FC2ブログ

兵庫県立龍野高校テニス部事故を考えるウェブサイト

2007年5月24日、兵庫県立龍野高校テニス部の練習中に倒れ、いまも意識が戻らないリサさん。事故発生とその後の状況について検証し、ともに考えたいと思います。

橿原市立中いじめ自死事件、尋問終了

[ 2020/07/17 21:19 ]
 2013年3月28日、奈良県橿原市立中1年生の女子生徒(当時)が、
同級生らからのいじめを苦に自ら命を断つに至った事件の裁判。
 加害生徒と保護者、そして教職員(同)に対する尋問が
20年5月26日から7月7日までの5期日にわたって、奈良地裁
(島岡大雄裁判長)で行われました。
 教職員に対する証人尋問は既報のとおりです。

 橿原市教育委員会が設置した調査委員会は、学校関係者ら105人を
対象に聞き取り調査を実施しましたが、加害生徒らは事情聴取に
応じていません。
 その理由は「必要がないから」

 あらためて言うまでもありませんが、事情聴取とは事件の全容解明を
進めるためのもので、特定の人物に対する聴取を「必要ない」と
判断できるのは、調査委のメンバーだけです。

 学校は、亡くなった生徒の1周忌を「いのちの日」と位置づけ、
春休み中にもかかわらず登校日とし、体育館での講話のあと
教員の引率のもと、法要に参列していました。
 加害生徒らは、学校行事を欠席した理由について
「知らなかったから」
とし、保護者も同様に
「友だちとは思っていないから、行く必要はない」
と切り捨てました。

 参列した生徒のなかには、1年生のとき別のクラスだった生徒たちも、
1学年上の生徒たちも含まれていました。
 つまり、亡くなった女子生徒のことを知らない生徒も多数いましたし、
1学年上の生徒たちは、この時点で中学校を卒業していましたが、
彼らは「友だちではないから、行く必要はない」などとは考えず、
学校行事に参加していました。

 事情聴取にも応じず、1周忌の法要にも参加しなかったというのは
なんらかの意図が働いた結果であり、その理由としては
「うしろめたいから」
と推定できます。

 また無料通信アプリLINE(ライン)に、亡くなった生徒に対する
いわれのない中傷を書き込んでいた生徒は、自死が明らかになった
数時間後に
「私のせいかな。私も死ななあかんのかな」
とLINEに投稿し、自責の念を示していましたが、法廷では一転して
自らを正当化する言い訳に終始しました。
 この生徒の保護者は、LINEでの中傷を知っていたにもかかわらず
謝罪もせず、被害生徒へのお悔やみの言葉を述べることも
ありませんでした。

 亡くなった女子生徒の母親は閉廷後、支援者を前に
「憤りというより、情けない思いだ」
と涙ながらに述べました。
 次回は10月20日10時30分、亡くなった生徒の母親が意見陳述し
結審します。
スポンサーサイト



龍野高校の対応を検証する(その7)

[ 2020/07/16 09:01 ]
 2020年6月19日付朝日新聞愛知版は、

 浜松市の浜名湖へ校外学習に来た愛知県豊橋市立章南中1年の
西野花菜さん(当時12)が亡くなったボート転覆事故から18日で
10年を迎えた。豊橋市内の全小中学校で追悼行事があり、
章南中では父親の友章さんが教職員に向けて講演した。
友章さんは、子どもたちの命を守るために事故を教訓にしてほしい
と強く訴えた。
 豊橋市は命日を「学校いのちの日」と定め、今年も小中学生が
花菜さんの冥福を祈り、命の尊さを見つめ直した。
 章南中では、友章さんが教職員23人に「事例から学ぶ学校事故の
予防について」をテーマに話した。市の若手教員研修では2年前から
講師を務めているが、花菜さんが通った同校で話すのは初めて。
「教訓をつないでほしい」と学校側が要望して実現した。
(中略)
 同校では友章さん夫妻が寄贈した本を「花菜文庫」として活用しており、
現在では541冊になる。宮林秀和校長は「生徒の命を守るのは、
第一に教員であることを忘れてはならない。10年を節目と考えず、
事故のことを引き継いでいく」と話した。

と伝えました。

 一方、20年7月6日付神戸新聞夕刊は、

 兵庫県立神戸高塚高校(神戸市西区)で、遅刻指導中の教師が閉めた
校門に1年生の女子生徒=当時(15)=が挟まれ死亡した事件は6日、
発生から30年となった。校門前では市民団体が追悼集会を開き、
約20人が黙とう。同校内でも校長が教職員に訓示した。
 市民団体「生命の管理はもうやめて!」が実施。校門前にカーネーションを
並べて、生徒たちの登校を見送った後、発生時刻の午前8時半に黙とうした。
 その後、参加者が30年間の思いを語った。女子生徒の1学年上だった
卒業生の女性は、「私は家族を持ったが、女子生徒の時間は止まったまま。
当時、校長が語った『あと10分早ければ、事故は起きなかった』という
言葉への違和感は消えない」と語った。
 同校の職員会議でも教員ら約40人が黙とう。仲山恵博校長が
「二度とあってはならない事故。目の前の生徒一人一人を大切にしてほしい」
と述べた。
(後略)

 いずれも学校管理下で発生した事故によって、在校生が亡くなったという
事案です。
 豊橋市は、事故の記憶を風化させまいと被害生徒の保護者に協力を要請し、
具体的なアクションを起こしています。
 これは学校事故における、さいたま市や名古屋市の事後対応に通ずるものです。

 一方、神戸高塚高の追悼集会は市民団体が主催し、しかも同高は校内への
立ち入りを認めていません。
 すなわち兵庫県は主体的に関与しておらず、あたかも
「迷惑行為を黙認している」かのような対応です。
 校長が職員会議で訓示しましたが、実効性ある再発防止策を策定し
運用するために、具体的になにをどうするのか?という視点が感じられません。

 これは龍野高において、リサさんが巻き込まれた事故を反省し、
教訓を得ようという動きがみられないことと通底するものであることは、
残念ながら認めざるを得ません。
 兵庫県民の皆さん、この状況をどのように思われますか?

橿原市立中いじめ自死事件、証人尋問続く

[ 2020/06/19 16:38 ]
 2013年3月28日、奈良県橿原市立中1年生の女子生徒(当時)が、
同級生らからのいじめを苦に自ら命を断つに至った事件の裁判が、
新型コロナウイルスの感染拡大にともなう自粛要請下でも継続しています。

 20年5月26日には、女子生徒が所属していたソフトテニス部の顧問教諭
(当時)が証人として出廷し
「部活内でも孤立ははっきりしていた。苦しんでいたのはまちがいない。
 しかし担任(同)は、こうした事態を把握していながら女子生徒の態度が
気にくわないとし、『痛い目、苦しい目に遭ったらいいねん』と話していた」
と証言しました。

 この証言が事実であれば、担任がいじめを見て見ぬふりをしていた
だけではなく、むしろいじめを助長していたと捉えられてもしかたがない、
といわざるを得ません。
 女子生徒の母親は
「勇気をもって証言してくれた先生と生徒たちに、感謝の気持ちでいっぱいです」
と述べました。

 しかし元担任は20年6月9日、証人として出廷し、いじめが自殺の原因
ではないと主張しました。
 女子生徒や保護者、他の生徒らからも、女子生徒がいじめられている
との報告はなかったとし、女子生徒が自死したことについても「予測して
いなかった。驚いた」と述べるにとどまりました。

 橿原市教育委員会が設置した調査委員会は15年4月23日、
「いじめがあった」と認める調査報告書を公表し、森下豊・同市長(同)らが
「真相解明を大きく遅らせ、早期に再発防止策を講じる機会を失わせた。
 子どもの自死を汚れた大人の論理でもてあそび、誠に許し難い」
と痛烈に批判しています。
 しかし橿原市と学校関係者は、いまだに女子生徒が自死に至ったという、
教育現場における最大の痛恨事に向き合おうとしていません。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201504.html

 今後は6月30日と7月7日、いずれも10時00分から奈良地裁で
証人尋問が行われます。

橿原市立中いじめ自死事件、進行協議

[ 2020/04/20 10:17 ]
 2013年3月28日、奈良県橿原市立中1年生の女子生徒(当時)が、
同級生らからのいじめを苦に自ら命を断つに至った事件の進行協議が、
20年3月10日11時00分から奈良地裁(島岡大雄裁判長)で
行われました。

 被告・橿原市と加害生徒らは、この期に及んでも、いじめ行為によって
生徒を自死に追い込んだ、という事実に向き合う姿勢を示しませんでした。

 当ブログでも既報のとおり、本件は橿原市の不誠実な対応によって
裁判が2年以上にわたって中断するという、異常な事態を経ています。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201909.html

 被告側は、前回20年1月21日の口頭弁論から約2カ月という時間が
与えられていたにもかかわらず、
「証人尋問にだれが出廷するのか?」
という裁判の進行において最も重要な問題に、確たる回答を持たないまま
同日の進行協議に臨みました。

 奈良地裁は、「20年度中に判決を言い渡す」との意向を原告・被告
双方に伝えています。

 亡くなった女子生徒の母親は、
「加害生徒らを提訴したのは本意ではない。
 いったいなにがあったの?という疑問に誠意をもって答えてくれて、
謝罪してくれればそれでいい」
とまで語っていますが、この言葉を真摯に受けとめる気はないようです。

 4月21日11時30分から奈良地裁で行われる予定だった進行協議は、
新型コロナウイルスの感染拡大によって中止になりました。
 証人尋問は5月26日、6月1日、6月9日、6月30日、7月7日。
 いずれも10時00分から奈良地裁で行われる予定ですが、
現下の状況に鑑み、変更となる可能性があります。

龍野高校の対応を検証する(その6)

[ 2020/03/31 08:10 ]
 リサさんの両親は、兵庫県教育委員会が北峯照之・龍野高校長に送った
文書を開示請求によって入手し、その内容に仰天した、と証言しています。

 2004年1月。
 龍野高では、当時1年生の男子生徒が体育の授業中、マラソン大会に
向けての長距離走で倒れ、不幸にして亡くなるという事故がありました。
 わたしが、亡くなった男子生徒の父親に話を聞いたところ、
「授業中に発生した事故であるから、独立行政法人・日本スポーツ振興センター
が運営している災害共済給付制度が適用され、死亡見舞金は受け取った。
 その後、『死亡見舞金を使って自宅マンションを購入した』
など、まったく事実ではない風評被害に見舞われた。
 事故に関して調査せず、したがって原因は不明なままで、再発防止策も
策定しない龍野高の対応には納得がいかず、損害賠償請求訴訟の提訴も
考えたが、息子にはきょうだいもいる。
 提訴した場合、子どもにまで地域住民らからさらなる暴言を浴びせられる
のではないか、という危惧もあって提訴は見送らざるを得なかった」
と、苦渋に満ちた胸中を吐露してくれました。
http://shunichimori.blog130.fc2.com/blog-date-201005-12.html

 兵庫県教委は北峯校長に、この遺族にも接触するよう指示していました。
 こうした経緯に鑑みれば、
「龍野高と兵庫県は不幸な事故に巻き込まれた生徒や保護者に寄り添っている」
という、実体のないアリバイ工作に血道を上げている、としか判断できません。

 そして兵庫県教委は19年12月10日、
「令和元年度 兵庫県教育功労者表彰(知事表彰)について」
という文書を発表し、北峯照之・龍野高校長を県教育功労者として表彰する
ことを明らかにしました。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~board-bo/kisya31/3112/311210kyosyoku.pdf

 その趣旨は
「県下教育の振興に貢献し、その行為が広く県民の模範となるべき人々を
表彰し、その功績に報いるとともに本県教育の発展に資することを目的と
した表彰(知事表彰)である」
ということです。

 これまで縷々述べてきたように、北峯氏はリサさんの両親に接触しないよう
教職員に指示しました。
 すなわち生徒と保護者に対する誠実対応義務を果たしていません。

 19年5月24日に開催された「職員研修会」について、北峯氏が保護者に
対して説明した内容と、教職員に対して説明した内容が食い違っていました。
 すなわち二枚舌を使い分けた、とのそしりを免れません。
 
 北峯氏が、リサさんの「卒業」に関して両親に伝えた内容について、
保護者が兵庫県教委に問い合わせたところ、「法的根拠はない」と県教委職員が
明確に否定しているにもかかわらず、北峯氏は説明責任を果たさないまま、
保護者からの質問も黙殺しています。
 すなわち今年度末で定年を迎える身であるから、時間を稼いでやり過ごそう、
というきわめて卑怯な態度がうかがえます。

 こうした行為が「広く県民の模範となる」と言い切る兵庫県教委には、
言葉を失います。


(この項、つづく)
プロフィール

heppoko runner

Author:heppoko runner
 子どもは社会の宝です。
 なぜなら20年後、30年後の社会を支えてくれるのは彼ら彼女らであり、彼ら彼女らのいのちや権利を粗雑に扱うということは、すなわち日本の、ひいては人類の未来に対する責任を放棄することです。
 そんな無責任な態度は、断じて許されません。
 子どものいのちと権利を守るために、わたしたちはなにをしなければならないのか?なにをしてはいけないのか?
 いっしょに考えていただきたいと思います。

最新トラックバック