夫妻は17年2月28日、東京地裁で
行われた記者会見で
「息子が倒立したところ、足を支えるべき男子児童が支えきれなかった。
しかもマットも敷かれていなかったため、息子は体育館の床で頭部と背中を
強打して脳脊髄液減少症を発症し、いまも後遺障害に苦しんでいる」
と訴えました。

 この事故が発生するに至った経緯は、以下のとおりです。
 まず前年の10月、移動教室で被害児童が中耳炎を発症し痛みを訴えていた
にもかかわらず、担任の男性教諭が速やかに受診させなかったため重症化し、
乳突洞炎との診断を受けました。
 両親によると、被害児童は移動教室から帰宅後に緊急切開手術を受け、
医師からは体育の授業でもマット運動などは行わないよう指示され、この旨を
記載した診断書を武蔵丘小に提出していた、とのことです。
 当然のことですが、被害児童は担任教諭に不信感を募らせていました。
 しかし翌年度も同じ男性教諭が担任となりました。
 校長(同)の配慮のなさには疑問を禁じ得ません。

 事故発生当日の体育の授業は、5月に開催される運動会で6年生が披露する
組み体操の練習でした。
 被害児童は、医師から「マット運動を行ってもかまわない」との許可を得ていた
わけではありません。
 しかし、担任の男性教諭は児童たちに向かって
「6年生なんだから、5年生以下に恥ずかしくないようにできるよな」
とプレッシャーをかけるかのような発言をしていた、といいます。
 このため、被害児童は仕方なく倒立をしましたが支えてもらえず、マットを敷く
などの安全対策も施されていなかったため、体育館の床で直接頭と背中を強打する
羽目になりました。
 文部科学省は「学校には安全配慮義務がある。これは大前提である」と明言して
いますが、武蔵丘小は安全配慮義務を果たしていたのか?という疑問が残ります。

 この日の体育の授業は2クラス合同で行っていました。
 両親は「ドーンという、大きな音がした」という同級生の証言を得ていますが、
立ち会っていた2人の教諭は口をそろえて「気づかなかった」と釈明した、といいます。
 養護教諭も、目立った外傷がなかったためか保冷剤を手渡しただけで、医療機関で
受診するよう手続きすることもありませんでした。
 被害児童は、頭痛やめまいのため給食も食べられないまま机に突っ伏していましたが、
担任は両親に「気づかなかった」と述べたといいます。
 注意義務違反、との疑いが払拭できない対応です。
 
 ところが両親によると、武蔵丘小が作成し世田谷区教委に提出した「事故報告書」には
「担任は事故発生直後に児童のもとに駆け付けた」
「養護教諭は病院に付き添うと申し出たが、男子児童を迎えに来た母親に断られた」
と記載されている、とのことです。
 これらは明らかに事実に反するもの、として両親は抗議しましたが、今日に至るまで
書き換えられていません。
 それどころか、15年には区教委から「言いたいことがあるのなら提訴してくれ」と
突き放され、「話し合いでの解決を拒否されたため、やむを得ず提訴するに至った」
と証言しています。

 被害児童は現在中2ですが、いまも頭痛や腰痛、倦怠感などに悩まされ、長時間に
わたって同じ姿勢を保つことができません。
 しかも見た目だけでは障害があるとわからないため、「怠けている」などいわれのない
中傷を受けている、と両親は述べています。

 近日中に第1回口頭弁論が行われることになります。
 この問題について、引き続き当ブログで取り上げていきます。

橿原市立中いじめ自死事件、第7回口頭弁論

[ 2017/02/26 19:28 ]
 橿原市および同市教育委員会の隠蔽体質と不誠実な対応について、
今回もご報告しなければならないことは心苦しい限りです。
 2013年3月28日、同市立中1年生の女子生徒(当時)が、同級生らからの
いじめを苦に自ら命を断つに至ったことは、学校と教育行政に携わる者にとって
最大の痛恨事であり、全容を解明し、亡くなった生徒の名誉を回復することが
せめてもの務め、と私は考えます。
 しかしこうした考え方を橿原市および同市教委、そして同市の代理人弁護団と
共有できないことは、誠に遺憾です。
 その顛末を以下に記します。

 亡くなった生徒の母親は2016年11月7日、奈良地裁に対して
「証拠保全申立書」を提出しました。
 これは被告・橿原市の代理人、井上善雄弁護士(大阪弁護士会)が、
「学校や市教委が作成し、調査委員会に提出した資料を、奈良地裁には提出しない」
と明言していることを受けての措置です。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201605.html

 こうした事実を背景に、奈良地裁(木太伸広裁判長)は証拠保全の必要性を認め、
16年12月9日付で
「裁判官が16年12月27日に橿原市役所と同市教委事務局に赴き、証拠調べを行う」
との決定書を原告・被告双方に送達しました。
 これに対し橿原市は、証拠調べを拒否しました。
 原告弁護団長の佐藤真理弁護士(奈良弁護士会)は
「長年の弁護士活動で証拠保全を10数回にわたって行っているが、拒否されたのは
初めて。橿原市の姿勢はきわめて不誠実なもの」
と痛烈に批判しています。

 母親によると16年12月27日13時00分ごろ、裁判官・書記官らとともに
市教委事務局を訪れたところ、
「辻岡章裕・教育総務部長が、資料の保管場所についての問い合わせに対して
要領を得ない回答に終始したため、市教委(橿原市小房町)と市役所本庁舎
(同市八木町)をたらい回しにされた。
 辻岡氏は、最終的には証拠資料が市役所にあることを認めたものの、
『証拠調べには断固応じない』と述べた」
とのことです。
  このため、原告は17年2月6日付で奈良地裁に「文書提出命令申立書」を
提出しました。

 問題はこれからです。
 第7回口頭弁論が行われたのは17年2月20日10時30分。
 すなわち井上弁護士は、「文書提出命令申立書」を受理してから約2週間が
経過しているにもかかわらず、
「あらためて申立書の内容を検討する。そのためには2カ月を要する」
と言い放ちました。
 一連の経緯に鑑みれば、意図的な不作為と言わざるを得ず、いたずらに
裁判を長期化させて原告が心身ともに疲弊するのを待っているのではないか、
との疑念を抱かざるを得ません。

 母親は、
「私が娘を虐待していたことが自死の原因、などとありもしないことをでっちあげて、
学校の責任を回避しようと画策してきた。
 橿原市の不誠実な対応は一貫しており、強い憤りを禁じ得ない」
と述べています。

 全国の多くの皆さんにこうした状況を知っていただき、支援していただけるよう
切に願います。
 次回口頭弁論は17年4月20日14時00分、奈良地裁201号法廷で行われます。

エンジェルズアーチ、第1回シンポジウムを開催

[ 2017/02/14 15:41 ]
 スポーツ事故の撲滅を目指す「エンジェルズアーチ」(村川弘美代表)が
2017年2月12日、昭和女子大(東京都世田谷区)でシンポジウム
「子どもやアスリートの重篤事故を防止するために!Vol.1」を開催しました。
 当日は全国各地から52名の参加者があり、学校管理下で行われていた
部活動などで発生したスポーツ事故の被害者やその家族のほか、研究者や
現職教員も姿を見せました。
 南部さおり・日本体育大准教授と永島計・早稲田大教授が基調講演を行い、
両氏によるパネルディスカッションに続いて、出席者からの質問に答えるという
かたちで、2時間にわたって活発な議論が展開されました。

 南部氏は部活動について「『自立した健全な人材の育成』という重要な
社会事業を担っている」と定義し、しかし現実には顧問教諭が自らの経験にのみ
依拠する指導メソッドを絶対のものと根拠なく確信していることに加えて、
他部の活動に関心を持たず、指導法に問題があったとしても、これに疑問を
呈する体質が学校にはないとし
「閉鎖的空間で、主観的かつ独善的な指導になりがち」
だと指摘しました。
 これを打開するためには
「部員の健康管理や事務処理などを行うマネジメントと、技術指導は担当者を
分けるべきだ。そうすれば相互牽制できるが、現実には一人の教諭が担っている
ケースが大半のため、不透明なものになってしまっている」
との認識を示しました。

 永島氏は熱中症について、
「血圧や血糖値など、病名を特定する際に指標となる数値が設定されていない
稀有な疾患」
だと位置づけ、
「重症化したら重篤な後遺障害が残るおそれがあり、多臓器不全によって死に至る
こともあるが、現時点では有効な治療法はない。予防・予測のみが有効」
と述べました。
 具体的には生体モニタリングとして深部体温や心拍数を計測し、危険域に達する
前に水分補給や休憩をとらせることが不可欠だとし、
「しかし深部体温や心拍数を継続的に計測できるウエアラブル端末の実用化には、
まだ時間がかかる」
と現状を説明し、指導者の意識改革のため啓発活動を続けることの重要性に言及し
「これは義務化しないと定着しない。スポーツ現場には暑さ指数(WBGT)計測器を
常時設置して環境の変化に注目し、一定の水準を上回ったら即座に練習を中止する
といった配慮が必要だ」
と提言しました。
 WBGTについては環境省の「熱中症予防情報サイト」
http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_lp.php#firstaid
をご参照ください。

 村川代表は
「次回は4-5月に開催すると予定している。スポーツ事故を再発させないため、
私たちのような被害者家族を二度と生まないため、『いますぐやれること』を
勉強する機会を継続して提供していく」
と同会の運営方針について力説しました。
 Vol.2の開催要項については明らかになり次第、当ブログでも発信していきます。
プロフィール

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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