兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

「学校・部活動における重大事件・事故から学ぶ研修会」のお知らせ

[ 2017/05/18 18:34 ]
 日本体育大学は、2017年度も
「学校・部活動における重大事件・事故から学ぶ研修会」を開催します。
 第1回は6月30日(金)17時30分~20時00分、日体大世田谷キャンパス
記念講堂で行われます。
http://www.nittai.ac.jp/access/index.html

 講師は滋賀県愛荘町立秦荘中柔道部の練習中に頭部外傷を受傷して死亡した
村川康嗣くんの母・弘美さん。
 そして大分県立竹田高剣道部の練習中に熱中症による多臓器不全で死亡した
工藤剣太くんの両親・英士さんと奈美さんです。
 
 今年度は10月13日(金)、11月3日(金・祝)、12月14日(木)の全4回の日程で
開催する予定です。
 第2回以降は詳細が決まり次第、当ブログでもお知らせします。

 学外の方は、予約が必要です。
 お問い合わせは日体大総合スポーツ科学研究センター
(03)5706-0931(担当:中嶋・國嶋)まで
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竹田高剣道部熱中症死亡事件、控訴審第1回口頭弁論

[ 2017/05/17 23:07 ]
 2009年8月22日、大分県立竹田高校剣道部の練習中に工藤剣太さん
(当時17歳)が熱射病による多臓器不全で死亡した事件について、
17年5月16日13時30分より福岡高裁(佐藤明裁判長)で、控訴審第1回
口頭弁論が開かれました。
 審理が行われた502号法廷に傍聴席は24席しかなく、しかも11席は
記者席としてあらかじめ割り振られていました。
 このため福岡高裁は急遽長椅子4脚を法廷に運び入れ、なるべく大人数が
傍聴できるよう配慮しましたが、それでも入りきれず廊下で待機していた
支援者が出たほどで、この裁判に対する関心の高さを物語っています。

 剣太さんの両親によると、控訴しないよう求める署名は全国から少なくとも
3100筆が大分県教委に送られていますが、大分県はこれを無視しました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201703-1.html
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201702-3.html

 広瀬勝貞・大分県知事が提出した控訴理由書には、新たな証拠は示されて
おらず、一審での主張をなぞっているにすぎません。
 これに対して剣太さんの母・奈美さんは約15分にわたって意見陳述し、
控訴理由書に
「今後発生する多くの部活動事故の事案でも、部活動顧問に対する求償権
行使が認められることとなると思料される」
との記載があることを指摘し、
「大分県は事故が再発することを前提に論理を組み立てている。県は剣太の
死後、『二度とこのようなことが起きないように』と繰り返し表明していたが、
『再発防止』は実現していない。学校内でなにをしても国家賠償法で守られると
教員が思っている間は、悲惨な事件は何度も繰り返される」
と述べ、
「学校は、部活動の存続が危ういとか、教員が萎縮するなどという以前に、
将来にたくさんの希望を持てるような子どもたちを育てる場所だ」
と訴えました。
 次回口頭弁論は7月13日、13時30分から福岡高裁502号法廷で行われます。

 口頭弁論終了後の記者会見で両親は
「大分地裁判決をなんとしても維持したい。教師がカッとなって手を振り上げたとき、
『事故が起きたら個人でその責めを負わねばならない』という思いが頭をよぎれば
暴力を抑止する効果がある。二度と私たちのような家族を生まないことを願っている」
と述べました。

 両親は口頭弁論に先立って福岡高検を訪れ、大分地検が顧問教諭だった
坂本忠文氏を不起訴処分としたことに対し、不服を申し立てました。
 これについては大分合同新聞が17年5月16日付夕刊で、以下の通り報じています。

 竹田高校剣道部で09年、練習中に熱中症で倒れて死亡した工藤剣太さんの両親が
16日、業務上過失致死容疑で書類送検された元顧問らを大分地検が14年までに
不起訴処分としたことを不服とし、刑事事件として再捜査するよう福岡高検に申し立てた。
 両親は、元顧問らに賠償責任を負わせるために県を訴えた民事訴訟で16年12月、
一審大分地裁判決が元顧問の重過失を認めたと指摘。「民事裁判で重過失が認められ、
刑事事件は不起訴で終わるなどというのは誰も納得できない」と申し立てた。両親に
よると、高検側は「書類を読んで判断する」と答えたという。
 大分地検は12年、県警が書類送検した当時の顧問と副顧問について、嫌疑不十分で
不起訴処分とした。両親の不服申し立てを受けた大分検察審査会は13年、不起訴は
不当だと議決したが、地検は14年、再び不起訴処分として捜査を終えた。
 福岡高検によると、地検の処分に不服がある場合は、検察審査会とは別に高検に
申し立てができる。

 この問題について、首都大学東京の木村草太教授は東京新聞の取材に応じ、
「元顧問の重過失行為は現場で厳禁すべき内容。地裁判決は妥当だ。検察が元顧問を
起訴して、刑事責任を負わせるべきだった」
との見解を明らかにしています。(17年2月7日付同紙)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201702/CK2017020702000155.html

水泳練習中の熱中症死亡事故、判決期日のお知らせ

[ 2017/05/08 07:30 ]

 2013年8月24日、大阪のNPO法人が主催する障害者向け水泳教室で
練習中に熱中症を発症して死亡した国本考太さん(当時24歳)の遺族が、
指導者と水泳教室を相手取って提訴した損害賠償請求訴訟の判決が
6月23日13時10分、大阪地裁1008号法廷で言い渡されます。
 多くの皆さんの傍聴をお願いいたします。

 事故の概要は以下をご参照ください。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201704-1.html

 また朝日新聞の中小路徹編集委員も、17年4月29日付同紙コラム
「縦横無尽」で、この事案を取りあげています。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12915291.html

 併せてご参照ください。

世田谷区立小組み体操事故、第1回口頭弁論

[ 2017/04/27 07:47 ]
 2017年4月26日付毎日新聞は

 小学6年の時に組み体操の練習で転倒して脳脊髄液減少症となり、
後遺症が残ったとして、東京都世田谷区の中学3年の男子生徒と両親が、
同区と当時の担任教諭に約2000万円の損害賠償を求めた訴訟の
第1回口頭弁論が25日、東京地裁(鈴木正弘裁判長)であり、区と教諭が
ともに争う姿勢を示した。
 区側は「学校側に注意義務違反があった」とする生徒側の主張を認めない
とした上で、話し合いによる解決を要望した。一方の生徒側は、再発防止策
についての回答と謝罪を求めた。 (後略)

と伝えています。

 世田谷区は「安全配慮についても、事後対応についても過失はない」
との姿勢を崩さず、「話し合いでの解決を求める」としながらも、具体的な
内容は次回口頭弁論以降に提示するとしています。

 両親は記者会見で、
「学校との話し合いでは埒があかず、区教育委員会に相談した際にも
『これ以上話し合うことはできない。訴訟してくれ』と言われた」
と指摘し、区が話し合いによる解決を求めてきたことについては
「率直にいうと、『よかった』という感じではない。『なんでいまさら』とも思った」
と述べました。
 そのうえで、
「区と担任教諭の双方に謝罪を求める。和解に応じるかは条件次第。
息子が納得する解決を模索したい」
としています。

 担任(当時)の男性教諭は、国家賠償法の規定を盾に「提訴されたこと
自体が筋違い」と主張しています。
 これについて原告代理人の弁護士は
「教諭個人の賠償責任を問うことは難しいことは承知のうえで、両親の希望で
訴えた。裁判が継続するなかで、本人尋問も視野に入れている」
とコメントしています。

 母親の定松啓子さんによると、男子生徒はいまも頭痛や腰痛に悩まされており、
「昨年度までは登校しても給食まで学校にいるのがやっとだった。3年生になって
なんとか6時限まで授業に出ようとしているが、昨日も疲れがたまったのか
授業中に倒れ、車椅子で保健室に運ばれた」
とのことです。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201703-3.html

 傍聴席には生徒の同級生の保護者らが大勢詰めかけており、
「学校や区教委がまず謝罪していたら、こんなことにはならなかった」
と不信感を募らせていました。

 次回口頭弁論は17年6月13日10時00分、東京地裁411号法廷で
行われます。

子どもやアスリートの重篤事故を防止するためにVol.2

[ 2017/04/24 21:59 ]
 2017年4月22日、「子どもやアスリートの重篤事故を防止するためにVol.2」が
日本体育大学世田谷キャンパスで開催され、全国各地から集まった40人を
上回る参加者が意見を交換しました。
 参加者には現職の中学校養護教諭も含まれ、生徒らの安全を確保するために
学びたいとの意欲を示していました。

 この日は13年8月24日、大阪市の障害者スポーツクラブでの水泳練習中に
死亡した国本考太さん(当時24歳)と、09年8月22日、大分県立竹田高剣道部の
練習中に死亡した工藤剣太さん(当時17歳)の事例について検証しました。
 いずれも死因は熱中症による多臓器不全ですが、指導者の注意義務違反が
事故を招いたという点でも共通しています。

 日本水泳連盟は『プール公認規則』で、水温について
「競技中を通じて常に25℃以上28℃以下に保たれるような設備を必要とする」
と規定し、『水泳指導教本第2版』で「室温と水温の合計は60℃前後が最適」との
指針を明示していますが、事故発生当日の室温は36.0℃、水温は32.7℃で
計68.7℃と日本水泳連盟の指針を大きく上回っていました。
 また屋内プールは湿度が高いため、日本生気象学会が公表している
『日常生活における熱中症予防指針』を参照すれば、WBGT(熱中症指数)が
31を上回り「危険」領域に達していた可能性が高いこともわかります。
http://seikishou.jp/pdf/news/shishin.pdf

 しかし指導者は給水や休憩も指示しないまま、過大な負荷をかけた練習を強制し、
考太さんには意識障害による異常行動がみられていました。
 緊急搬送された病院で測定したところ体温は41.9℃、脈拍・血圧・動脈血酸素
飽和度は測定できない状態で、まもなく死亡が確認されました。

 これについて永島計・早稲田大学教授は、
「WBGTは水中の環境は考慮していないので、プールからあがって休憩したと
しても、望ましい環境ではなかったと考えられる」
と指摘しています。

 竹田高剣道部顧問だった坂本忠文氏は、剣道場内の温度計が36℃を示していた
という猛暑のなか、剣太さんには特に過重な負荷をかけた練習を強要し、
そればかりか暴力を繰り返しました。
 永島氏は、竹田高剣道部で剣太さんが異変を示す前に嘔吐した部員がいた
事実に着目し、
「坂本氏は剣太さんの疲弊ぶりを『演技』と決めつけたが、人が嘔吐したら普通の
状態ではないと気付くのが当たり前だ。他の部員も寒気や足のけいれんを訴えて
いたというが、当時の室内の温度や、練習の時間・強度を考えると、これらの症状は
熱中症によるものと容易に判断できる。
 剣太さんの死因は熱中症による多臓器不全かもしれないが、そういう問題ではない」
と、坂本氏の指導メソッドを厳しく批判しました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201703-1.html

 南部さおり・日体大准教授は、これらの事案を「人災としての熱中症」と呼び、
「勝利至上主義の指導者は、生徒の異変に気付くことができない」
とし、ラグビー部の練習中に事故にあった被害生徒の父親の
「生徒は部活動に青春をかけているのであって、命をかけているのではない」
という警句を伝えました。
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

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